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遺族年金はいくら・いつまで?遺族基礎年金・厚生年金の仕組みをやさしく解説

遺族年金はいくら・いつまで?遺族基礎年金・厚生年金の仕組みをやさしく解説

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執筆者:

公開:

2024.12.23

更新:

2025.06.12

基礎知識タックスプランニング公的年金リスク管理

突然の不幸で収入源を失ったとき、唯一公的に家計を守ってくれるのが遺族年金です。配偶者や子へ非課税で支給される安心材料である一方、受給には保険料納付状況や扶養する子どもの有無、再婚の有無など細かな条件があり、該当しないと一円も受け取れません。さらに高所得や老齢年金との併給選択を誤ると支給停止になるリスクも潜みます。本記事では制度のしくみ、受給額の早見表、いつまで受け取れるか、停止要件、請求手続きまでを整理し、遺族年金を取りこぼさず活用するための判断軸を提示します。家計設計や生命保険の見直しにも直結する必見の内容です。

サクッとわかる!簡単要約

本記事を読むと、遺族基礎年金と遺族厚生年金の仕組みや受給条件、モデル年収別の支給額早見表、子の有無や再婚・高所得で変わる受給期間と停止要件、老齢年金との併給選択までを一気に把握できます。非課税支給というメリットを最大化し、申請漏れや支給停止を防ぐ具体的チェックリストも掲載しているため、記事を読み終える頃には自分の家庭がどれだけ保障されるか、不足分を生命保険などでどう補うかまで判断できるようになります。さらに請求書類の準備手順と提出期限も整理しているので、いざという時の行動に迷いません。安心して備えが進められます。

目次

遺族年金とは?制度の仕組み・非課税の理由と社会保険料の扱い

遺族年金と老齢年金の違い

遺族年金の受給に税金は非課税で社会保険料も算定対象外

相続した場合に遺族年金はどうなる?

遺族年金がもらえる条件は?受給条件と種類(遺族基礎年金・遺族厚生年金)

遺族基礎年金とは?原則、日本国民全員が対象の遺族年金

60歳以上65歳未満の寡婦が対象の寡婦年金

老齢基礎年金を受給せずに死亡した遺族が受け取れる死亡一時金

遺族厚生年金:会社員や公務員の遺族が対象で受給できる遺族年金

40歳以上65歳未満の夫を亡くした妻が受給できる中高齢寡婦加算

中高齢寡婦加算の受給が終わったあとに支給される経過的寡婦加算

遺族年金がもらえる人、もらえない人は?受給対象者を確認

遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給対象者を整理

夫が亡くなり妻が遺族年金を受け取る場合

妻が亡くなり夫が遺族年金を受け取る場合

子どもが遺族年金を受け取る場合

その他の遺族が遺族年金を受け取る場合

遺族年金がもらえないケース

遺族年金はいくらもらえる?金額の目安やモデルケース

遺族基礎年金の金額は子供の数で加算(自営業者やフリーランスの場合)

遺族厚生年金の金額は報酬比例(会社員や公務員の場合)

遺族年金生活者支援給付金とは?概要と申請方法

遺族年金はいつまでもらえる?受給期間と打ち切り要件

遺族基礎年金の受給期間(子が18歳まで等)

遺族厚生年金の受給期間

公務員の遺族共済年金受給期間

遺族年金受給時の注意点|併給調整・所得制限・再婚での停止に要注意

場合によっては併給調整が行われる

所得制限で支給停止になるケース:前年の収入850万円以上または所得655.5万円以上

再婚すると支給停止となり受給できなくなる

遺族年金とは?制度の仕組み・非課税の理由と社会保険料の扱い

まずは、遺族年金と老齢年金の仕組みや社会保険料との関係など、基本的な内容から解説します。家族の方が亡くなったときは相続も関係してくるため、相続手続きとの関係も理解しましょう。

遺族年金と老齢年金の違い

遺族年金と老齢年金は、支給要件が異なります。

公的年金の種類についてはこちらのFAQもご参照ください。

遺族年金は「遺族」という名前があるように、遺族に対して支給される年金です。生計を支えている方が亡くなったとき、配偶者や子などへ支給されます。

一方で、老齢年金は加齢に伴って就労できなくなったときに支給される年金です。現行制度では、原則として65歳から受給できます。

つまり、遺族年金は生計を支える人が亡くなってしまうリスクに備えられ、老齢年金は働けなくなるリスクに備えられる点が特徴です。

遺族年金の受給に税金は非課税で社会保険料も算定対象外

遺族年金は非課税年金なので、税金や保険料の計算には影響しません。つまり、遺族年金を受給しても税金や社会保険料の負担は重くなりません。

年金課税ラインと控除については以下の記事で詳しく解説しています。

ただし、遺族年金は社会保険料の算定対象外ですが、支払うべき社会保険料が差し引かれた金額で支払われる場合がある点に留意しましょう。

相続した場合に遺族年金はどうなる?

遺族年金に相続税は課税されません。亡くなった方へ支給されていなかった年金を遺族が受け取った分に関しては、相続税ではなく一時所得として取り扱います。

相続放棄した場合、遺産は相続しないものの、遺族年金は受け取れます。遺族年金は要件に該当した遺族自身が固有に取得する権利で、相続とは無関係であるためです。

亡くなった方が多くの借金を抱えていたとしても、相続放棄を選択すれば、借金を相続することなく遺族年金を受け取れます。

遺族年金がもらえる条件は?受給条件と種類(遺族基礎年金・遺族厚生年金)

遺族年金には遺族基礎年金と遺族厚生年金があり、受給資格や支給条件、対象者に違いがあります。遺族基礎年金は主に子のいる配偶者が対象で、遺族厚生年金は厚生年金加入者の遺族に支給されます。

公的年金保険は2階建てとなっており、遺族年金は「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」に分かれます。

遺族基礎年金の目的は「子を抱えている配偶者や自らの生計を維持することができない子」の生活の安定を図ることです。また、遺族厚生年金の目的は「主たる生計維持者である厚生年金の被保険者等が亡くなったとき、遺族に対し従前の生活を保障すること」です。

まずは、それぞれの受給要件を確認しましょう。

遺族基礎年金とは?原則、日本国民全員が対象の遺族年金

遺族基礎年金とは、公的年金制度の1階部分にあたる年金です。国民年金の被保険者が亡くなったとき、その遺族の生活の安定を図るために支給されます。

働いて収入を得ている家族が亡くなってしまったとき、残された遺族は生活で困ってしまいます。そこで、遺族を助けるために国が集めた保険料や税金を財源として、年金を支給しているのです。

国民年金の被保険者の遺族が支給対象者となるため、原則として雇用形態に関係なく、すべての方の遺族が支給対象者となります。ただし、遺族基礎年金には「亡くなった人」と「受給する人」でそれぞれ要件が設けられており、詳細は以下のとおりです。

要件内容
亡くなった人の要件【以下のいずれかを満たす】
・国民年金の被保険者である間に死亡したとき※1
・国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満で日本国内に住所を有していた方が死亡したとき※1
・老齢基礎年金の受給権者であった方が死亡したとき※2
・老齢基礎年金の受給資格を満たした方が死亡したとき※2
受給する人の要件亡くなった方に生計を維持されていたこと(生計を同じくしており、前年の収入が850万円未満または所得が655万5,000円未満であること)

※1 死亡日の前日において、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が国民年金加入期間の3分の2以上あることが必要。ただし、65歳未満で死亡日が令和8年3月末日までのときは、死亡日の前日において死亡日が含まれる月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよい。 ※2 保険料納付済期間・保険料免除期間・合算対象期間を合算した期間が25年以上あることが要件

国民年金制度に加入しており、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が3分の2以上ある方が亡くなったとき、遺族へ支給されます。

受給する方は、亡くなった方と生計を同じくしており、前年の収入が850万円未満または所得が655万5,000円未満という収入要件が設けられています。

60歳以上65歳未満の寡婦が対象の寡婦年金

寡婦年金とは、夫に生計を維持されていた妻(寡婦)へ支給される年金です。国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた期間(国民年金の保険料免除期間を含む)が10年以上ある夫が亡くなったとき、妻に対して支給されます。

亡くなった夫と受給する妻で、それぞれ以下のように要件が決まっています。

要件内容
亡くなった夫の要件国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた期間(国民年金の保険料免除期間を含む)が10年以上ある夫
受給する妻の要件夫と10年以上継続して婚姻関係(事実上の婚姻関係を含む)にあり、死亡当時夫に生計を維持されていた妻

受給対象となるのは、亡くなった夫との婚姻関係(事実上の婚姻関係を含む)が10年以上あり、死亡当時夫に生計を維持されていた妻です。妻自身は65歳から自身の老齢年金を受け取れるため、60歳から65歳になるまでの有期年金となっています。

受給額は、夫の第1号被保険者期間だけで計算した老齢基礎年金額の4分の3です。第2号保険者・第3号保険者期間の部分は計算の基礎に含めないため、注意しましょう。

例えば、亡くなった夫の第1号被保険者期間だけで計算した老齢基礎年金額が40万円の場合、支給される寡婦年金は30万円です(40万円×4分の3)。

ただし、亡くなった夫が老齢基礎年金・障害基礎年金を受けたことがあるとき、妻が繰り上げ支給の老齢基礎年金を受けているとき、寡婦年金は支給されません。

老齢基礎年金を受給せずに死亡した遺族が受け取れる死亡一時金

死亡一時金は、国民年金保険料を納めたにも関わらず、年金を受給する前に亡くなってしまった方の遺族へ支給される一時金です。

要件内容
亡くなった人の要件死亡日の前日において第1号被保険者として保険料を納めた月数が36月以上ある※
受給する人の要件亡くなった方によって生計を同じくしていた遺族で、優先順位が最も高い方
1.配偶者
2.子
3.父母
4.孫
5.祖父母
6.兄弟姉妹

※4分の3納付月数は4分の3月、半額納付月数は2分の1月,4分の1納付月数は4分の1月として計算

死亡日の前日において第1号被保険者として保険料を納めた月数が36月以上ある方が、老齢基礎年金・障害基礎年金を受けないまま亡くなったとき、生計を同じくしていた遺族へ支給されます。

生計を同じくしていた家族が複数いる場合、最も優先順位が高い遺族へ支給されます。なお、死亡一時金の具体的な金額は以下のとおりです。

保険料納付済月数金額
36月以上180月未満120,000 円
180月以上240月未満145,000 円
240月以上300月未満170,000 円
300月以上360月未満220,000 円
360月以上420月未満270,000 円
420月以上320,000 円

なお、遺族が遺族基礎年金の支給を受けられるとき、死亡一時金は支給されません。また、死亡一時金を受け取れるのが亡くなった方の妻で、同時に寡婦年金を受けられる場合は、どちらか一方を選択します。

遺族厚生年金:会社員や公務員の遺族が対象で受給できる遺族年金

遺族厚生年金は公的年金制度の2階部分にあたり、会社で働いていた人が亡くなったとき、残された遺族の生活を助けるための年金制度です。遺族厚生年金の受給要件をまとめると、以下のとおりです。

要件内容
亡くなった人の要件【以下のいずれかを満たす】
1.厚生年金保険の被保険者である間に死亡したとき※1
2.厚生年金の被保険者期間に初診日がある病気やけがが原因で初診日から5年以内に死亡したとき※1
3.1級・2級の障害厚生年金を受けとっている方が死亡したとき
4.老齢厚生年金の受給権者であった方が死亡したとき※2
5.老齢厚生年金の受給資格を満たした方が死亡したとき※2
受給する人の要件亡くなった方に生計を維持されており、前年の収入が850万円未満または所得が655万5,000円未満で、最も優先順位が高い方

※1:死亡日の前日において、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が国民年金加入期間の3分の2以上あることが必要。ただし、65歳未満で死亡日が令和8年3月末日までのときは、死亡日の前日において死亡日が含まれる月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよい ※2:保険料納付済期間・保険料免除期間・合算対象期間を合算した期間が25年以上あることが要件

受給権者が遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給権を有する場合、それぞれ受給することが可能です。

40歳以上65歳未満の夫を亡くした妻が受給できる中高齢寡婦加算

中高齢寡婦加算とは、夫を亡くした妻(寡婦)が自身の老齢基礎年金をもらえるようになるまでの間、遺族厚生年金に上乗せして受給できる年金です。

要件内容
受給対象者・夫が亡くなったとき、40歳以上65歳未満で生計を同じくしている子がいない妻※
・遺族厚生年金と遺族基礎年金を受けていた子のある妻が、子が18歳到達年度の末日に達した(障害の状態にある場合は20歳に達した)ことにより、遺族基礎年金を受給できなくなった妻
受給額(2024年4月時点)612,000円(年額)
受給期間65歳になるまで

※ 子とは、18歳になった年度の3月31日までにある方または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある方

「寡婦」とあるように、子のない妻や遺族基礎年金が受給できなくなる妻が支給対象となります。受給対象者に該当すると、65歳になるまでの間、年額612,000円が遺族厚生年金に加算されます。

中高齢寡婦加算の受給が終わったあとに支給される経過的寡婦加算

経過的寡婦加算とは、遺族厚生年金の上乗せとなる給付です。65歳以降は中高齢寡婦加算がなくなり自身の老齢基礎年金を受給しますが、中高齢寡婦加算よりも老齢基礎年金が低額の場合、年金額が低下します。

そこで、65歳以降に年金額が低下して生活に悪影響が出てしまう事態を防止するために、経過的寡婦加算が設けられています。

要件内容
受給対象者・1956年4月1日以前生まれで、65歳以上で遺族厚生年金の受給権が発生した妻
・1956年4月1日以前生まれで中高齢寡婦加算と遺族厚生年金の受給権者である妻が65歳に達したとき
受給額(年額)生年月日による
受給期間一生涯

遺族基礎年金・遺族厚生年金・中高齢寡婦加算・経過的寡婦加算を図で表すと、以上のようになります。経過的寡婦加算により、自分が受け取れる老齢基礎年金が低額でも、65歳前後で生活の急変が起きないように配慮されています。

遺族年金がもらえる人、もらえない人は?受給対象者を確認

遺族年金の受給対象者は、遺族基礎年金と遺族厚生年金で異なります。特に、遺族厚生年金は「配偶者」でも妻と夫で異なるため、注意が必要です。

以下で、遺族年金の受給対象者をパターン別に解説します。

遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給対象者を整理

まずは、遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給対象者を整理します。

年金の種別受給対象者
老齢基礎年金・子のある配偶者
・子
老齢厚生年金【最も順位が高い遺族】
1.子のある配偶者
2.子
3.子のない配偶者
4.父母
5.孫
6.祖父母

遺族基礎年金は、子を抱えている配偶者や自らの生計を維持することができない子の生活の安定を図ることを目的としており、受給対象者が「子のある配偶者」か「子」となっています。

一方で、遺族厚生年金は主たる生計維持者である厚生年金の被保険者等が亡くなったとき、遺族に対し従前の生活を保障することを目的としています。制度の趣旨が異なるため、受給対象者が異なっています。

いずれの制度でも、「子」は18歳になった年度の3月31日までにある方、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある方を指します。

老齢厚生年金は老齢基礎年金よりも受給対象者の範囲が広いものの、子のない夫は55歳以上である方に限り受給でき、受給開始は60歳からとなります(遺族基礎年金をあわせて受給できる場合は55歳から60歳の間でも遺族厚生年金を受給できる)。

父母または祖父母が受給権者となる場合も、55歳以上である方に限り受給でき、受給開始は60歳からとなります。

夫が亡くなり妻が遺族年金を受け取る場合

夫が亡くなり妻が遺族年金を受け取る場合、妻が受給できる年金は以下のとおりです。

  • 遺族基礎年金(子がいる場合)
  • 寡婦年金(60歳以上65歳未満で夫と10年以上継続して婚姻関係(事実上の婚姻関係を含む)にあった場合)
  • 遺族厚生年金(30歳未満の妻は5年間)
  • 中高齢寡婦加算(40歳以上65歳未満で子がいない場合)
  • 経過的寡婦加算(65歳以降に自分が受給できる老齢年金が中高齢寡婦加算よりも少ない場合)

夫が死亡したときの状況に応じて、受給できる年金は異なります。また、子の有無によっても支給内容は異なるため、「遺族基礎年金と遺族厚生年金を受け取れる」「遺族厚生年金のみ受け取れる」など、受給パターンは多様です。

妻が亡くなり夫が遺族年金を受け取る場合

妻が亡くなり夫が遺族年金を受け取る場合、夫が受給できる年金は以下のとおりです。

  • 遺族基礎年金(子がいる場合)
  • 遺族厚生年金(子のない夫は妻の死亡時に55歳以上であること。受給開始は60歳から)

妻が亡くなったときの遺族年金と比較して、給付内容が薄いことがわかります。現行制度では、受給権者が妻か夫かによって差があります。

家族が亡くなったときに必要な保障を考える際には、「誰が亡くなったときを想定するのか」という前提を押さえることが大切です。

子どもが遺族年金を受け取る場合

亡くなった方に配偶者がいないとき、子どもが遺族年金を受給するケースがあります。受給権者が子になる場合、受給できる年金は以下のとおりです。

  • 遺族基礎年金
  • 遺族厚生年金

いずれの遺族年金も「子のない配偶者」がいない場合は、子が受給権を有します。子が複数いる場合は、等分してそれぞれの子に支給されます。

その他の遺族が遺族年金を受け取る場合

父母・孫・祖父母が遺族年金を受け取るケースは、「子のある配偶者」「子」「子のない配偶者」がいないときの遺族厚生年金です。

遺族基礎年金は「子のある配偶者」または「子」が受給権者となるため、その他の遺族は受給できません。

ただし、死亡日の前日において第1号被保険者として保険料を納めた月数が36月以上ある方が亡くなり、「配偶者」「子」がいないときは死亡一時金を受給できるケースがあります。

遺族年金がもらえないケース

遺族年金には受給要件が設けられているため、要件に該当しなければ受給できません。遺族年金を受給できない具体的なケースは以下のとおりです。

ケース内容
遺族基礎年金を受給できないケース• 亡くなった方が保険料納付要件を満たしていなかった
• 子のない妻
• 子はいるが子が年齢要件に該当しない妻
• 年齢要件に該当しない子
• 亡くなった方と生計維持関係がなかった
• 受給権者である配偶者が再婚した
• 直系血族または直系姻族以外の方の養子となった
遺族厚生年金を受給できないケース• 亡くなった方が保険料納付要件を満たしていなかった
• 年齢要件に該当しない子・夫・父母・祖父母
• 亡くなった方と生計維持関係がなかった
• 受給権者である配偶者が再婚した
• 直系血族または直系姻族以外の方の養子となった

遺族基礎年金の受給権者は、「子のある配偶者」か「子」です。子のない配偶者や、子がいても年齢要件に該当しない場合は受給できません。

生計維持関係になかった(前年の収入が850万円以上または所得が655万5,000円以上)場合も、遺族基礎年金は受給できない点に注意しましょう。

他にも、遺族基礎年金を受給していた方が再婚したときや、直系血族または直系姻族以外の方の養子となったときは、年金を受給できなくなります。

遺族厚生年金は、子のある配偶者や子以外でも受給権者になる可能性があります。ただし、年齢要件を満たしていない場合は、遺族厚生年金を受給できません。

特に、遺族厚生年金は同じ「配偶者」でも、妻と夫で扱いが異なります。

年齢要件なし55歳以上
受給要件なし(子のない妻は5年間)60歳から一生涯(ただし、遺族基礎年金をあわせて受給できる場合は55歳から60歳の間でも遺族厚生年金を受給できる)

現行の遺族厚生年金は専業主婦世帯の生活保障を念頭に置いており、共働き世帯の増加に対応できているとはいえません。男女間の差が問題視されており、現行制度の見直しが話題となっています。

遺族年金はいくらもらえる?金額の目安やモデルケース

遺族年金額の計算方法は複雑で、実際にいくら受給できるのかイメージしづらいこともあるでしょう。

以下で、遺族年金額の目安を解説します。家族構成や報酬を照らし合わせて、受給できる金額を把握しましょう。

遺族基礎年金の金額は子供の数で加算(自営業者やフリーランスの場合)

遺族基礎年金の額は定額で、子どもの数によって加算が行われます。

遺族基礎年金の計算方法
(2024年4月時点)
金額
1956年4月2日以後生まれの子のある配偶者816,000円+子の加算額
1956年4月1日以前生まれの子のある配偶者813,700円+子の加算額
816,000円+2人目以降の子の加算額
子の加算額1人目・2人目の加算額:各234,800円
3人目以降の子の加算額:各78,300円

具体的な家族構成に落とし込んだ遺族基礎年金額は以下のとおりです。自営業者は厚生年金に加入していないため、遺族が受給できるのは遺族基礎年金のみとなります。

受給権者遺族基礎年金(年額)
子のいる配偶者+子1人1,050,800円
子のいる配偶者+子2人1,285,600円
子のいる配偶者+子3人1,363,900円
子1人816,000円
子2人1,050,800円
子3人1,129,100円

多くの家庭では、遺族基礎年金だけで生活を支えるのは困難でしょう。必要に応じて、残された家族が働いて収入を得たり、事前に生命保険を活用したりして、万が一のリスクに備える必要があります。

遺族厚生年金の金額は報酬比例(会社員や公務員の場合)

遺族厚生年金は、亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分に基づいて支給額が決定します。

受給額の計算方法(2024年4月時点):亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額 (受給要件の1・2・3に基づく遺族厚生年金の場合、厚生年金の被保険者期間が300月(25年)未満の場合は300月とみなして計算する)

平均標準報酬月額に落とし込んだ具体的な金額は、以下のとおりです。

亡くなった方の
平均標準報酬月額
受給額
25万円400,796円
35万円561,113円
45万円721,432円

※死亡した夫または妻の厚生年金への加入期間を25年(300月)とし、平成15年3月以前の加入期間を4年(48月)、平成15年4月以降の加入期間を21年(252月)と仮定して計算。中高齢寡婦加算と経過的寡婦加算は含まない。

遺族厚生年金は、亡くなられた方の標準報酬月額や厚生年金の加入期間によって受給額が異なります。また、条件を満たす場合は中高齢寡婦加算や経過的寡婦加算が上乗せされます。そのため、上表はあくまでも目安である点に留意してください。

遺族基礎年金と遺族厚生年金を受給できる場合、それぞれ合算した額を受け取れます。家族の死亡リスクに備えるためにも、あなた(またはあなたの遺族)が受給できる遺族年金はどの程度なのか押さえておきましょう。

遺族年金生活者支援給付金とは?概要と申請方法

遺族年金生活者支援給付金とは、遺族年金を受給しており、所得が一定基準額以下の方に支給される給付金です。以下の要件に該当する方へ、毎月5,310円が遺族年金の上乗せとして支給されます(2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合は子の数で割った金額をそれぞれ受給する)。

  • 遺族基礎年金を受けている
  • 前年の所得額が「4,721,000円+扶養親族の数×38万円」以下である※1.2

※1:遺族年金等の非課税収入は年金生活者支援給付金の判定に用いる所得には含まない ※2:同一生計配偶者のうち70歳以上の者または老人扶養親族の場合は48万円、特定扶養親族または16歳以上19歳未満の扶養親族の場合は63万円

要件に該当する方は、日本年金機構より「年金生活者支援給付金請求書」が届きます。自動的に支給されるわけではなく、申請が必要なので忘れないように気をつけましょう。

遺族年金はいつまでもらえる?受給期間と打ち切り要件

遺族基礎年金は受給できる期間が決まっており、遺族厚生年金は受給権者次第で終身にわたって受給できます。

遺族年金がいつまでもらえるのか、以下で詳しく解説します。

遺族基礎年金の受給期間(子が18歳まで等)

遺族基礎年金の受給期間は、子が18歳になるまでです。

受給者受給期間
配偶者すべての子が18歳になる年度の3月31日まで
受け取る本人が18歳になる年度の3月31日まで
(ただし、子が障害等級1級・2級に該当する場合は20歳に到達するまで)

遺族基礎年金の趣旨は「子を抱えている配偶者や自らの生計を維持することができない子の生活の安定を図ること」です。そのため、子が18歳以上になり自ら生計を維持できるようになると、遺族基礎年金は受給できなくなります。

遺族厚生年金の受給期間

遺族厚生年金は、受給権者によって受給期間が異なります。

受給権者受給期間
一生涯(子がいない30歳未満の妻は5年間)
子・孫18歳になった年度の末日(3月31日)まで。ただし、障害等級1級・2級の状態にある場合は20歳になるまで
60歳から一生涯(ただし、遺族基礎年金をあわせて受給できる場合は55歳から60歳の間でも遺族厚生年金を受給できる)
父母または祖父母60歳から一生涯

遺族厚生年金の趣旨は「主たる生計維持者である厚生年金の被保険者等が亡くなったとき、遺族に対し従前の生活を保障すること」です。

子または孫は18歳になった年度の末日(3月31日)までとなっていますが、その他の受給権者は終身にわたって受給できます(子がいない30歳未満の妻を除く)。

公務員の遺族共済年金受給期間

公務員の遺族共済組合は、遺族厚生年金とほとんど同じ仕組みです。

要件内容
亡くなった人の要件【以下のいずれかを満たす】
1.共済組合員である間に死亡したとき※1
2.共済組合員期間に初診日がある病気やけがが原因で初診日から5年以内に死亡したとき※1
3.1級・2級の障害共済年金を受けとっている方が死亡したとき
4. 組合員期間等が25年以上の方または退職共済年金等の受給権者の方が死亡したとき
受給する方の要件亡くなった方に生計を維持されており、前年の収入が850万円未満または所得が655万5,000円未満で、最も優先順位が高い方
受給対象者1.子のある配偶者※3
2.子
3.子のない配偶者※4
4.父母※5
5.孫
6.祖父母※5
受給額の計算方法(2024年4月時点)厚生年金相当額+職域加算額
【厚生年金相当額】
死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額
(受給要件の1・2・3に基づく遺族厚生年金の場合、厚生年金の被保険者期間が300月(25年)未満の場合は300月とみなして計算する)
【職域加算額】
死亡した方の老齢共済年金の職域加算部分の4分の3の額
受給期間妻:一生涯(子がいない30歳未満の妻は5年間)
子・孫:18歳になった年度の末日(3月31日)まで。ただし、障害等級1級・2級の状態にある場合は20歳になるまで
夫:子のない夫の場合、60歳から一生涯(ただし、遺族基礎年金をあわせて受給できる場合は55歳から60歳の間でも遺族厚生年金を受給できる)
父母・祖父母:60歳から一生涯

※1:死亡日の前日において、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が国民年金加入期間の3分の2以上あることが必要。ただし、65歳未満で死亡日が令和8年3月末日までのときは、死亡日の前日において死亡日が含まれる月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよい ※2:保険料納付済期間・保険料免除期間・合算対象期間を合算した期間が25年以上あることが要件 ※3:子・孫とは、18歳になった年度の3月31日までにある方または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある方 ※4:子のない30歳未満の妻は5年間のみ受給できる。子のない夫は55歳以上である方に限り受給でき、受給開始は60歳から(ただし、遺族基礎年金をあわせて受給できる場合に限り、55歳から60歳の間であっても遺族厚生年金を受給できる) ※5:父母または祖父母は55歳以上である方に限り受給でき、受給開始は60歳から

亡くなった方の要件や受給者の要件、受給額などは遺族厚生年金と同じと捉えて問題ありません。

遺族年金受給時の注意点|併給調整・所得制限・再婚での停止に要注意

亡くなった方の遺族の生活を守るために大切な役割を果たしている遺族年金ですが、場合によっては併給調整が行われたり、所得制限の関係で受給できなかったりするケースがあります。

以下で、遺族年金に関する具体的な注意点を確認しましょう。

場合によっては併給調整が行われる

公的年金は「1人1年金」が原則で、基礎年金に厚生年金(共済年金)が上乗せして支払われる制度設計となっています。「老齢基礎年金+老齢厚生年金」「障害基礎年金+障害厚生年金」「遺族基礎年金+遺族厚生年金」のように、同じ支給事由で受給するのが原則です。

ただし、特例的に支給事由が異なる2つ以上の年金を受給することも可能です。

組み合わせ具体的なケース
老齢基礎年金+遺族厚生年金・65歳以上で老齢基礎年金を受けている方が遺族厚生年金を受けられるようになったとき
老齢厚生年金と遺族厚生年金・65歳以上で老齢厚生年金と遺族厚生年金を受ける権利があるとき
・老齢厚生年金が優先的に支給され、老齢厚生年金より遺族厚生年金額が高い場合、差額を受給できる
老齢基礎年金+「遺族厚生年金の3分の2と老齢厚生年金の2分の1の合計」・65歳以上で老齢基礎年金を受けている方が、遺族厚生年金と遺族厚生年金を受けられるようになったとき
障害基礎年金と遺族厚生年金・障害基礎年金と障害厚生年金を受けている方が、遺族厚生年金を受けられるようになったとき
・65歳以後、「障害基礎年金+障害厚生年金」か「障害基礎年金+遺族厚生年金」のいずれかを選択できる

例えば、自分の厚生年金加入期間が長い方であれば、遺族厚生年金よりも老齢厚生年金の受給額が大きいというケースが考えられるでしょう。

この場合、まずは自分が受け取れる老齢厚生年金を受給し、老齢厚生年金額を超える遺族厚生年金があるときは超えた分を受給できます。

所得制限で支給停止になるケース:前年の収入850万円以上または所得655.5万円以上

遺族基礎年金と遺族厚生年金ともに、受給者には所得制限が設けられています。受給するには「前年の収入が850万円未満または所得が655万5,000円未満」でなければなりません。

一定の収入を得ている人は経済的に困窮するリスクが低いため、遺族年金で生活を保護する必要性は乏しいでしょう。そのため、所得制限を超える収入を得ている遺族は、遺族年金を受給できないのです。

夫婦211万円の壁も知りたいかたはこちらのFAQもご参照ください。

再婚すると支給停止となり受給できなくなる

受給権者である配偶者が再婚すると、遺族年金を受給できなくなります。再婚者が主たる生計者となり生活を支えてくれると考えられるため、再婚に伴って遺族年金の支給はストップされるのです。

また、再婚したとき以外にも、直系血族または直系姻族以外の方の養子となったときも遺族年金の支給はストップします。

この記事のまとめ

遺族年金は、基礎=定額+子加算、厚生=報酬比例4分の3を軸に非課税で支給され、子18歳や中高齢寡婦加算などで金額と期間が変動します。保険料納付要件、再婚・高所得による停止、老齢年金との併給選択を理解し、請求手続きの期限と書類を押さえることで取りこぼしを防ぎつつ、生命保険や貯蓄と組み合わせた資金計画を最適化しましょう。加算要件や停止リスクを一覧で確認し、ライフイベントに応じて定期的に見直すことも大切です。年収や家族構成が変われば保障水準も変化するため、最新情報を踏まえて継続的にメンテナンスしましょう。必要に応じて専門家に相談するのも選択肢です。

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柴田充輝

金融系ライター

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。

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遺族年金

遺族年金とは、家計の支え手である人が亡くなった際に、残された家族の生活を保障するために支給される年金のことです。公的年金制度の中に組み込まれており、国民年金から支給される「遺族基礎年金」と、厚生年金から支給される「遺族厚生年金」があります。対象となるのは、主に配偶者や子どもで、支給額や期間は家族構成や被保険者の加入状況などによって異なります。遺族年金は、残された家族が安定した生活を続けるための公的な支援制度として、生活設計においてとても重要な役割を果たします。

遺族基礎年金

遺族基礎年金とは、国民年金に加入していた人が亡くなったときに、その人に生計を維持されていた一定の家族(主に子どもがいる配偶者や子ども自身)に支給される年金です。これは公的年金制度のひとつで、生活保障を目的としており、主に子育て世帯を対象にしています。たとえば、夫が亡くなり、子どもを育てる妻がいる場合、その妻に遺族基礎年金が支給されます。受給の条件には、亡くなった人が保険料を一定期間納付していたことや、受け取る側に対象となる子どもがいることなどが含まれます。支給額は定額で、子どもの人数に応じた加算もあります。子どもが一定年齢に達すると支給は終了します。家計を支える人を失ったときに、遺族の生活を一定期間支援する大切な制度です。

遺族厚生年金

遺族厚生年金とは、厚生年金に加入していた人が亡くなった場合に、その遺族に支給される公的年金のことです。対象となるのは、主に配偶者(特に一定年齢以上の妻)、子ども、父母、孫、祖父母などで、生計を同じくしていたことが条件とされます。 遺族基礎年金が子どもがいる世帯を中心に支給されるのに対し、遺族厚生年金は子どもがいなくても一定の条件を満たせば支給されるため、対象範囲がやや広いのが特徴です。支給額は、亡くなった人の厚生年金の納付記録や報酬額に基づいて計算されるため、個人差があります。また、遺族基礎年金と併用して受け取れる場合もあり、特に現役世代の死亡リスクに備える重要な保障制度のひとつとされています。家計の柱を失ったときに、遺族の生活を長期にわたって支える仕組みです。

遺族共済年金

遺族共済年金とは、かつて共済年金制度(公務員や私立学校教職員などが加入していた年金制度)に加入していた人が亡くなった場合に、その遺族に支給される年金のことです。2015年10月に共済年金は厚生年金と統合されましたが、それ以前に加入していた人に関しては、経過措置として遺族共済年金の仕組みが今も適用されています。支給対象は、生計を共にしていた配偶者や子どもなどで、遺族厚生年金と同様に、報酬や加入期間に応じて支給額が決まります。 また、遺族基礎年金と併給される場合もあります。基本的な考え方は遺族厚生年金とほぼ同じですが、制度の歴史的背景から、細かな支給条件や加算内容に違いがあることがあります。現在は新たな加入者はおらず、過去に加入していた人に対して支給される「経過的な制度」として位置づけられています。

年金生活者支援給付金

年金生活者支援給付金とは、年金だけで生活している人や所得の少ない年金受給者を対象に、年金に上乗せして支給される給付金のことです。これは、高齢者や障害者、遺族などが年金だけでは十分な生活を維持できないケースを想定し、生活の安定と福祉の向上を目的として2019年に創設されました。 支給対象は、一定の所得以下であることや、住民税が非課税であることなど、細かい条件を満たした人に限られます。給付額は対象者の種類(老齢年金受給者、障害年金受給者、遺族年金受給者など)によって異なりますが、毎月の年金に上乗せされる形で振り込まれます。申請が必要で、自動的に支給されるわけではないため、条件に該当する場合は申請を忘れないことが重要です。生活の支えとして、特に低所得の年金受給者にとっては非常にありがたい制度です。

中高齢寡婦加算

中高齢寡婦加算とは、遺族厚生年金を受け取る妻が40歳から64歳までの中高年齢層であり、子どもがいない、または子どもがすでに支給対象外となっている場合に、遺族厚生年金に上乗せして支給される加算金のことです。これは、配偶者の死後、急に収入を失った中高年の女性が、老齢年金を受け取れる年齢になるまでの生活を支える目的で設けられています。 特に子育てが終わった後の女性が対象となりやすく、再就職が難しい年齢層であることから、生活の安定を支援する制度として重要です。なお、65歳になると老齢年金の受給が始まるため、この加算は終了します。中高齢寡婦加算は、遺族年金制度の中でも特定の生活状況に配慮した制度であり、遺族厚生年金の理解を深めるうえでも欠かせない要素です。

経過的寡婦加算

経過的寡婦加算とは、昭和31年4月1日以前に生まれた女性で、一定の条件を満たした遺族厚生年金の受給者に対して支給される、特例的な加算給付のことです。この制度は、年金制度の改正によって不利益が生じることを避けるための「経過措置」として設けられました。具体的には、中高齢寡婦加算の対象とならない高齢の遺族(主に妻)に対し、年金額が極端に低くならないように補う目的で支給されます。 支給額は定額で、加算されることで遺族の生活の安定を図ります。ただし、対象となるのはごく限られた年齢層の方に限られており、今後は制度として縮小・終了していく方向とされています。公的年金制度の中でも、過渡期の制度変更に配慮した、歴史的経緯のある加算措置です。 か

標準報酬月額

標準報酬月額(ひょうじゅんほうしゅうげつがく)とは、日本の社会保険制度において、健康保険や厚生年金保険の保険料や給付額を計算する基準となる月額報酬のことを指します。これは、従業員の給与や賃金を基にして決定されますが、月ごとの変動を考慮して一定の範囲に分類されます。 <計算対象の例> 基本給、能率給、奨励給、役付手当、職階手当、特別勤務手当、勤務地手当、物価手当、日直手当、宿直手当、家族手当、休職手当、通勤手当、住宅手当、別居手当、早出残業手当、継続支給する見舞金等、事業所から現金または現物で支給されるもの

老齢基礎年金

老齢基礎年金とは、日本の公的年金制度の一つで、老後の最低限の生活を支えることを目的とした年金です。一定の加入期間を満たした人が、原則として65歳から受給できます。 受給資格を得るためには、国民年金の保険料納付済期間、免除期間、合算対象期間(カラ期間)を合計して10年以上の加入期間が必要です。年金額は、20歳から60歳までの40年間(480月)にわたる国民年金の加入期間に応じて決まり、満額受給には480月分の保険料納付が必要です。納付期間が不足すると、その分減額されます。 また、年金額は毎年の物価や賃金水準に応じて見直しされます。繰上げ受給(60~64歳)を選択すると減額され、繰下げ受給(66~75歳)を選択すると増額される仕組みになっています。 老齢基礎年金は、自営業者、フリーランス、会社員、公務員を問わず、日本国内に住むすべての人が加入する仕組みとなっており、老後の基本的な生活を支える重要な制度の一つです。

扶養家族

扶養家族とは、生活費を自分で負担することが難しく、家計を支える人(扶養者)が経済的に援助する家族のことを指す。一般的には、配偶者、子ども、高齢の親などが含まれる。 扶養家族がいる場合、家計の支出が増えるため、収入の安定性や将来の生活設計が重要となる。特に、教育費や医療費などの長期的な支出を考慮し、資産運用のリスクを適切に管理する必要がある。 税制上の扶養控除の対象になる場合もあり、世帯の収入や税負担に影響を与える要素の一つとなる。

リスク許容度

リスク許容度とは、自分の資産運用において、どれくらいの損失までなら精神的にも経済的にも受け入れられるかという度合いを表す考え方です。 投資には必ずリスクが伴い、時には資産が目減りすることもあります。そのときに、どのくらいの下落まで冷静に対応できるか、また生活に支障が出ないかという観点で、自分のリスク許容度を見極めることが大切です。 年齢、収入、資産の状況、投資経験、投資の目的などによって人それぞれ異なり、リスク許容度が高い人は価格変動の大きい商品にも挑戦できますが、低い人は安定性の高い商品を選ぶほうが安心です。自分のリスク許容度を正しく理解することで、無理のない投資計画を立てることができます。

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