
【2025年版】おすすめの変額保険を徹底比較!失敗しない選び方も紹介
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公開:
2025.06.12
更新:
2025.06.12
低金利が続く今、保険で資産運用も狙える「変額保険」に注目が集まっています。しかし、商品ごとに運用先やコスト、保障のクセは千差万別。選び方を誤れば、長期で預けても期待通りに増えないばかりか、解約控除で元本割れという落とし穴も。本記事では2025年最新ラインアップを徹底比較し、失敗しない選び方を明快に解説。あなたの目的やリスク許容度に合わせた最適な一手が見つかり、読後には迷いが晴れて次の行動がクリアになります。
サクッとわかる!簡単要約
この記事を読むと、変額保険で得られる長期運用リターンと最低保証がない元本割れリスクの相関を把握できます。運用実績・手数料・保障内容を並べた比較表と選び方チェックリストにより、目的別に合う商品を短時間で絞り込め、保険も投資も初めてという人でも販売トークに依存せず自分で判断できるようになります。さらに読後には家計シミュレーションに落とし込む次のアクションが明確になります。運用ファンドの透明性や解約控除期間など見落としがちな論点も整理しているため、中級者の知識確認にも有用です。最終的に『資産形成』『保障』『コスト』のバランスを定量的に比較でき、自分のリスク許容度に合う保険設計図が描けます。
変額保険の基本的な内容や特徴を確認
変額保険とは、払い込んだ保険料の一部を運用し、その運用成果によって将来の保険金や解約返戻金が変動する保険です。
変額保険の特徴
- 支払った保険料の一部を投資信託などで運用し、その運用結果によって保険金額や返戻金額が増減する
- 運用がうまくいけば大きく増える可能性がある一方、運用成績が悪いと期待していた金額より少なくなることもある
- 死亡保障に関しては契約時に決められた最低保証額があり、最低限の保障を確保できる
- 解約返戻金(途中解約した場合に受け取れる金額)には最低保証がない
- 自分でリスク許容度に応じた運用スタイルを選べる
一般的な生命保険は、加入時に保険金額が決まっています。一方で、変額保険は運用成果によって金額が変動する点に留意しましょう。
主要変額保険の商品一覧(2025年5月時点)
2025年5月時点で購入可能な主要な変額保険として、国内生保各社や外資系生保各社から商品が提供されています。各商品の特別勘定数(運用先ファンドの種類)や最低保証の有無、などを比較します。
商品名 | 特徴(概要) | 特別勘定数 | 最低保証の有無 |
---|---|---|---|
アクサ生命「ユニット・リンク」(有期型) | 国内外株式・債券・バランス型など12ファンドを自由に組み合わせ。払込満了後に終身型・年金受取へ移行可。 | 12 | 解約返戻金に最低保証なし(死亡保障も運用連動) |
SOMPOひまわり生命「将来のお守り」 | 9ファンド+健康積立金制度。第1保険期間は死亡・就労不能等を保障、第2期間は運用専念。健康状態で積立上乗せ。 | 9 | 第1期間は死亡保障に最低保証あり/解約返戻金なし・第2期間は全保証なし |
ソニー生命「バリアブルライフ」 | 終身型・有期型の2タイプ。8ファンド。終身型は「基本死亡保険金額」を保証。スイッチング可。 | 8 | 基本死亡保険金は最低保証あり/解約返戻金保証なし |
メットライフ生命「変額保険 ライフインベスト」 | 13ファンド。10年間死亡保障抑制型「アドバンス」選択可。三大疾病払込免除特約あり。 | 13 | 最低保証なし |
マニュライフ生命「こだわり変額保険」(I型) | 9ファンド。積立重視A/保障重視Bを選択。年12回まで無料スイッチング可。 | 9 | 最低保証なし |
マニュライフ生命「未来を楽しむ終身保険」 | 一時払・通貨選択型。定額部分は元本保証、変額部分は特別勘定で運用。外貨建ファンドを複数用意。 | (公表なし・複数) | 定額部分に元本保証あり/変額部分はなし |
はなさく生命「はなさく変額保険」 | 10ファンド。最長85歳、8疾病払込免除など保障が手厚い。終身移行後も保障継続。 | 10 | 最低保証なし |
チューリッヒ生命「フューチャーリンク」 | 9ファンド。独自モデル採用ファンドなど特色。特約で保障カスタマイズ可。 | 9 | 最低保証なし |
以下で、それぞれの商品の詳細を見ていきましょう。
アクサ生命「ユニット・リンク」(有期型変額保険)
保険商品の特徴
一定の保険期間(満期あり)の変額保険です。最大の特徴は特別勘定(ファンド)の選択肢が12種類と豊富な点で、国内外の株式・債券やバランス型ファンドから自由に組み合わせて運用できます。
- 満期がある有期型の変額保険
- 特別勘定(ファンド)は国内外株式・債券・バランス型など、12種類を自由に組み合わせて運用可能
- 保険料払込期間中は死亡保障付き
- 7大疾病罹患時の保険料払込免除特約を付加可能
- 運用実績により死亡保険金・解約返戻金が増減(解約返戻金に最低保証なし=元本割れリスク)
- 保険料払込満了後、終身保険への移行や年金受取への変更が可能で柔軟性が高い
- 契約後10年以内の解約は解約控除が大きく、損失が出やすい点に注意
保険料払い込み期間中は死亡保障が付き、7大疾病罹患時の保険料払込免除特約が付加可能です。運用実績次第で死亡保険金・解約返戻金が増減しますが、解約返戻金には最低保証がありません(元本割れリスクあり)。
メリットとして、保険料払込満了後に終身保険へ移行するオプションや年金受取への変更も可能で柔軟性があります。一方、契約後10年以内の解約は解約控除が大きく、損失が大きくなりやすい点に注意が必要です。
向いている人
アクサ生命「ユニット・リンク」が向いている人の特徴は、以下のとおりです。
- 投資性を兼ね備えた保険で資産形成を図りたい人
- 複数ファンドを自分で選び、リスクを取りながら長期運用したい中〜高リスク許容者
- 死亡保障を確保しつつ、将来は終身保障や年金受取など形を変えたい人
- 10年以上継続保有できる見通しがある人
- インフレヘッジや海外資産も組み込みたい高所得層・富裕層
12種類の特別勘定から、自由に組み合わせて運用できるため、リスク許容度に合わせて柔軟に資産形成したい方に向いています。
SOMPOひまわり生命「将来のお守り」(健康をサポートする変額保険)
保険商品の特徴
2023年5月発売の新商品で、特別勘定は9種類のファンドから選択できます。国内外の株式・債券に投資するバランス型や株式型ファンドに加え、加入者の健康状態に応じて積立金を上乗せする「健康積立金」制度を導入した点が特徴です。
- 2023年5月発売の変額保険
- 特別勘定は国内外株式・債券を投資対象とするバランス型/株式型ファンドなど9種類
- 加入者の歩数計データ等に応じて積立金を上乗せする「健康積立金」制度を採用
- 第1保険期間:死亡・高度障害・就労不能・要介護を保障しつつ積立運用
- 保険料払込終了後の第2保険期間は死亡保険金の最低保証を外し、災害時のみ保障に限定して運用コストを低減し長期運用に特化
- 運用ファンドの信託報酬はインデックス型で年率0.0605〜0.1430%、アクティブ型で実質0.7285%程度とファンド毎に差
- 契約後5〜10年以内の解約は解約控除が発生し元本割れリスクが大きい
保険料払込期間(第1保険期間)中は死亡保障・高度障害保障が充実し、就労不能状態や要介護状態も保障対象です。払込期間終了後は第2保険期間として運用のみを継続でき、第2保険期間中は死亡保険金の最低保証をなくし、災害時のみ保障とすることで運用コストを抑制しています。
これにより長期運用で資産形成に注力できる仕組みですが、第2保険期間中は投資リスクが契約者に完全帰属します。信託報酬は運用ファンドにより異なり、例えば国内株式型で年率0.0605%、先進国株式型で0.1430%、アクティブ運用の先進国株式型で実質0.7285%程度と、インデックス型かアクティブ型かで大きな差があります。
健康増進と資産形成を両立させたい方向けの意欲的な商品ですが、契約から5~10年以内の解約時には解約控除が差し引かれるため、短期解約は避けましょう。
向いている人
SOMPOひまわり生命「将来のお守り」が向いている人の特徴は、以下のとおりです。
- 健康増進インセンティブを活用しながら長期資産形成を目指したい人
- 死亡・就労不能リスクへの備えを確保しつつ、保険料払込後は運用リターン重視に切り替えたい人
- ファンドを自分で選択しインデックス/アクティブの組み合わせを調整したい中〜高リスク許容者
- 10年以上継続保有でき、短期解約を避けられる見通しがある人
- 健康管理アプリなどの活用に前向きで、運動習慣を資産形成に結び付けたい30〜50代の働き盛り層
「健康積立金」制度を採用している特徴から、健康意識が高い方にとって、メリットを感じやすいでしょう。
低コストのインデックスファンドも用意されているため、コストを抑えつつ資産運用しながら、一定の死亡保障が欲しい方に向いています。
ソニー生命「バリアブルライフ」(変額保険)
保険商品の特徴
ソニー生命の変額保険は終身型(終身保障)と有期型(定期保険型)の2種類があります。特別勘定は8種類で、国内株式・外国株式・債券・バランス型などから選択可能です。
- 終身型(終身保障)と有期型(定期保険型)の2タイプを用意
- 特別勘定は8種類:国内外株式・債券・バランス型などを選択可能
- 終身型は「基本保険金額」を最低保証し、運用成績がマイナスでも死亡保障を確保
- 解約返戻金には最低保証なし(元本割れリスクあり)
- 有期型は満期時に解約返戻金を一時金または年金で受取可能
- ライフプランナーによる対面コンサルティング販売(ネット完結不可)
- 所定の高度障害等で保険料が免除される払込免除特約を付加可能
終身型は相続対策など長期の死亡保障ニーズに対応し、運用実績に応じて死亡保険金額が増減しますが「基本保険金額(契約時の死亡保障額)は運用実績にかかわらず保証」されるため、たとえ運用がマイナスでも死亡保険金は最低限確保されます。
一方、解約返戻金には最低保証がなく、運用次第では払い込んだ保険料総額を下回る可能性があります。有期型は一定期間の保障を提供し、満期時に解約返戻金を一時金または年金で受け取れるタイプです。ソニー生命の特別勘定は世界株式型の運用実績が好調で知られ、年によっては平均利回りが10%を超えることもあります。
ソニー生命はライフプランナーによるコンサルティング販売を行っており、保険料払込免除特約(所定の高度障害状態等で保険料免除)も付加可能です。安定した運用実績と充実した保障が魅力ですが、直接ネット契約はできず担当者との面談が必要です。
向いている人
ソニー生命「バリアブルライフ」が向いている人の特徴は、以下のとおりです。
- 長期の死亡保障を確実に確保しつつ相続対策や資産形成も狙いたい人(終身型)
- 一定期間の保障と満期時の資金受取りを組み合わせたい人(有期型)
- 国際分散投資を保険の枠内で行い、中〜高リスクを許容できる層
- 死亡保障は下限を確保しながら解約返戻金の値動きを受け入れられる人
- ライフプランナーとの面談で詳細設計を行いたい、対面サポート重視の人
- 短期解約の予定がなく、費用控除後でも実質利回りを長期で狙える余裕資金を持つ30〜60代
ソニー生命では、ライフプランナーとの面談を通じて、あなたに合った保険商品を提案してくれます。自分で最適な保険を決められないという方にとって、安心材料といえるでしょう。
メットライフ生命「変額保険 ライフインベスト」
保険商品の特徴
メットライフの提供する変額終身保険で、特別勘定は13種類もの選択肢があります。国内外の株式・債券型ファンドやバランス型ファンドから幅広く選べ、契約者の運用志向に応じて資産配分を決定できます。
- 終身型の変額保険(最低死亡保障は原則なし)
- 特別勘定13種類:国内外株式・債券・バランス型ファンドなど幅広い資産から選択可能
- 「ライフインベスト・アドバンス」は契約後10年間、死亡保障を抑制して保険関係費用を軽減し資産形成効率を向上
- 三大疾病保険料免除特約(がん・心疾患・脳血管疾患)を付加可能で、罹患後の保険料負担がゼロ
- ファンドの信託報酬:インデックス中心バランス型で年0.1〜0.2%台、積極運用型で0.5〜1.0%程度
- 契約早期解約には解約控除があり、中途解約コストに注意
特徴的なプランとして、「ライフインベスト・アドバンス」というバリエーションがあり、契約後10年間は死亡保障額を抑制して保険関係費用を軽減し、その分効率的に資産形成を図る仕組みとなっています。
これにより長期運用時のコスト負担を減らし、投資効果を高める戦略型商品です。メットライフの変額保険には三大疾病保険料免除特約も付加でき、がん・心疾患・脳血管疾患になった場合以後の保険料負担なく運用を継続できます。
死亡保障は終身にわたり継続しますが、最低保証は原則としてありません。長期の資産運用と保障ニーズを両立させたい人向けです。
信託報酬は各ファンドで異なりますが、インデックス型中心のバランスファンドでは年率0.1~0.2%台、積極運用のファンドでは0.5~1.0%程度と公表されています 。契約から一定期間内の解約控除も設定されていますので、中途解約時のコストにも留意しましょう。
向いている人
メットライフ生命「変額保険 ライフインベスト」」が向いている人の特徴は、以下のとおりです。
- 長期の資産運用をメインに、最低死亡保障よりリターンを重視したい人
- 運用コストを抑えて投資効率を高めたい中〜高リスク許容者(アドバンス選択時)
- ファンドを自由に組み合わせて自分でアセットアロケーションを組みたい投資志向の高い層
- 三大疾病リスクもカバーしつつ、終身保障を確保したい30〜50代
- 10年以上解約する予定がなく、中途解約コストを避けられる長期保有者
「ライフインベスト・アドバンス」というバリエーションを活かせば、効率よく資産形成を進められるメリットがあります。他社の保険商品とは異なり、「保障よりも運用を重視したい」という方に向いているでしょう。
一方で、三大疾病保険料免除特約も付加して、保障を手厚くすることも可能です。さまざまなニーズに対して、柔軟に対応している変額保険といえるでしょう。
マニュライフ生命「こだわり変額保険」(I型 有期型)
保険商品の特徴
マニュライフ生命の有期型(保険期間定めあり)変額保険です。特別勘定は9種類から選択可能で、バランス型や国内外株式型、債券型ファンドに投資できます。商品名の「こだわり」が示す通り、長期運用・時間分散・資産分散の3つのこだわりで資産形成をサポートします。
- 保険期間が定められた有期型の変額保険
- 特別勘定はバランス型、国内外株式型、債券型など9種類から選択可
- 「長期運用」「時間分散」「資産分散」の3点を重視して資産形成をサポート
- 積立金のスイッチング/配分変更が年12回まで無料で柔軟に運用コントロール可能
- 死亡保障は期間限定で、〈オプションA〉積立重視(積立金連動型)と〈オプションB〉保障重視(一定保障)を選択
- 所定の高度障害等で保険料が免除される払込免除特約を付加可
- 解約返戻金は満期時に一括または年金形式で受取可能
- 契約後10年未満の解約には解約控除が発生し、元本割れリスクが高い
運用中は契約者の判断で特別勘定のスイッチング(積立金の移転)や配分変更が年12回まで無料で可能で、柔軟な運用コントロールができます。死亡保障は保険期間中に限り有効で、オプションA(積立重視)とオプションB(保障重視)のプランを選択できます。
オプションAでは保険金額が積立金と連動し、保険料の大部分が運用に充てられる一方、オプションBでは一定の死亡保障額を維持する分コストがかかります。保険料払込免除(所定の高度障害状態等)も付加可能です。
解約返戻金は満期時に受け取れ、年金形式での受取も選択できます。契約後10年未満で解約すると解約控除が発生し元本割れリスクが高いため、長期契約が前提となります。
向いている人
マニュライフ生命「こだわり変額保険」が向いている人の特徴は、以下のとおりです。
- ファンド配分を自分で調整しながら長期運用を行いたい中〜高リスク許容者
- 死亡保障より資産形成を優先したい人(オプションA)または一定額の保障を確保したい人(オプションB)
- 10年以上継続保有でき、途中解約によるコスト・元本割れリスクを避けられる見通しがある人
- 時間分散・国際分散を保険の枠内で実践したい30〜50代の働き盛り層
- 高度障害リスクへの備えも確保しつつ、満期資金を一時金や年金で受け取る選択肢を持ちたい人
積立金のスイッチングや配分変更が年12回まで無料で可能で、オプションA(積立重視)とオプションB(保障重視)のプランから選択できます。運用に慣れており、最低限の保障を得つつ資産形成をしたい方にとって、合っている変額保険といえるでしょう。
マニュライフ生命「未来を楽しむ終身保険」(通貨選択型変額終身保険・一時払タイプ)
保険商品の特徴
一時払い(まとまった保険料を一括払い)で加入するタイプの変額終身保険です。契約時に運用通貨を円・米ドル・豪ドルから選択でき、一時払保険料が定額部分(積立利率により増加する元本保証部分)と変額部分(特別勘定で運用される部分)に分けて運用される仕組みです。
- 一時払いで加入する通貨選択型の変額終身保険(円・米ドル・豪ドルから選択)
- 一時払保険料を〈定額部分〉(一般勘定・積立利率適用で元本保証)と〈変額部分〉(特別勘定で運用)に振り分け、最低保証と成長余地のバランスを確保
- 特別勘定は米ドル建・豪ドル建中心に複数ラインアップ(2025年4月に2ファンド追加)
- 終身死亡保障に加え、高度障害・要介護時の前払い給付あり
- 為替リスクを負う一方、外貨建て資産で運用益を狙える
- 信託報酬はファンドごとに設定(インデックス中心は低水準、戦略型は高水準)
例えば、一時払保険料を安全性の高い一般勘定運用の定額部分と、積極運用の特別勘定部分に振り分けることで、最低保証と成長余地のバランスを取った運用が可能です。特別勘定は米ドル建・豪ドル建の特徴ある複数のファンドから選べ、2025年4月の改定で新たに2種類のファンドが追加されラインアップが拡充されました。
たとえば「日米株式リアルタイム調整型」ファンド(米ドル/豪ドル建)は日本と米国の株価指数にレバレッジをかけつつ、急変時には機動的にリスクを下げる運用を行うなど高度な戦略を持っています。
通貨選択型の変額保険は為替リスクも伴いますが、外貨建資産で運用益を狙える点が魅力です。死亡保険金は終身保障として設定され、高度障害状態や要介護状態になった場合の前払い給付などの保障も備えています。
向いている人
マニュライフ生命「未来を楽しむ終身保険」が向いている人の特徴は、以下のとおりです。
- まとまった資金を一括で投入し、外貨建てで長期運用と終身保障を両立させたい高所得層・退職金運用層
- 元本保証部分で安全性を確保しつつ、残りを積極運用して成長も狙いたい中〜高リスク許容者
- 円安ヘッジとして米ドル・豪ドル資産を持ちたい人、外貨建て資産の比率を高めたい人
- 長期保有を前提に相続対策や外貨建て資産承継を検討している人
- 高度障害・介護リスクにも備えたいが、ネット完結型よりも対面相談で設計を行いたい層
一時払いで加入する変額保険であるため、まとまった資金を保有している方に向いています。一度保険料を払い込めば、その後は運用に注力することが可能です。
通貨選択型であるため、為替相場次第では円建てよりも資産を増やせる可能性があります。安全性を重視したい方だけでなく、積極的に運用したい方にとっても、加入するメリットを感じられる変額終身保険です。
外貨建て保険を契約する際には、いくつか注意すべき点があります。以下のFAQを参考にして、デメリットやリスクを把握しましょう。
はなさく生命「はなさく変額保険」
保険商品の特徴
2025年1月に発売された新しい変額保険です。保険期間は最長85歳まで設定でき、比較的高齢期まで資産形成と保障を続けられる点が特徴です。
- 2025年1月発売の変額保険で、保険期間は最長85歳まで設定可
- 保険料払込期間中は死亡・高度障害を保障しつつ資産形成も可能
- 特定8疾病(がん〈上皮内がん含む〉・心疾患・脳卒中など)で所定状態になると以後の保険料が免除される特約を付加可
- 障害状態・要介護状態への保障が手厚く、払込終了後に終身型へ移行しても継続
- 特別勘定はバランス50型/70型、国内株式(インデックス・アクティブ)、世界株式(インデックス・アクティブ)、先進国株式、米国株式アクティブ、外国債券、短期金融市場型など10種類
- 信託報酬は低コストファンドで年0.06〜0.17%、アクティブ型で0.6〜0.75%程度
- ネット系新興生保だが本商品は対面募集中心(健康告知が必要)
- 契約後10年未満に解約すると解約控除が発生(逓減方式)
保険料払込期間中に死亡・高度障害状態になった場合の保障を確保しつつ、将来の資産形成に備えられます。所定のがん(上皮内がん含む)や心疾患・脳卒中など特定8疾病で所定の状態になると、以後の保険料払い込みが免除される特約を付加できます。
さらに障害状態・要介護状態への保障も手厚く、たとえ終身型に移行してもこれらの保障が継続するよう設計されています。特別勘定は10種類あり、バランス50型・バランス70型、国内株式(インデックス/アクティブ)、世界株式(インデックス/アクティブ)、先進国株式、米国株式アクティブ、外国債券、短期金融市場型(MRFに相当)と多彩です。
信託報酬は低コストファンドでは年率0.06〜0.17%程度、アクティブファンドでは0.6〜0.75%程度と開示されています。はなさく生命はネット系の新興生保ですが、この商品では対面募集(保険代理店経由)を主としており、加入時の健康査定(告知)も必要です。
保険料払込期間終了後は終身保険に移行でき、移行後も障害・介護保障が継続します。解約控除は契約後10年未満の解約時に発生し、経過年数に応じて逓減します。
向いている人
はなさく生命「はなさく変額保険」が向いている人の特徴は、以下のとおりです。
- 高齢期まで資産形成と保障を両立させたい人(〜85歳)
- がん・心疾患・脳卒中リスクへの備えや、障害・介護保障も重視したい30〜60代
- 低コストインデックスとアクティブ運用を組み合わせ、自分で資産配分を調整したい中〜高リスク許容者
- 10年以上の長期保有を前提に、途中解約コストを避けられる見通しがある人
- 終身移行後も障害・介護保障を維持しつつ、相続対策として終身死亡保障を確保したい層
保険期間は最長85歳まで設定でき、障害状態・要介護状態への保障が手厚いという特徴があります。高齢期まで保障を得つつ、資産形成を進めたいと考えている方に向いています。
チューリッヒ生命「チューリッヒの変額保険 フューチャーリンク」
保険商品の特徴
こちらも2025年4月に発売された新商品で、外資系のチューリッヒ生命が提供します。特別勘定は特徴ある9種類のファンドから選択可能で、チューリッヒ生命ならではの独自ファンドが含まれています。
- 2025年4月発売の有期型変額保険(満期あり)
- 特別勘定はチューリッヒ独自の「クロッキーモデル」採用ファンドなど特徴的なアクティブ型が中心の9種類
- 一定期間の死亡保障・高度障害保障を確保しつつ、満期時に解約返戻金を受取可能
- 死亡保険金・解約返戻金ともに運用成果で変動し、最低保証なし=元本割れリスクあり
- 保険料払込免除特約やリビングニーズ特約などを付加して保障内容をカスタマイズ可
- 契約早期解約には解約控除が発生し、中途解約コストに留意が必要
例えば「クロッキーモデル」を活用したファンド(市場の値動きを点描写する独自モデル)などが採用され、変額保険の特別勘定では初の試みとされています。基本的な仕組みは有期型の変額保険で、一定期間の死亡保障と満期時の解約返戻金受け取りがあります。
死亡保険金・高度障害保険金は運用成果に応じて変動しますが、こちらも解約返戻金や満期保険金に最低保証はなく、運用が振るわなければ元本割れの可能性があります。
保険料払込免除特約やリビングニーズ特約(余命6ヶ月時に前払い給付)など、必要に応じて特約を付加することで保障面をカスタマイズできます。
運用面ではアクティブファンドが多く、信託報酬は年率0.5〜1.0%台と想定されますが、詳細は契約締結前交付書面で確認する必要があります。契約後早期の解約には解約控除がある点も他社同様です。
向いている人
チューリッヒ生命「チューリッヒの変額保険 フューチャーリンク」が向いている人の特徴は、以下のとおりです。
- 独自モデルを活用したアクティブ運用で市場平均超えを狙いたい投資志向の高い中〜高リスク許容者
- 一定期間の死亡保障を確保しつつ満期資金も得たい人(学資・住宅・老後資金など計画的目的を持つ層)
- ファンド選択や特約で保障を細かく設計したい30〜50代
- 10年以上の長期保有が可能で、途中解約による元本割れを許容できる人
- リビングニーズ給付や払込免除で、万一の際の資金確保を重視する層
特別勘定は特徴的なアクティブ型が中心で、死亡保険金・解約返戻金ともに運用成果で変動します。リスク許容度が高く、積極的に運用したいと考えている方に向いているでしょう。
保険料払込免除特約やリビングニーズ特約などを付加できるため、必要に応じて保障を手厚くすることもできます。
変額保険を選ぶときに確認すべきポイント
変額保険を選ぶにあたって、どの商品が合っているのか判断に迷うことがあるかもしれません。変額保険を選ぶ際に確認すべきポイントと、その理由を詳しく解説します。
保険の運用実績と商品性
確認ポイント
- 過去の運用実績(パフォーマンス)
- 選べる運用コースの種類(株式型・債券型・バランス型など)
- 各運用コースのリスクとリターンの特性
変額保険は、保険料の一部を投資信託などで運用し、その運用成績が将来の保険金や解約返戻金に影響します。過去の運用実績を確認し、運用の安定性や実績を把握しましょう。
自分のリスク許容度に合わせて、適した運用コースを選べるかどうかも重要です。
最低保証内容と範囲
確認ポイント
- 死亡保険金の最低保証額
- 解約返戻金に最低保証があるかどうか
変額保険には一般的に死亡保障の最低保証がありますが、解約返戻金には最低保証がない商品が一般的です。最低限受け取れる死亡保険金がどの程度なのか、解約時のリスクをどこまで許容できるかを確認することが必要です。
生命保険の保険金や解約返戻金を受け取ったとき、どのような税金が課されるのかは契約者や受取人によって異なります。以下の記事とFAQで、生命保険と税金の関係について解説しています。
手数料・コスト
確認ポイント
- 保険関係費用(契約初期費用や維持費用)
- 特別勘定の運用手数料
- 解約控除(解約時に差し引かれる費用)の有無と期間
変額保険は、保険料の運用に伴ってさまざまな費用が発生します。一連の費用は最終的なリターンを削る要因となるため、できるだけ抑えることを意識しましょう。
運用成果を高めるためにも手数料は低いほうが有利ですが、特に解約控除(早期解約時の費用負担)がある場合、短期間での解約は元本割れリスクが高まるため注意が必要です。
なお、生命保険を活用した相続税対策は、以下の記事で解説しています。
契約期間と継続性
確認ポイント
- 契約期間(短期か長期か)
- 中途解約時のペナルティ
変額保険は、基本的に長期間保有することで運用成果が安定します。長期にわたって保険料を支払えるか、家計に悪影響を及ぼさないかを確認しましょう。
短期間での解約は運用成果が安定しにくく、解約控除などで損失を被る可能性があります。将来的に保険料負担を継続できるか、長期間運用を継続できるかを検討しましょう。
生命保険には非課税枠があり、相続人の税負担を軽減できるメリットがあります。詳しくは、以下のFAQをご覧ください。
保険会社の信用力・財務健全性
確認ポイント
- 保険会社の信用格付け(ムーディーズ、S&P、R&Iなど)
- 支払い余力(ソルベンシー・マージン比率)
変額保険は長期契約となるため、保険会社の経営が安定しているかを確認することは非常に重要です。保険金支払いの安定性を確認するために、第三者機関の格付けや財務指標を見て、信頼できる会社かどうか判断しましょう。
特別勘定(運用資産)の情報開示
確認ポイント
- 資産配分(株式や債券の割合)
- 運用方針や運用レポートの透明性・公開頻度
運用の透明性が高いほど、加入者は納得して運用を続けられます。特別勘定の内容や運用状況が明確に開示されているかをチェックすることで、自分の投資方針と合致しているかを見極めることができます。
この記事のまとめ
変額保険を選ぶ鍵は、運用実績・最低保証・信託報酬など定量指標を確認し、解約控除やファンド流動性、他資産とのコスト比較で総合利回りを見極めることです。
まず比較表で運用実績と手数料の差を定量確認し、最低保証や解約控除の有無で下振れ幅を測りましょう。次に契約期間中の生活資金流動性や為替・金利シナリオを想定し、債券ETFなど他資産のコスト・利回りと比較すると総合効率が見えます。
最後に家計のリスク許容度と合致するかを照合し、計画を定期的に見直すことが安定運用への近道です。必要に応じて専門家に相談するのも選択肢です。

MONO Investment
投資のコンシェルジュ編集部は、投資銀行やアセットマネジメント会社の出身者、税理士など「金融のプロフェッショナル」が執筆・監修しています。 販売会社とは利害関係がないため、主に個人の資産運用に必要な情報を、正確にわかりやすく、中立性をもってコンテンツを作成しています。
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関連する専門用語
特別勘定
特別勘定とは、主に保険会社が提供する変額保険や年金商品などで使われる仕組みで、契約者から預かったお金を、会社の他の資産とは分けて管理するための専用の勘定のことです。 この仕組みにより、運用による損益は契約者に直接反映され、保険会社の経営状況とは切り離して資産が守られる仕組みになっています。 たとえば、変額保険では、特別勘定の中で株式や債券などの資産を運用し、その運用結果によって将来受け取る金額が変動します。初心者にとっては、特別勘定は「自分のお金がどのように運用されているかが見える透明な箱」とイメージすると理解しやすいです。
ソルベンシー・マージン比率
ソルベンシー・マージン比率とは、保険会社がどれだけ予想外のリスクに耐えられるかを示す指標のことです。たとえば、大地震や大事故のような予測できない大きな支払いが必要になった場合に、その保険会社がしっかりと対応できるかどうかを判断するために使われます。 この比率が高ければ高いほど、経営の安定性があり、万が一のときでも契約者に対する保険金の支払い能力があると見なされます。保険会社の健全性をチェックする上でとても重要な数字です。
三大疾病(しっぺい)
三大疾病(しっぺい)とは、一般的に「がん」「心疾患」「脳卒中」の3つの重い病気をまとめて指す言葉です。これらの病気は、発症すると長期の治療が必要になることが多く、医療費も高額になる可能性があります。特に生命保険や医療保険の中では、この三大疾病に対応した保障が設けられている商品が多く、一時金の支給や保険料の免除などの仕組みもあります。 資産運用の観点からも、病気による収入減や支出増をカバーするために、三大疾病に備えた保険を活用することは、生活の安定と将来設計のうえで重要な手段となります。
満期保険金
満期保険金とは、保険契約で定められた期間が終了したときに、契約者や被保険者に支払われるお金のことをいいます。たとえば、10年や20年などの一定期間保険料を払い続け、満期になったときにその保険が「満了」すると、あらかじめ決められた金額が支払われます。 このお金は、死亡や病気などのリスクに備えるだけでなく、貯蓄のように将来の資金づくりにも役立つという特徴があります。特に学資保険や養老保険などでよく使われる仕組みです。
一般勘定
一般勘定とは、生命保険会社が契約者から預かった保険料をまとめて管理・運用するための資金の集まりを指します。保険会社はこの一般勘定を使って、安全性の高い債券などに投資を行い、契約者に約束された保険金や満期保険金を将来きちんと支払えるように資金を運用しています。 この仕組みでは、契約者は自分のお金がどこに投資されているかを直接選ぶことはできませんが、その分、運用のリスクは保険会社が負うことになります。主に貯蓄型の保険商品などで使われるしくみです。
貯蓄型保険(積立型)
貯蓄型保険(積立型)とは、万が一の保障に加えて、将来的にお金が戻ってくる仕組みを備えた保険商品のことです。保険料の一部が積み立てられ、契約満了時や途中解約時に「解約返戻金」や「満期保険金」として受け取れるようになっています。 代表的な商品には、終身保険、養老保険、学資保険などがあり、保険としての安心を持ちながら、同時に資産形成も行えるのが特徴です。特に、教育資金や老後資金の準備、相続対策など、目的を持った長期の計画に活用されます。 「掛け捨て型保険」と異なり、支払った保険料が将来的に戻ってくるため、保険と貯金の“ハイブリッド”として位置づけられる商品です。ただし、途中解約すると元本割れするリスクがあるほか、運用利回りが低めに抑えられていることが多いため、目的と期間をしっかり考えて加入することが大切です。 保障と貯蓄を1つの仕組みで両立させたい人にとって、計画的な資産形成の手段として有効な選択肢のひとつです。
変額保険
変額保険とは、死亡保障を持ちながら、保険料の一部を投資に回すことで、将来受け取る保険金や解約返戻金の金額が運用成績によって変動する保険商品です。 保険会社が提供する複数の投資先から自分で選んで運用することができるため、運用がうまくいけば受け取る金額が増える可能性があります。 ただし、運用がうまくいかなかった場合は、受け取る金額が減ることもあります。保障と資産運用の両方を兼ね備えた商品ですが、元本保証がない点には注意が必要です。投資初心者の方には、仕組みを十分に理解したうえで加入することが大切です。
保障コスト
保障コストとは、主に生命保険や変額保険といった保険機能を持つ金融商品において、死亡や高度障害などの保障を維持するために必要な費用のことをいいます。このコストは保険料や積立金から自動的に差し引かれることが多く、保障の内容が充実しているほど金額が高くなる傾向があります。 保障コストは一定でないこともあり、年齢や保険金額、保険期間などによって変動する場合があります。また、契約時に明確に提示されるとは限らないため、契約前に「保障にかかるコストはどのくらいか」「どのように引かれるか」を確認することが大切です。保障の充実度と運用効率のバランスを考える上で、このコストの理解は欠かせません。
死亡保険金
死亡保険金とは、生命保険契約において、被保険者が死亡した際に受取人に支払われる保険金のことを指す。受取人や契約形態によって、相続税・所得税・贈与税のいずれかの課税対象となる場合がある。
元本割れ
元本割れとは、投資で使ったお金、つまり元本(がんぽん)よりも、最終的に戻ってきた金額が少なくなることをいいます。たとえば、100万円で投資信託を購入したのに、解約時に戻ってきたのが90万円だった場合、この差額10万円が損失であり、「元本割れした」という状態です。 特に、価格が変動する商品、たとえば株式や投資信託、債券などでは、将来の価格や分配金が保証されているわけではないため、元本割れのリスクがあります。「絶対に損をしたくない」と考える方にとっては、このリスクを正しく理解することがとても重要です。金融商品を選ぶときには、利回りだけでなく元本割れの可能性も十分に考慮しましょう。
解約控除
解約控除とは、保険や一部の投資商品を契約期間の途中で解約した場合に、契約者が受け取る解約返戻金などから差し引かれる手数料のことをいいます。特に契約から数年以内など、早い段階で解約した際に高めに設定されていることが多く、実際に受け取れる金額が大きく減ってしまうことがあります。 この制度は、販売時にかかった初期費用や運用の準備にかかるコストを回収するために設けられていますが、契約者にとっては思ったよりも少ない金額しか戻ってこないというリスクにつながります。そのため、商品選びの際には解約控除の有無やその金額、期間などをよく確認し、「途中で解約したらどうなるか」をあらかじめ理解しておくことがとても大切です。長期での運用を前提とした商品には特に注意が必要です。