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インカムゲインとキャピタルゲインとは?その特徴について徹底解説!

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執筆者:

公開:

2023.04.02

更新:

2025.03.29

基礎知識キャピタルゲインインカムゲイン投資理論

目次

インカムゲインの特徴

得られる利益が比較的小さい

安定的に利益を獲得できる

大きく損をする可能性が低い

定期的・継続的に利益を得られる

キャピタルゲインの特徴

大きく損をする可能性がある

売却時にのみ利益を得られる

インカムゲイン・キャピタルゲインの例と税務上の取扱い

運用商品ごとの内容例

所得税の税率

まとめ

「インカムゲイン」「キャピタルゲイン」は、どちらも資産運用によって得られるリターン(利益)を指します。

インカムゲインとは、株の配当金や債券の利息、不動産の家賃収入のように、資産を保有することで継続的に受け取ることができる利益のことです。インカム(Income)は「定期的に入る収入」、ゲイン(Gain)は「利益」という意味があります(ちなみにインカムゲインは和製英語であり、英語では"Investment Income"というのが一般的です。

一方、キャピタルゲインとは、株式や不動産といった資産を売却することで受け取ることができる利益のことです。資産の売却により生じる損失は「キャピタルロス」と呼ばれます。ちなみにキャピタル(Capital)は資本・資産という意味があります(こちらは英語でもCapital Gainです)。

キャピタルゲインは、資産そのものの価値を源泉として収益を獲得するのに対し、インカムゲインは資産から生み出される果実を源泉として、収益を獲得します。

インカムゲインの特徴

得られる利益が比較的小さい

インカムゲインは一般的に、キャピタルゲインと比較すると、得られるリターン(利益)が比較的小さいという特徴があります。

例えば、高金利として個人投資家の人気が高いソフトバンクグループの社債であっても、その利率は年1.38%(第56回普通社債)程度です。

2020年の日経平均株価の年間上昇率が54%であったことを考えると、一般的にインカムゲインはキャピタルゲインと比較して、得られるリターンが小さいといえそうです。

安定的に利益を獲得できる

インカムゲインは安定的に利益を獲得できます。社債の場合は、決まった金額の利息が支払われますし、不動産の場合も、テナントや入居者の増減によって多少の増減があるとはいえ、ある程度決まった金額の家賃収入が入ってきます。

利益の安定性はインカムゲインの大きな魅力の一つであり、そのことに魅力を感じてインカムゲインを狙う投資家も多く存在します。そのため、金融商品の中には、元本を毀損させてまで、配当や分配金を出し続けるタコ足配当・タコ足分配を(利益を伴わない配当・分配)行うものも存在するので、注意が必要です。

大きく損をする可能性が低い

インカムゲインを狙った投資は、キャピタルゲインを狙った投資と比較して、一般的に大きく損をする可能性は低いという特徴があります。

下表は格付ごとの社債デフォルト率です(デフォルトとは、元利金の支払いが一部でも滞ることを指します)。

JCR累積デフォルト率

(出所:日本格付研究所(JCR)「格付推移マトリックス・累積デフォルト率」

投資適格債の格付下限であるBBB格を見てみると、5年累積デフォルト率は2.29%であることがわかります。日本国内に出回っている社債はほとんどが投資適格債ですから、社債投資によって元本割れするリスク(=大きく損をする可能性)は低いといえるでしょう。

ここでは一例として社債を取り上げましたが、株式の配当や家賃収入など、そのほかのインカムゲインを狙った投資でも、リスクの差こそあれ、同様のことがいえます。

定期的・継続的に利益を得られる

例えば不動産の家賃収入であれば月に1回、社債の利息収入であれば半年に1回という頻度で収入を得られるように、インカムゲインは、資産を保有している期間中、定期的・継続的にリターンを得られるという特徴があります。

キャピタルゲインの特徴

得られる利益が比較的大きい キャピタルゲインは一般的に、インカムゲインと比較すると、得られるリターン(利益)が比較的大きいという特徴があります。

下のグラフは、2020年1月から2021年1月までの日経平均株価の推移です。

日経平均株価推移2020-2021

もし2020年1月6日に日経平均に連動するETFを購入したケースにおいて、2021年1月26日に売却した場合は、投資元本対比プラス18%の利益となります。

先ほど紹介したソフトバンクグループの社債利率が年1.38%であることを考えると、1年強で18%という比較的大きな利益を得られることがわかります。

大きく損をする可能性がある

得られる利益が比較的大きい半面、大きく損をする可能性もあります。

先ほどの例では、仮に2020年3月19日に売却した場合、その損益は投資元本対比マイナス29%と大きく損失を被ることになります。社債投資の元本割れリスクが低いことを考えると、キャピタルゲインを狙った投資は、インカムゲインを狙った投資と比較して、大きく損をする可能性があります。

売却時にのみ利益を得られる

インカムゲインは、定期的・継続的に利益を得ることができますが、キャピタルゲインは、資産の売却益ですので、資産売却時にのみ利益を得ることができます。

インカムゲイン・キャピタルゲインの例と税務上の取扱い

運用商品ごとの内容例

主要な運用商品ごとのインカムゲインとキャピタルゲインは下表の通りです。

インカムゲインキャピタルゲイン
株式配当収入株価値上がり時の売却益
債券利息収入償還前の債券売却益
投資信託分配金価格値上がり時の売却益
不動産家賃収入不動産売却益

一般的に、株式や一部の投資信託(ブル・ベア型ファンド等)は価格変動が激しいので、キャピタルゲインとインカムゲインの両方を狙いやすい商品だと言えます。

一方、債券や不動産、投資信託の多くは、急激な価格変動が起こりづらいので、インカムゲインを狙いやすい商品だといえます。

所得税の税率

先ほどの分類に基づき、所得税の税率をまとめてみました。

インカムゲインの
税率
キャピタルゲインの
税率
株式20.315%20.315%
債券20.315%20.315%
投資信託20.315%20.315%
不動産15%〜55%所有期間5年以下:39.63%
所有期間5年超:20.315%

株式や債券、投資信託といった金融商品は、インカムゲイン・キャピタルゲインの区別に関わらず、税率は20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)です。

不動産は、家賃収入が他の所得と合算した上で課税されるため、税率は所得の大きさによって15%〜55%の間で変動します。売却益については、所有期間が5年以下の場合39.63%(所得税30%+復興所得税0.63%+住民税9%)、5年超の場合は20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)となり、税率が5年を境に半減します。

運用商品の税務上の取扱いについては、後日別記事で解説する予定です。

まとめ

  • インカムゲインとは、株の配当金や債券の利息、不動産の家賃収入のように、資産を保有することで継続的に受け取ることができる利益のことを指す。
  • インカムゲインは、「得られる利益が比較的小さい」「大きく損失を被る可能性が小さい」「定期的・継続的に収入を得られる」という特徴を有する。
  • キャピタルゲインとは、株式や不動産といった資産を売却することで受け取ることができる利益のことを指す。
  • キャピタルゲインは、「得られる利益が比較的大きい」「大きく損失を被る可能性がある」「売却時にのみ利益を得られる」という特徴を有する。
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投資のコンシェルジュ編集部

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投資のコンシェルジュ編集部は、投資銀行やアセットマネジメント会社の出身者、税理士など「金融のプロフェッショナル」が執筆・監修しています。 販売会社とは利害関係がないため、主に個人の資産運用に必要な情報を、正確にわかりやすく、中立性をもってコンテンツを作成しています。

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インカムゲイン(インカム)

インカムゲイン(インカム)とは、株式や債券、不動産などの資産を保有していることで定期的または継続的に得られる収益のことを指します。具体的には、株式の配当金、債券の利息、不動産の家賃収入などが代表的な例です。一方で、資産の売買差益から生まれるキャピタルゲインとは異なり、保有し続けることで一定のペースで収入を得る点が特徴です。 インカムゲインを重視する投資では、安定したキャッシュフローを得られることが大きな魅力となります。例えば、株式の配当金は企業の利益から支払われますが、企業の業績や配当方針に応じて増減があるため、定期的なチェックが必要です。債券の利息は発行体の信用力や金利情勢に大きく左右され、金利が上昇すると既存債券の価格が下落するリスクがあります。不動産投資では家賃収入がインカムゲインとなりますが、空室が続いたり修繕費がかさんだりするリスクがあるほか、売却時の価格も景気や立地に左右されるため、投資額の回収が遅れる可能性があります。 これらのリスクを考慮する一方で、インカムゲインには安定性というメリットがあります。資産を保有しているだけでも定期的に資金が手に入り、再投資や生活費に回すことで資産形成を円滑に進めやすい面があります。また、いざ急に資金が必要になった場合には、すぐに売却しなくても配当金や利息で一定の収入を得られる可能性があるため、心理的な安心感につながることもあります。 ただし、インカムゲインを得ようとするあまり、高配当や高利回りをうたう投資商品ばかりに偏ると、発行体の信用リスクや価格変動リスクが高まるケースも考えられます。特に、株式の配当は企業の業績が悪化すれば減配や無配となる恐れがあり、債券の場合でも発行体の破綻リスクや金利上昇リスクが存在します。不動産投資では物件管理の手間や費用が大きく、地方物件などでは買い手が少なく流動性リスクも高くなるため、分散投資の観点で他の資産とバランス良く組み合わせるのが望ましいでしょう。 総じて、インカムゲインは、投資から生まれる継続的な収益を得るための有力なアプローチです。特に、キャピタルゲインだけに頼らず、配当や利息、家賃収入などの定期的な収入源を得ることでリスクを分散しながら安定した資産運用を目指すことができます。ただし、投資対象の選定やリスク管理は欠かせないポイントであり、投資する資金やライフプラン、リスク許容度に応じて最適なバランスを見極める必要があります。

キャピタルゲイン(売却益)

キャピタルゲイン(売却益)とは、保有していた資産を売却することで得られる利益のことを指します。株式や不動産、債券、金などの貴金属を購入時の価格より高い価格で売却した場合、その差額がキャピタルゲインです(対義語:インカムゲイン)。 例えば、1,000円で購入した株を1,500円で売却すれば、500円がキャピタルゲインです。ただし、売却時には税制や手数料を考慮する必要があり、特に金融資産では 譲渡益課税 が適用されることが多くあります。 キャピタルゲインは、大きなリターンを得られる可能性がある一方で、購入時より価格が下がると 元本割れのリスク も伴います。そのため、資産運用では 売却益の確保 と 税負担の最適化 が重要な戦略の一つです。

利回り

利回りとは、投資によって得られる収益を「投資金額に対する割合」で示したものです。ここでいう収益は利息だけでなく、投資商品を売却したときの損益(キャピタルゲインやキャピタルロス)なども含まれます。一般的には、1年間を基準とした「年利回り」として表されることが多いです。 また、利回りには大きく分けて「単利」と「複利」があります。単利は元本に対してのみ利息がつくのに対し、複利は再投資を前提とするため、同じ利率でも長期運用すると結果に大きな違いが出る可能性があります。

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