専門用語解説
FTPL(物価水準の財政理論)
FTPL(物価水準の財政理論)とは、物価がどのように決まるかを、政府の財政状況を中心に説明する経済理論です。通常、物価の変動は中央銀行による金融政策、たとえば金利の操作や通貨供給量の調整によって左右されると考えられますが、FTPLでは、政府の借金や将来の税収・支出の見通しが物価に直接影響すると見なします。
この理論によれば、政府が過度に借金を増やし、それを将来返済できる見込みが薄い場合、人々はその通貨の価値が下がると考えるようになり、結果として物価が上昇するとされます。つまり、財政政策の信頼性がその国の通貨の価値やインフレ率に大きく関係しているという見方です。インフレが高まる理由や、金融政策だけでは物価を安定させられない状況を理解するうえで、FTPLは重要な理論のひとつです。