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債券の利率と利回りの違いとは?仕組みや計算方法・金利との関係まで徹底解説

債券の利率と利回りの違いとは?仕組みや計算方法・金利との関係まで徹底解説

債券の利率と利回りの違いとは?仕組みや計算方法・金利との関係まで徹底解説

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執筆者:

公開:

2024.02.02

更新:

2025.12.12

基礎知識債券投資ジャンク債債券信用格付けインカムゲイン

債券の利率や利回りは耳にする機会が多いものの、実際にはどちらを見れば自分の利益が分かるのか迷いやすいポイントです。とくに金利が動く時期には、同じ利率でも購入するタイミングや価格によって実際の収益が大きく変わるため、仕組みを理解しないまま判断すると思わぬ差が生まれることがあります。

この記事では、利率と利回りの違い、利回りの種類や計算の考え方、金利と債券価格の関係をやさしく整理し、初心者でも債券の魅力や注意点を正しく判断できるようになることを目指します。

サクッとわかる!簡単要約

この記事では、債券の利率と利回りの本質的な違い、利回りの種類や計算方法、さらに金利と債券価格の動き方までを一連の流れで理解できます。

金利が変動したときに債券価格がどう動くかもつかめるため、利率だけでは判断できない実質的な収益性を自分で比較できます。読み進めることで、市場環境を踏まえた債券選びができるようになります。

目次

債券の利率と利回りはどう違う?まず押さえておきたいポイント

利率は「券面の条件」、利回りは「投資家の実質リターン」と区別する

債券の利率(クーポンレート)は受け取る利子の割合

債券の利回りは、債券の購入金額に対する年間の収益

債券の利率の仕組み

債券の利率(クーポンレート)の仕組みと計算方法

債券の利率はどうやって決まる?主な2つの利率変動要因

発行体の信用力(信用格付け)が利率に与える影響

インフレ率があがると、新規債券の利率も上昇

固定利付債と変動利付債で利率の見方はどう変わる?

債券の実質的な収益を測る「利回り」の仕組みと計算方法

債券の利回りは利率と売買金額で決まる

購入時期や売却の有無で使い分ける3つの利回り指標

債券から得られる収益は、利子と売買益

なぜ利回りを計算することが重要か?

債券の金利と債券価格の関係

債券の金利が上がれば債券の価格は下落する・債券の金利が下がれば債券の価格は上昇する、のメカニズム

債券投資を行う際の、利率と利回りの考え方の具体例

新規発行の債券を購入し償還まで保有した場合

事例1:A国10年国債

事例2:B国5年国債

既発債を購入して途中売却した場合

ケースA:利率2.0%の既発債を2年保有して売却した場合の利回り

ケースB:利率2.0%の既発債を3年保有して売却した場合の利回り

ケースC:利率2.0%の既発債を6年保有して売却した場合の利回り

ケースD:利率2.5%の既発債を6年保有して売却した場合

事例からわかる、利回り計算の重要性

海外債券との比較も利回りで可能だが為替に注意

債券の利率と利回りはどう違う?まず押さえておきたいポイント

債券投資を始める際、最初に直面するのが「利率」と「利回り」の違いです。利率は単に利息の多さを表しますが、実際の投資成果を測るには、購入価格との差額も含めた利回りの視点が欠かせません。

両者の違いを正しく理解することは、損をしない投資判断の第一歩です。ここではそれぞれの定義と役割を整理します。

債券投資全体の仕組みについては以下記事で詳しく解説しています。

利率は「券面の条件」、利回りは「投資家の実質リターン」と区別する

まず大枠の違いを理解しましょう。「利率(クーポン)」は、その債券を持っていると毎年いくらの利息がもらえるかという約束された条件です。一方で「利回り」は、投資した金額に対して1年間でどれだけの収益(利息+売買差益)が得られるかという総合的な成績表です。

債券は額面金額と異なる価格で売買されることが多いため、表面的な利率だけでなく、購入価格も加味した利回りを見なければ、本当の「お得度」は判断できません。

債券の利率(クーポンレート)は受け取る利子の割合

利率は、額面金額に対して1年間に支払われる利息の割合を指します。例えば、額面100万円で利率3%の債券なら、毎年3万円の利息が受け取れるということです。

この数値は発行された時点で固定されており、原則として満期まで変わりません。利率は「クーポンレート」、受け取る利息そのものは「クーポン」とも呼ばれ、あくまでその債券自体に設定された基本スペックを表します。

債券のクーポン・クーポンレートについては以下Q&Aでも説明しています。

債券の利回りは、債券の購入金額に対する年間の収益

利回りは、投資元本に対する年間の実質収益率です。ここには毎年受け取る利息だけでなく、購入価格と額面金額の差額(償還差損益)も1年あたりに換算して含まれます。

たとえ利率が高くても、価格が高い時期に購入すれば利回りは下がりますし、逆に安く購入できれば利回りは高くなります。投資家が最終的に手にするリターンを知るためには、この利回りの計算が不可欠です。

債券の利率の仕組み

債券の利率(クーポンレート)の仕組みと計算方法

一度発行された債券は、基本的に額面金額と利子(クーポン)は変わりません。そのため、利率も変動することなく一定です。ただし借用証書と異なり、債券は投資家間で売買されることもあるため、額面金額と取得金額が異なるケースも多くなります。しかし、利率は債券をいくらで購入したかに関係ありません。利率は単純に債券の額面と利子から算出されます。

利率の計算式 ・利子 ÷ 額面金額 × 100 = 利率(%)

同じ発行体が同じ年限の債券を発行しても、タイミングが少し違うだけで異なる利率の債券が発行されるケースは珍しくありません。この場合、発行体の信用力(ex.格付など)に変化が生じていないなら、債券の価値としては同じ価値を持つと考えるのが普通です。簡単にいえば、債券発行のタイミングが悪かった・良かった、というタイミングだけの問題となります。

金融商品の発行価格が投資家と発行体の需給の関係で決まるのと同様に、債券の利子も発行体と投資家の需給で決定されます。ただし同じ発行体で信用力に変化がない場合(年限も同じ)、単にタイミングだけで変化した利子については補正圧力がかかります。しかし発行時の利率は変化しないため、補正圧力は債券価格にかかることになります。ただし、利率では債券の価格の変化の把握ができない、という欠点があります。

債券の利率はどうやって決まる?主な2つの利率変動要因

債券の利率は、主に下記の2つの要因により決定されます。

  • 発行体の信用力
  • インフレ率

発行体の信用力(信用格付け)が利率に与える影響

債券の利率は、発行体の信用力に大きく影響されます。発行体が財務的に強固であると投資家が判断すれば、返済に対するリスクは低いとされ、低い利率で債券の発行ができます。逆に、発行体の財務状態が悪化していれば、投資家から返済に対するリスクがあると判断され、債券発行に対し高い利率が求められます。

発行体の信用力は、格付け機関により第三者評価がされています。債券購入時には格付けと、その根拠となるレポートは参考になる情報源です。

格付けとは、企業や国の債券などの信用力を評価し、返済能力の高さを示す等級です。信用が高いほど格付けは上位でその分利回りは低く、格付けが低いほど利回りは高くなる傾向があります。

実際に格付け機関による債券格付を活用する方法については以下Q&Aで説明しています。

インフレ率があがると、新規債券の利率も上昇

インフレ率の上昇は、債券の利率を引き上げる要因になります。ほとんどの債券は固定利率であり、インフレが発生すると実質的な利率が低下せざるを得ません。よって同じ発行体が信用力に変化がない中で発行する債券でも、インフレ率が上昇していると、前回に比べ高い利率での発行を余儀なくされます。

固定利付債と変動利付債で利率の見方はどう変わる?

債券の利率タイプには、発行時の利率が満期まで維持される「固定利付債」と、市場の実勢に合わせて定期的に見直される「変動利付債」の2種類があります。

一般的な利付国債を含む多くの債券は固定利付債ですが、個人向け国債(変動10年)のような変動利付債は、半年ごとに利率が更新されるのが特徴です。固定利付債は受取額が確定している安定感がある一方、変動利付債は市場金利が上昇すれば受取利息が増えるメリットがあります。逆に金利が低下すれば利息も減少しますが、利率が市場に追随するぶん、固定利付債に比べて債券価格自体の変動幅は小さく抑えられる傾向があります。

金利と価格の関係を国債で具体的に解説したものが以下の記事です。

債券の実質的な収益を測る「利回り」の仕組みと計算方法

債券投資の成果は、定期的に受け取る利子だけでなく、購入時と償還(または売却)時の価格差によっても大きく変動します。そのため、表面的な「利率」だけでは本当の収益性は判断できません。ここでは利息収入と売買損益を総合的に評価する「利回り」の概念と、具体的な計算ロジック、投資判断への活用法について解説します。

債券の利回りは利率と売買金額で決まる

債券の利回りとは債券の購入金額に対する年間の収益、と最初に簡単に説明しました。債券の利回りで特徴的なのは“年間の収益”という部分です。

株式の投資収益は基本的に株価の変動から生じますが、債券は利子に加えて債券価格の変動から生じます(ただし利子は、基本的に発行時に決められており変動しません)。

本来同価値の債券が発行タイミングで利率が異なる状態は、債券価格の変動でその差が補正されます。ここで、債券の金利が上がれば債券の価格は下落する・債券の金利が下がれば債券の価格は上昇する、というメカニズムが発動します。

債券に限らない投資リターン全体の意味合いについては以下Q&Aで説明しています。

購入時期や売却の有無で使い分ける3つの利回り指標

債券の利回りは、どの時点で購入し、いつまで保有するかによって呼び名と計算が変わります。主な種類は「応募者利回り」「最終利回り」「所有期間利回り」の3つです。

応募者利回りは、新発債を発行価格で購入し、償還期限(満期)まで保有した場合の利回りです。最終利回りは、すでに市場で流通している債券を時価で購入し、満期まで保有した場合の利回りを指します。一般的に債券投資で単に利回りという場合は、この最終利回りを指すことが大半です。所有期間利回りは、償還期限を待たずに途中で売却した場合の利回りです。自身の投資スタイルが新規購入か途中購入か、あるいは満期保有か途中売却かに合わせて指標を使い分けます。

債券から得られる収益は、利子と売買益

債券から得られる投資収益は利子と売買益の2つがあります。投資家間で売買される債券は、額面で売買される訳ではなく、債券価格は投資家間の売買時に変動します。また満期時に額面金額が返済される債券は、満期が来ると売買損益が自動的に確定します。

債券の利回りとは上記の、「確定している利子」と「満期や売却で確定する売買損益」を、1年当たりの投資収益として%(パーセント)で表したものです。

利回りは、下記の計算式で算出可能です。

利回り(%) = (利子合計 + 償還差益)/年/購入価格 × 100

また債券の保有期間に応じて、「応募者利回り」・「最終利回り」・「所有期間利回り」の3者が下記の計算式で算出されます。

・債券の新規発行時に購入し償還まで保有(応募者利回り) 応募者利回り(%)=((表面利率 + (額面100円-発行価格/償還期限)/発行価格)×100

・債券を途中で購入し償還まで保有(最終利回り) 最終利回り(%) =((表面利率 + (額面100円-購入価格/残存期間)/購入価格)×100

・債券を途中で購入し途中で売却(所有期間利回り) 所有期間利回り(%) =((表面利率 + (売却価格-購入価格/所有期間)/購入価格)×100

なお、一般的に利回りという場合は“最終利回り”を指します。

なぜ利回りを計算することが重要か?

債券から得られる投資収益は、利子に加えて売買差益(償還差益)の2つがあると説明しました。債券も金融商品であり、売買時は他の債券との比較(相対的に高いか安いかなど)が必要です。しかし、単なる利子や債券価格の比較のみでは役立ちません。利率と売買損益の両者を踏まえた比較が必要です。

ここで「利回り」が役立ちます。年間単位の「利率」と売買損益などを残存年数で割った数値を合算することで、債券の年間当たり収益率が分かります。債券は年間当たりの収益率を用いて、相対的な比較が行われます。

利回りは債券投資において、各債券の比較を行う重要なモノサシです。債券投資を行う際は、利子のみを対象とする利率ではなく、売買損益も加味した総合的な指標となる利回りが重要です。

なお、本記事では便宜上手数料を除いて説明や計算を行っています。しかし実際の債券取引時には、取引を仲介する金融機関に対する支払い手数料も踏まえた計算が必要です。

また、債券は株式と異なり取引市場での取引ではなく、証券会社との相対取引などが中心です。株式投資の場合は、ネット証券を利用すれば個人でも手数料無料で取引できる時代です。しかし債券は株式に比べると、特に個人投資家は取引手数料が高いといえます。

債券の金利と債券価格の関係

「金利が上がれば債券の価格は下落する・金利が下がれば債券の価格は上昇する」、というのが債券の基本的な原理です。以降でそのメカニズムを解説します。こちらはメカニズムも後述しますが、数学の公式のように先に言葉として覚えてしまうと便利です。

本メカニズムは、実際の債券投資をイメージすると分かりやすいです。投資家が保有する債券から得られる利子は、発行時に決定されるため、基本的に最初から決まっています。よって、利子=金利、は変えることができません。この前提をまず理解しましょう。

債券の金利が上がれば債券の価格は下落する・債券の金利が下がれば債券の価格は上昇する、のメカニズム

金利が上がれば債券の価格は下落する・債券の金利が下がれば債券の価格は上昇する、という債券の基本原理について具体例で見てみましょう。

国債などの発行は単発で行われるのではなく、継続的に行われます。よって当初1%の金利で発行された債券が、インフレの進展などにより、異なる金利で発行されることは日常茶飯事です。

債券は原則的に発行時の利率は変わりません。最初に利率2%で債券Aが発行されたとします。その後、同じ発行体でも、インフレが進んだことを受け債券Bは利率3%で発行されました。すると、投資家は利率の高い債券Bを欲しがります。

一度発行した債券の利率は変えられないため、債券Aを売るには債券Aの価格を下げざるをえません。これによって、購入時と償還時の差益が大きくなり、低い利率による魅力の低下を補うことが出来ます。

これが、金利が上がれば債券価格が下落する、についての具体的メカニズムとなります。

債券投資を行う際の、利率と利回りの考え方の具体例

これまで利率と利回りについて説明を行い、債券の比較を行う際は、利率ではなく利回りが用いられると解説しました。

それでは実際に、利率や利回りはどのように利用されているのでしょうか?以下では「新規発行の債券を購入し償還まで保有した場合」と「既発債を購入して途中売却した場合」について、具体例を用いて解説します。

新規発行の債券を購入し償還まで保有した場合

新規発行の債券(新発債)を下記の条件で購入し、償還まで保有した場合を考えてみましょう。

事例1:A国10年国債

対象銘柄A国10年債国債
発行日2020/1//1
満期(償還日)2030/1/1
クーポン(年利)2.00%
利払い回数年2回
最低購入金額100万円

事例 A国10年国債

利率と利回りはいずれも2.0%です。

事例2:B国5年国債

利率は同条件ながら償還までの期限が異なる債券でも計算してみましょう。

対象銘柄B国5年債国債
発行日2020/1//1
満期(償還日)2025/1/1
クーポン(年利)2.00%
利払い回数年2回
最低購入金額100万円

事例 B国5年国債

こちらも利率と利回りはいずれも2.0%です。

新規発行された債券を額面価格で購入し、償還されるのを待つ場合は、キャピタルゲインが発生しないため償還期間に関係なく利率=利回りとなります。

既発債を購入して途中売却した場合

既に発行されている債券(既発債)を下記の条件で購入し、途中売却した場合を考えてみましょう。まずはケースAとして下記を取り上げます。

ケースA:利率2.0%の既発債を2年保有して売却した場合の利回り

対象銘柄A国10年債国債
発行日2020/1//1
満期(償還日)2030/1/1
クーポン(年利)2.00%
利払い回数年2回
最低購入金額100万円

事例 2年保有し売却

ケースB:利率2.0%の既発債を3年保有して売却した場合の利回り

次に、本債券を3年保有して98万円で売った場合(ケースB)は下記となります。

対象銘柄B国10年債国債
発行日2020/1//1
満期(償還日)2030/1/1
クーポン(年利)2.00%
利払い回数年2回
最低購入金額100万円

事例 3年保有し売却

利率は2.0%ですが、利回りは3.546%です。ケースAの2年保有後の96万円売却の利回り3.191%に比べ上回ります。よって3年保有後に98万円で売却が得ということが分かります。

このように利回りを活用することで、利率だけでは比較が難しい債券の比較ができます。そして途中売却する際の比較も簡単に行えます。

ケースC:利率2.0%の既発債を6年保有して売却した場合の利回り

それでは、仮に6年保有後に100万円で売却する機会があった場合(ケースC)はどうなるでしょうか?

対象銘柄C国10年債国債
発行日2020/1//1
満期(償還日)2030/1/1
クーポン(年利)2.00%
利払い回数年2回
最低購入金額100万円

事例 6年保有し売却

この場合、利回りは3.191%となり、ケースAの2年保有後の96万円売却と利回りは同一です。よって、2年保有96万円売却により急いで売却して利回り3.191%以下の債券に乗り換えるよりも、6年保有100万円売却のほうが合理的、という判断ができます。

このように利回りは債券の投資判断において重要なモノサシの役割を果たします。

ケースD:利率2.5%の既発債を6年保有して売却した場合

ケースA~Cは利率2.0%でしたが、利率が異なる債券(ケースD)でも比較してみましょう。

対象銘柄D国10年債国債
発行日2020/1//1
満期(償還日)2030/1/1
クーポン(年利)2.50%
利払い回数年2回
最低購入金額100万円

事例 D国債を6年保有し売却

利率は2.5%ですが、利回りは2.982%です。

事例からわかる、利回り計算の重要性

利回りについてケースA(3.191%)、B(3.546%)、C(3.191%)、D(2.982%)となりました。ケースAからDまで、利回りはいずれも3%前後の水準にあり、パッと見では難しい投資判断が迫られます。しかし利回りを利用することで、客観的かつ合理的な比較が可能になります。

このように利回りを利用することで、利回り(インカムゲイン)と売買損益(キャピタルゲイン)が異なる様々な債券を、一律のモノサシにより簡単に比較ができるようになります。

海外債券との比較も利回りで可能だが為替に注意

利回りを利用することで、国内債券同士の比較のみならず、海外債券も加えた比較が可能です。ただし海外債券と国内債券を比較する際は、為替の影響を加味する必要があります。

非常に利回りの高い外国債券の場合、内容を分析すると利率と売買損益は他の国内債より低いものの為替の影響で利回りが大きくプラスとなっていることもあります。

海外債券の利回りを見る際は、為替の影響に注意しましょう。

この記事のまとめ

この記事では、利率と利回りの違い、利回りの種類と計算の考え方、そして金利変動と債券価格の関係を体系的に理解できました。これらを押さえることで、数字の大きさだけに惑わされず、債券の実質的な収益性を自分で判断できるようになります。次に、気になる債券の利回りや購入価格を実際に確認し、どの程度のリターンになるのかを計算してみましょう。判断に迷う場合や自分の状況に合わせた選び方を知りたい場合は、投資のコンシェルジュの無料相談も活用してみてください。

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石井僚一

金融・投資ライター

大手証券グループ投資会社への勤務を経て、個人投資家・ライターに。株式関連、為替関連、資産運用関連を中心に執筆中。Yahoo!トップページに掲載実績あり。第一種証券外務員資格保有。

大手証券グループ投資会社への勤務を経て、個人投資家・ライターに。株式関連、為替関連、資産運用関連を中心に執筆中。Yahoo!トップページに掲載実績あり。第一種証券外務員資格保有。

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