専門用語解説
タコ足分配
タコ足分配(特別分配・元本払戻金)は、投資信託が分配金を支払う際に運用収益ではなく投資家の元本を取り崩して充当することを指します。見かけ上は毎回安定した分配が続くものの、ファンドの純資産はその分だけ目減りしている点が最大のリスクです。
特別分配は税務上「元本の払い戻し」とみなされるため、受取時には所得税・住民税とも課税されません。ただし非課税の代わりに保有口数あたりの取得価額がその分だけ引き下げられます。取得価額が下がると将来の売却益が大きく計算されるため、売却時に支払う譲渡所得課税(現行20.315%)が増える可能性があります。短期的には非課税メリットがあるものの、長期的には課税を先送りしているに過ぎない点に注意が必要です。
一方、運用益由来の普通分配は受取時点で課税され、取得価額は変わりません。分配金の内訳が普通分配か特別分配かは、交付目論見書や運用報告書の「分配金の計算明細」で確認できます。高い分配利回りだけに着目せず、分配原資の質とファンドの総合的なパフォーマンスを必ずチェックしましょう。