専門用語解説
繰越欠損金
繰越欠損金とは、ある年の所得が赤字(損失)になった場合に、その損失分を翌年以降の黒字と相殺するために使える税務上の制度です。法人税や所得税において適用され、たとえば前年に100万円の赤字があり、今年に150万円の黒字が出た場合、その赤字分を差し引いた50万円だけが課税対象となります。
これにより、利益が出た年の税負担を軽減することができ、長期的に安定した経営や資産形成を支援する効果があります。繰越できる期間は制度によって異なりますが、法人税では最長10年間、個人の青色申告では原則3年間とされています。損失が出ても将来の節税につながる可能性があるため、正確な記帳と申告が非常に重要です。