専門用語解説
株式クラス(種類株)
株式クラス(種類株)は、同じ会社が発行する株式でも「議決権の重さ」や「配当・清算時の優先順位」などが異なるグループを区別する仕組みです。たとえば米国のIT企業では、経営権を守るために議決権を10倍にした Class B と、1株1票の Class A、さらに議決権のない Class C を同時に上場させる例がよく見られます。
日本でも会社法で種類株式が認められており、配当を優先して受け取れる配当優先株や、会社清算時に先に資金を回収できる残余財産優先株、そもそも議決権を持たない無議決権株など、目的に応じて細かい設計が可能です。
こうしたクラス分けは、創業者や大株主が支配権を維持したまま資金を調達する手段である一方、投資家に対してはリスクとリターンの選択肢を広げる役割も果たします。ただしクラスが違えば株価の動きや流動性、議決権行使の可否、清算時の取り分も変わってきます。投資を検討する際は「自分がどのクラスを買うか」「議決権や配当の優先順位はどうなっているか」を必ず確認することが大切です。