
ドルコスト平均法で始めるリスク分散術!つみたてNISAやiDeCoと相性抜群の資産運用
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執筆者:
公開:
2023.04.02
更新:
2025.01.29
目次
ドルコスト平均法のデメリット4選と初心者が気を付けるポイント
ドルコスト平均法の仕組み・やり方をりんごの例でわかりやすく解説
ナンピン買いとドルコスト平均法の違い:初心者が選ぶべき手法はどっち?
ドルコスト平均法は為替リスクに有効?具体的な対応策と効果を解説
ドルコスト平均法とNISAやiDeCoの関係とは?おすすめ銘柄と運用のコツ
NISAのつみたて投資枠は分配金を再投資する銘柄で複利効果を高める
ドルコスト平均法は、価格変動に左右されず、安定して資産を増やしたい初心者におすすめの投資手法です。毎月一定金額を投資することで、高いときに少なく、安いときに多く購入できるため、購入単価が平均化されリスクを分散できます。
さらに、価格変動を気にせず心理的負担を軽減しながら、つみたてNISAなどの制度と組み合わせることで、効率的に長期運用が可能です。本記事では、この手法の仕組みやメリットを詳しく解説します!
ドルコスト平均法とは?仕組みと効果をわかりやすく解説
ドルコスト平均法とは、毎月や定期的に一定の金額を投資する方法のことです。たとえば投資信託や株式を買うとき、いつも同じ金額をコツコツ積み立てるイメージです。こうすることで「高いときにまとめて買ってしまうリスク(高値掴み)」を抑えられるといわれています。
なぜ抑えられるかというと、買い付けに使う金額が毎回同じだからです。価格が高いときには買える数量が少なくなり、逆に価格が安いときには多く買えるため、購入単価が自然に平均化される仕組みです。
因みに、ドルコスト平均法という名前は、アメリカの「dollar cost averaging」という用語を直訳したことに由来します。イギリスでは「ポンドコスト平均法(pound-cost averaging)」と呼ばれるほか、特定の通貨単位(unit)に基づかない「unit cost averaging」と呼ばれることもあります。
また、コツコツ積み立てる仕組みなので、相場の値動きを細かく気にする必要がなく、一度始めると心理的負担が少なく、投資を継続しやすいというメリットもあります。
この方法は、特に投資信託やETF(上場投資信託)のように価格が変動しやすい商品を定期的に購入する場合に適しています。価格変動の大きい商品を扱う場合でも、購入タイミングを分散できるため、初心者にとって安心して取り組みやすい方法といえます。
初心者でも知っておくべきドルコスト平均法のメリットとは?
投資初心者でも始めやすいドルコスト平均法の3つの主要なメリットについて、リスク分散、収益機会、運用の手軽さの観点から詳しく解説します。
高値掴みを避けてリスク分散できる
毎月(または定期的に)購入するタイミングを分散させるので、ある一時点で大量に買うリスクを低減できます。とくに価格が高いときは少ない数量しか買わず、価格が安いときは多く買う仕組みになるため、長い目で見ると購入単価をならしやすい点が大きなメリットです。
下落傾向が続くと、一括投資と比較して収益が増加する
もし投資対象の価格が下落し続けた場合、安い価格で多く買い付けることができるので、買い付け単価が下がっていきます。その後に価格が回復すると、一括投資よりも大きなリターンが得られる可能性があるのです。
定期・定額購入で投資労力が少ない
毎回「買い時かどうか」を判断しなくても、一定の金額を自動で積み立てていくだけなので、投資に割く労力が少なくて済みます。銀行や証券会社が提供する自動積立サービスを利用すれば、さらに手間なく継続できます。
ドルコスト平均法のデメリット4選と初心者が気を付けるポイント
ドルコスト平均法の主な4つのデメリットと対処法について、短期的な収益性の制限、相場上昇時の機会損失、コスト面での注意点、そして分散投資の重要性を交えながら解説していきます。
短期間で大きなリターンを獲得することは難しい
ドルコスト平均法はタイミングを分散して購入単価を平均化する方法なので、急激な上昇局面などで、一括投資ほどの短期的リターンは得にくい場合があります。
価格の上昇傾向が続くと、一括投資と比較して収益が減少する
相場が右肩上がりで推移している場合、早めに一括で投資をしていたほうが平均購入価格が低く抑えられたかもしれません。ドルコスト平均法では、買い付けのタイミングが後ろにずれるほど価格が高くなるため、結果的にリターンが小さくなることがあります。
ただし、長期の相場では上昇・下落を繰り返すことが多いため、実際には上下動を踏まえて考える必要があります。
取引手数料がかさむ可能性がある
買い付けの回数が増えるため、1回ごとに手数料がかかる形式だと手数料総額が大きくなる可能性があります。ただし、投資信託の場合は**購入時手数料が0円(ノーロード)**のものもあるため、商品選び次第ではこのデメリットを回避できます。
一つの商品に集中投資するリスクが高まる
同じ銘柄を長期間買い増していくため、結果的にその商品への投資比率が大きくなりがちです。1社の株式などに偏ると、相場が悪化したときの打撃も大きくなるため、ポートフォリオを複数の商品で分散するなどの工夫が必要です。
ドルコスト平均法は最強?それとも気休めで意味がない?
ドルコスト平均法について、「最強」と「気休め」という両極端の意見が存在します。ドルコスト平均法が「最強」といえる点としてこのような意見が聞かれることが多いです。
ドルコスト平均法が「最強」と言われる理由とは?
平均購入単価が下がりやすい
価格が安くなったときにより多く買うため、最終的に購入単価が抑えられます。結果的に、上昇局面でのリターンが大きくなりやすいといえます。
価格暴落時も精神的に慌てにくい
相場が急落しても、むしろ「安くたくさん買える」と前向きに捉えられます。長期的に見れば価格が回復しやすいという認識があれば、狼狽売りをしにくいメリットがあります。
投資初心者が貯金感覚で始めやすい
少額からコツコツ積み立てるので、資金が少ない方や投資を始めたばかりの方でも取り組みやすいです。相場の値動きを細かく追いかけなくてもよいという気軽さもあります。
ドルコスト平均法は気休めで意味がないと言われる理由とは?
一方で、ドルコスト平均法を「気休め」とする意見もあります。気休めにと言われる時のポイントは以下のとおりです。
価格の下落が前提になる
ドルコスト平均法で運用成績が大きくプラスになりやすいシナリオは、「途中で価格が暴落して最後に巻き返す」ケースです。もし右肩上がりで上昇してしまうと、はじめに一括投資しておいたほうが得な場合が多いのです。
最終的に価格が巻き返さなければ損失もあり得る
価格暴落時にたくさん買うのは良いですが、そのまま相場が回復しないと損失を抱えたままになります。「時間分散が絶対に正解」というわけではないのです。
長期で投資したとしても必ずプラスになるとは限らない
10年、20年とドルコスト平均法を続けても、投資対象の成長力が弱ければ損をするリスクがあります。運用成績はあくまで市場環境や銘柄選びにも左右されます。
ドルコスト平均法の仕組み・やり方をりんごの例でわかりやすく解説
毎月決まった額で金融商品を購入する方法と、同じ数を毎月購入する方法と比較すると平均購入単価に差が生じます。ドルコスト平均法の仕組みをわかりやすく伝えるため、金融商品をりんごに例えて解説します。
まずは、りんご1個の価格を1ヵ月目120円、2ヵ月目130円、3ヵ月目90円、4ヵ月目140円と仮定します。りんごを「毎月5個」購入する場合の購入金額と、「毎月600円」購入する場合の購入数は次のとおりです。
りんご 1個の価格 | 120円 | 130円 | 90円 | 140円 |
---|---|---|---|---|
5個分の 購入金額 | 600円 | 650円 | 450円 | 700円 |
600円分の購入数 | 5個 | 4.6個 | 6.6個 | 4.3個 |
りんごを「毎月5個」購入する場合と「毎月600円」購入する場合の、購入総額・平均購入単価・購入総数は次のとおりです。
毎月5個 | 毎月600円 | |
---|---|---|
購入総額 | 2400円 | 2400円 |
1個あたりの 平均購入単価 | 120円 | 117円 |
購入総数 | 20個 | 20.5個 |
「毎月600円」ずつ購入した、ドルコスト平均法を用いたケースでは、りんごの価格が高いときは購入数が少なく、価格が低いときは多く購入できます。
毎月5個のりんごを購入する場合と購入金額は同じですが、毎月定額のドルコスト平均法のほうが購入数も多く、平均購入単価も下がることがわかるでしょう。
ドルコスト平均法の仕組みを金融商品の例で解説
ドルコスト平均法をわかりやすく説明するために、架空の金融商品Aを取り上げてみます。
金融商品Aは、以下のような値動きをする金融商品です。一時的に値上がりしたものの、その後は値下がり傾向が続き、12ヶ月目には、1ヶ月目の価格の6割にまで落ち込んでしまいました。
一括で購入した場合
もしこの商品Aを、ドルコスト平均法を使わず、1ヶ月目に120万円分を一括購入していた場合、12ヶ月目の評価額と投資損益は次の通りになります。
- 投資元本:120万円(120万円×1回)
- 総購入口数:60口
- 12ヶ月目における評価額:72万円(1.2万円×60口)
- 12ヶ月目における投資損益:48万円の損失(評価額72万円-投資元本120万円)
- 金融商品Aの値下がりの影響により、48万円の投資損失となってしまいました
金融商品Aの値下がりの影響により、48万円の投資損失となってしまいました
ドルコスト平均法を利用した場合
では、次に、同じ商品をドルコスト平均法を使って、毎月10万円ずつ購入していた場合を考えてみます。
- 投資元本:120万円(10万円×12回)
- 総購入口数:104.6口
- 12ヶ月目時点の評価額:1,254,666円(1.2万円×104.6口)
- 12ヶ月目時点の投資損益:約5.4万円の利益(評価額約125.4万円-投資元本120万円)
- 同じ金融商品、同じ投資元本、同じ投資期間であるにも関わらず、ドルコスト平均法を活用することで、投資損益が黒字になりました。
このように、ドルコスト平均法は、価格の低いタイミングで購入する数量を増やし、高いタイミングで購入する数量を減らすことにより、長期的な価格変動リスクを抑えることができます。
ナンピン買いとドルコスト平均法の違い:初心者が選ぶべき手法はどっち?
ナンピン(難平)買いとは、保有する金融商品の価格が下がったときに、その金融商品をさらに買い増すことで、「平均購入単価(平均取得単価)」を引き下げることを目的とした投資手法です。
例えば、10,000円で100口購入した金融商品が、8,000円まで価格が下がったときに、さらに追加で100口購入することで、平均購入単価を9,000円まで押し下げます。平均購入単価=利益獲得水準のため、平均購入単価が下がれば、利益を獲得しやすくなるといえます。
ナンピン買いは、金融商品の値動きが上昇傾向にある時は大幅な利益獲得を目指せますが、下落傾向の時は損失が拡大してしまいます。そのため、ナンピン買いをするタイミングが重要となります。ナンピン買いは短期的に大きなリターンを求める投資家に向いている投資手法といえるでしょう。
ドルコスト平均法は為替リスクに有効?具体的な対応策と効果を解説
2024年のドル円相場は円安が続いており、わずか1ヵ月で10円以上も円安が進行した時期もありました。米ドル建てで投資をしている場合、急激な為替相場の変動は大きなリスクになります。
毎月決まった額を購入するドルコスト平均法は、為替リスクの影響を軽減できます。
ドルコスト平均法は円安や株安の影響で円ベースの価格が安い状態でも、一定の金額で買付を実施します。円安や株安では取得コストが下がるだけでなく、今後値上がりしたときに大きなリターンを得られます。
また、ドルコスト平均法は、「時間分散」による投資も可能です。時間分散とは、複数回に分けて投資をすることで、買値や売値が平均化される効果があります。
また、投資のタイミングを分散すると、相場が最も高い位置で購入し、値下がりで損をする「高値づかみ」を避けることにつながります。
一方、まとまった金額で一括投資すると、為替や株式の相場の影響を強く受けます。一括投資の場合、価格が安いときに購入し、高くなったときに売って利益を確保するのが理想的です。
しかし、適切なタイミングを見極めるのは難しいため、為替リスクを避けたいときはドルコスト平均法が有効といえるでしょう。
ドルコスト平均法と一括投資を徹底比較
ドルコスト平均法と一括投資は、それぞれ異なる特徴を持つ投資方法です。長期的な視点で安定的に資産を形成したい人にはドルコスト平均法が、一方で短期間で大きな利益を狙いたい人や市場の動きを読む自信がある人には一括投資が向いています。以下では、具体的にどのようなタイプの投資家に適しているかを解説します。
ドルコスト平均法が向いている投資家
ドルコスト平均法は、定期的に一定額を投資することで、市場の変動リスクを抑えながら長期的な資産形成を目指す投資手法です。特に投資経験が少ない人や、長期的な資産形成を目指す人、安定志向の投資家に適している方法といえます。
1. 初心者の投資家
- 市場の価格変動や投資タイミングを気にせず、手軽に投資を始めたい人。
- 一定の金額を継続的に投資することで、平均購入単価を抑え、リスクを分散可能。
初心者の投資家にとって、ドルコスト平均法は市場の価格変動や投資タイミングを気にせず、手軽に投資を始められる方法です。一定の金額を継続的に投資することで、平均購入単価を抑え、リスクを分散することが可能です。
2. 長期的な資産形成を目指す投資家
- 時間をかけて堅実に資産を増やしたい人。
- 短期的な市場変動の影響を軽減し、複利効果で将来的な成長を狙える。
時間をかけて堅実に資産を増やしたい投資家に適しています。短期的な市場変動の影響を軽減できる上、複利効果によって将来的な成長を狙うことができます。
3. 安定志向の投資家
- 相場の変動に不安を感じず、安定的な投資を希望する人。
- 定期的な購入で価格変動のリスクを平準化し、精神的な負担を軽減できる。
相場の変動に不安を感じず、安定的な投資を希望する人に向いています。定期的な購入により価格変動のリスクを平準化し、精神的な負担を軽減することができます。
一括投資が向いている投資家
一括投資は、まとまった資金を一度に投資することで、市場の上昇局面での利益最大化を狙う投資手法です。リスクをとっても短期間で大きなリターンを狙いたい投資家や、投資経験が豊富で市場分析のスキルを持つ投資家、リスクを取れる余裕資金がある投資家に適しています。
1. 短期間で大きなリターンを狙いたい投資家
- 市場が上昇局面にある場合、大きな金額を一度に投資することで早期に利益を得たい人。
- 上昇トレンド時に適しているが、市場が下落した場合のリスク管理が必要。
市場が上昇局面にある場合、大きな金額を一度に投資することで早期に利益を得たい投資家に適しています。上昇トレンド時に特に効果的ですが、市場が下落した場合のリスク管理が必要となります。
2. 市場の動きを読む自信がある投資家
- 投資タイミングを正確に見極めるスキルを持ち、リターンを最大化したい人。
- 市場予測に失敗すると大きな損失が出る可能性があるため、慎重な判断が求められる。
投資タイミングを正確に見極めるスキルを持ち、リターンを最大化したい投資家向けです。ただし、市場予測に失敗すると大きな損失が出る可能性があるため、慎重な判断が求められます。
3. 余剰資金がある投資家
- 生活に影響を与えない余裕資金を保有している人。
- 一括投資後に価格変動が起きても精神的・経済的な負担が少ない点がメリット。
生活に影響を与えない余裕資金を保有している投資家に向いています。一括投資後に価格変動が起きても精神的・経済的な負担が少ない点がメリットです。
ドルコスト平均法とNISAやiDeCoの関係とは?おすすめ銘柄と運用のコツ
NISAのつみたて投資枠やいiDeCo、企業型DCなどの確定拠出年金は、毎月一定額を設定した銘柄の買付に使う、まさにドルコスト平均法による運用を行う仕組みです。
NISAのつみたて投資枠は分配金を再投資する銘柄で複利効果を高める
NISAのつみたて投資枠の銘柄は、分配金を再投資できる投資信託やETFを選ぶのがおすすめです。分配金を自動再投資することにより、複利による効果も得やすくなります。
ETF(Exchange Traded Funds)は、東京証券取引所などに上場している投資信託で、特定の指標に連動しており、市場の動きに応じてリアルタイムで価格が変動します。ただし、複利効果を狙う場合は、分配金を自動で再投資できる投資信託のほうが効率的です。ETFでは分配金を再投資するサービスが少なく、自分で再投資する際に税金が差し引かれるため、複利効果が薄れてしまうからです。
長期的に運用してコツコツと利益を積み上げたい場合は、再投資が可能かどうかを確認して選ぶといいでしょう。
なお、2023年までの旧NISAでは、一度投資をすると枠が消費される仕組みでしたが、2024年に開始した新NISAでは非課税限度額の再利用が可能になりました。また、非課税期間が無期限となり、ドルコスト平均法を用いてリスクを抑えつつ非課税で運用できるようになっています。
iDeCoや企業型はDCは分配金を自動で再投資するため複利効果も高い
NISAのつみたて投資枠と異なり、iDeCoや企業型DCなど確定拠出年金の場合は、そもそも60歳以降まで積立元本や運用益を受け取ることができません。そのため、投資信託やETFによって発生した分配金は自動で再投資するようになっています。
ドルコスト平均法でリスク分散を図りながら、分配金の再投資により複利効果を高める、長期分散投資のための制度と言えます。
まとめ
ドルコスト平均法は、初心者がコツコツと資産形成を進めるのに適した投資手法です。相場の値動きに一喜一憂せず、リスクを分散しながら長期的な視点で運用できます。
まずは、NISAやiDeCoなど確定拠出年金を活用して少額から始めてみましょう。主要な金融機関の自動積立サービスを使えば、手間なく継続的に投資を行えます。

MONO Investment
投資のコンシェルジュ編集部は、投資銀行やアセットマネジメント会社の出身者、税理士など「金融のプロフェッショナル」が執筆・監修しています。 販売会社とは利害関係がないため、主に個人の資産運用に必要な情報を、正確にわかりやすく、中立性をもってコンテンツを作成しています。
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積立投資
一定の期間ごとに一定の金額ずつ同じ銘柄を購入していく投資手法のこと。一度にすべてのお金を投資する「一括投資」とは異なり、少額から始められ、タイミングをずらしながら投資することで高値づかみを避ける「時間分散」の効果が期待できる。
iDeCo
iDeCo(イデコ)は、個人型確定拠出年金の愛称で、老後の資金を作るための私的年金制度です。20歳以上65歳未満の人が加入でき、掛け金は65歳まで拠出可能。60歳まで原則引き出せません。 加入者は毎月の掛け金を決めて積み立て、選んだ金融商品で長期運用し、60歳以降に年金または一時金として受け取ります。加入には金融機関選択、口座開設、申込書類提出などの手続きが必要です。 投資信託や定期預金、生命保険などの金融商品で運用し、税制優遇を受けられます。積立時は掛金が全額所得控除の対象となり、運用時は運用益が非課税、受取時も一定額が非課税になるなどのメリットがあります。 一方で、証券口座と異なり各種手数料がかかること、途中引き出しが原則できない、というデメリットもあります。
確定拠出年金
確定拠出年金(Defined Contribution)とは、受給者自身が資産を運用する年金制度で、個人型と企業型に分けることができる。受給者は、自らや企業が搬入した掛け金を運用し、受給要件を満たした際に給付金を受け取ることができる。給付額はそれぞれの運用法によって異なるので、老後の給付額は現役時代には確定しない。 受給者に対するメリットとしては、確定拠出年金(DC)は確定給付年金(DB)と比べて受給権が確立されていることや、自身のDC資産のみを管理すればいいことが挙げられるが、価格変動が生じるため給付額が見込みでしか計算できないというデメリットがある。
時間分散
時間分散とは、投資のタイミングを複数回に分けることで、相場の変動リスクを軽減する方法です。ドルコスト平均法はこの時間分散の考え方を活用した投資手法で、価格の高低に左右されにくく、平均購入価格を抑えることが可能です。
ドルコスト平均法
ドルコスト平均法とは、一定の金額を定期的に投資する方法です。価格が高いときは少なく、価格が低いときは多く買えるため、購入価格が平均化され、リスクを分散できます。市場のタイミングを読む必要がないため、初心者に最適な方法とされています。長期投資で効果を発揮し、特に投資信託やETFで利用されることが多い手法です。
リスク分散
資産運用における「リスク分散」とは、簡単に言うと「一つのカゴにすべての卵を入れない」という考え方です。たとえば、資産を特定の株式や投資信託だけに集中させてしまうと、それが値下がりしたときに大きな損失を受ける可能性があります。 リスク分散は、このリスクを減らすために、異なる種類の投資商品や地域、産業に資金を分けて投資する方法です。これにより、一つの商品が値下がりしても、他の商品が値上がりすることで全体の損失を抑える効果が期待できます。たとえば、国内株式だけでなく、海外株式や債券など複数の商品に投資することで、安定した資産運用が目指せます。 「たくさんの場所に投資して安全ネットを張る」というイメージを持つとわかりやすいでしょう。
複利
利息などの運用成果を元本に加え、その合計額を新たな元本として収益拡大を図る効果。利息が利息を生むメリットがあり、運用成果をその都度受け取る単利に比べ、高い収益を期待できるのが特徴。短期間では両者の差は小さいものの、期間が長くなるほどその差は大きくなる。
ナンピン
保有している銘柄の価格が下落した際に買い増すことにより平均購入単価を下げる投資方法を「ナンピン買い」という。例えば、10,000円で100株購入した株式が6,000円に下落した際に100株買い増すことにより平均購入単価を10,000円から6,000円に引き下げることができるが、さらに下落した際は損失がさらに大きくなるので注意が必要である。 反対に空売りの際、値上がりしてしまった場合に売り増すことを「ナンピン売り」という。
投資信託
投資信託は、多くの投資家から集めた資金を一つの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する金融商品です。運用によって得られた成果は、各投資家の投資額に応じて分配される仕組みとなっています。 この商品の特徴は、少額から始められることと分散投資の効果が得やすい点にあります。ただし、運用管理に必要な信託報酬や購入時手数料などのコストが発生することにも注意が必要です。また、投資信託ごとに運用方針やリスクの水準が異なり、運用の専門家がその方針に基づいて投資先を選定し、資金を運用していきます。
高値掴み
高値掴みとは、価格が高いときに金融商品を購入してしまい、その後価格が下落することで損失を抱えることを指します。投資のタイミングを誤った場合に起きやすいリスクです。ドルコスト平均法を使えば、定期的に購入するためこのリスクを軽減できます。