Loading...

MENU

記事>
障害年金とは?受給条件・金額・申請の流れと注意点をわかりやすく解説

障害年金とは?受給条件・金額・申請の流れと注意点をわかりやすく解説

難易度:

執筆者:

公開:

2025.06.12

更新:

2025.06.12

基礎知識

障害年金は、障害状態になり働けなくなったときに、経済的な支援を受けられる社会保険制度です。障害基礎年金と障害厚生年金の2階建てとなっており、働き方や障害状態によって受給できる年金は異なります。

病気やケガなどの理由で、障害状態に陥ってしまうリスクは誰にもあります。自分だけでなく家族の生活を守るためにも、障害年金の仕組みを理解し、どのような備えが必要となるのかを確認しましょう。

サクッとわかる!簡単要約

障害年金は、働けなくなった現役世代の最後のセーフティーネット。本記事では①基礎・厚生・共済の3制度と給付額算定メカニズム=リターン、②初診日・納付要件漏れや診断書不備で「ゼロ円」もあり得るリスク、③申請・更新・扶養判定の実務と就業不能保険との補完関係を比較検証。支給額早見表ともらえない事例を交え、確定申告や所得制限の注意点、制度改正予定も先取り。読むだけで「今いくら受け取れるか」「老齢・生活保護等との兼ね合い」「専門家活用の最適タイミング」まで俯瞰でき、手続きミスを防ぎつつ万一への備えを具体化できます。

目次

障害年金とは?対象者と基本的な仕組みを理解しよう

年金の基本的な仕組み

障害年金の受給要件と初診日の重要性

障害年金と他の年金制度の関係

障害年金の申請ステップと診断書取得のポイント

申請の流れを把握しよう

診断書の取得方法と注意点

障害年金がもらえない人の主なケース

どこに相談すればいい?

障害年金の支給額をチェック

障害年金の等級

障害年金の計算方法

障害年金生活者支援給付金の受給額

障害年金の注意点:所得制限やデメリットを把握しよう

健康保険の扶養から外れる可能性

国民年金保険料が法定免除されることによる老齢年金受給への影響

遺族給付への影響

20歳前発症の場合の所得制限

生活保護や他の給付との関係を確認しよう

生活保護と障害年金の関係

老齢年金と障害年金の関係

失業保険と障害年金の関係

確定申告と障害年金の関係

働けなくなったときの流れと対処法

会社員の場合

自営業者の場合

障害年金とは?対象者と基本的な仕組みを理解しよう

障害年金は、病気やケガなどで所定の障害状態に陥ったときに支給される年金です。対象者や受給資格など、基本的な仕組みから確認しましょう。

年金の基本的な仕組み

障害年金は、病気やケガによって生活や仕事などが制限される状態になったとき、生活を支えるために支給される年金です。社会保険制度の一つとして、大切な役割を果たしています。

一般的に「年金」として認識されている老齢年金は、原則として65歳から(60歳から繰り上げることも可能)受け取ります。しかし、障害年金は要件をクリアしていれば、現役世代の方でも受給できます。

年金の種類主な要件対象者
障害基礎年金病気やけがで初めて医師の診療を受けたときに国民年金に加入していた場合自営業者や専業主婦(夫)
障害厚生年金病気やけがで初めて医師の診療を受けたときに厚生年金に加入していた場合会社員(厚生年金保険に加入している短時間労働者含む)
障害共済年金病気やけがで初めて医師の診療を受けたときに共済年金に加入していた場合公務員

働き方によって、受け取れる年金の種類や金額は異なります。今現在の働き方に応じて、「もし今障害状態になったら、どの年金を受け取れるのか」を確認してみてください。

障害年金の受給要件と初診日の重要性

障害年金を受給できるかどうかを判断する際に重要となるのが、「初診日」「障害認定日」「保険料納付要件」です。

言葉の意味障害基礎年金における要件障害厚生年金(障害共済年金)における要件
初診日障害の原因となった病気やケガについて、はじめて医師または歯科医師の診療を受けた日初診日が次のいずれかの間にあること
・国民年金加入期間
・20歳前または日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満で年金制度に加入していない期間
初診日が厚生年金保険の被保険者である間にある
障害認定日障害の程度を定める日のこと。障害の原因となった病気やケガについての初診日から起算して1年6カ月を経過した日、または1年6カ月以内にその病気やけがが治った日(症状が固定した場合)障害認定日(障害認定日以後に20歳に達したときは、20歳に達した日)に、障害等級表に定める1級または2級に該当していること障害認定日に、障害等級表に定める1級から3級のいずれかに該当していること
保険料納付要件初診日の前日における国民年金保険料、厚生年金保険料の納付実績初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で保険料納付済期間・保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること(ただし、初診日が2026(令和8)年4月1日前で初診日において65歳未満の場合、初診日の前日において初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよい)※初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で保険料納付済期間・保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること(ただし、初診日が2026(令和8)年4月1日前で初診日において65歳未満の場合、初診日の前日において初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよい)

※20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合、納付要件は不要

保険料納付要件はやや複雑ですが、「きちんと保険料を納付していれば問題ない」という理解で差し支えありません。会社員や公務員の方であれば、給与天引きで社会保険料を納めるため、納付漏れのリスクはほとんどないでしょう。

障害年金を受給できる期間は、障害認定日が属する月の翌月分からです。障害認定日に障害等級に該当しておらず、あとになって障害等級に該当した場合は、請求日が属する月の翌月分から受給対象となります。

なお、障害年金は障害状態が続く限り受給できます。ただし、障害状態に該当しなくなったら支給停止となったり、等級が下がることで支給額が減ったりすることがある点に注意しましょう。

障害年金と他の年金制度の関係

障害基礎年金と障害厚生年金は併給できます。例えば、会社員の方が厚生年金保険加入中に初診日・障害認定日・保険料納付要件をクリアし、障害等級表に定める1級または2級に該当する場合は「障害基礎年金+障害厚生年金」を受給できます。

年金の種類に関しては、こちらのFAQも参考にしてみてください。

障害年金の申請ステップと診断書取得のポイント

障害年金の申請手続きは複雑です。手続きの際には医師の診断書が必要であり、実際に障害年金が支給されるかどうかは診断書を基に判断されます。

障害年金の申請ステップと診断書取得のポイント

出典:政府広報オンライン

障害年金を申請する際の流れや、医師に診断書を書いてもらうときの注意点を確認しましょう。

申請の流れを把握しよう

障害基礎年金や障害厚生年金を申請する際には、以下の書類を用意しなければなりません。

  • 基礎年金番号がわかる書類
  • 戸籍謄本・戸籍抄本・戸籍の記載事項証明・住民票・住民票の記載事項証明書のいずれか(単身者の方で、日本年金機構にマイナンバーが登録されている方は不要)
  • 医師の診断書(障害認定日より3カ月以内の現症のもの)
  • 受診状況等証明書(初診時の医療機関と診断書を作成した医療機関が異なる場合)
  • 病歴・就労状況等申立書
  • 受取先金融機関の通帳

申請書類の提出先は、住所地の市区町村役場の窓口です。ただし、初診日が国民年金第3号被保険者期間中の場合は、年金事務所または年金相談センターに提出しましょう。

診断書の取得方法と注意点

医師の診断書と受診状況等証明書は、日本年金機構のWebサイトからダウンロードするか、年金事務所や年金事務センターから入手できます。入手できたら、医師に証明してもらいましょう。

症状に応じた診断書を使用する

障害年金を申請する際の診断書は、障害の部位別に分かれています。例えば、「眼の障害用の診断書」「聴覚・鼻腔機能・平衡感覚・そしゃく・嚥下・言語機能の障害用の診断書」などがあるため、病状に応じて適切な診断書を用意しましょう。

医師へ正確な情報を提供する

障害年金を受給できるかどうかは、「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」に基づいて決定します。障害等級に該当するかどうかを適切に判断するためには、医師が証明する診断書の内容が、詳細かつ具体的でなければなりません。

医師に診断書を書いてもらうときは、現状を正確に伝える必要があります。自分が感じている現状と証明された診断書の内容に齟齬がないか、記入漏れはないか確認しましょう。

例えば、自分自身では回復している実感がないにもかかわらず、診断書で「軽快している」「症状が軽くなっている」と記載されていると、不支給になったり障害等級が低くなったりする可能性があります。

証明を依頼する医師と丁寧にコミュニケーションを取りながら、具体的かつ詳細な内容で証明してもらいましょう。

障害状態確認届(診断書)が届いたとき

障害年金の受給を開始したあと、引き続き障害年金を受ける権利があるかどうかを確認するために「障害状態確認届(診断書)」が送られてくる場合があります。「障害年金の更新」とも呼ばれます。

誕生月の3カ月前の月末に日本年金機構より送付されるため、医師に証明してもらったうえで、誕生月の末日までに日本年金機構へ提出しましょう。

障害状態確認届(診断書)の提出が遅れたり、記載内容に不備があったりすると、年金の支払いが止まることがあります。また、証明書の内容次第では障害年金の支給が止まることがあるため、医師と丁寧にコミュニケーションを取りながら証明してもらいましょう。

障害年金がもらえない人の主なケース

障害年金には「初診日」「障害認定日」「保険料納付要件」があり、すべての要件を満たさなければ受給できません。例えば、以下に該当する方は障害年金をもらえないため、注意が必要です。

  • 障害認定日に障害状態に該当していない
  • 保険料の未納期間があり納付要件を満たしていない

障害年金を受給するには、障害認定日において病気やケガの状態が障害認定基準に該当する必要があります。また、国民年金第1号被保険者の方は自分で保険料を納付しなければならないため、納付漏れがあると保険料納付要件をクリアできない可能性が考えられるでしょう。

保険料納付要件をクリアできない事態を防ぐためには、きちんと保険料を納付することが大切です。もし未納期間がある場合は、速やかに追納しましょう。

どこに相談すればいい?

障害年金に関する手続きで不明点があれば、年金事務所や年金事務センターで相談するとよいでしょう。必要書類や手続きの流れなど、正確な情報を教えてもらえます。

日本年金機構より「障害状態に該当していない」と判断された場合でも、支給基準を満たしていることを証明できる書類を用意したうえで審査請求をしたり、診断書を書き直してもらって再申請したりする方法があります。

社会保険労務士やNPO法人の中には、障害年金の申請サポートをしているところがあります。必要に応じて、必要書類の書き方を教えてもらえたり、医師に診断書を書いてもらうときに同行してもらったりするとよいでしょう。

障害年金の支給額をチェック

続いて、障害年金の支給額を解説します。等級ごとの具体的な支給額や、実際の受給データを紹介するので、参考にしてみてください。

障害年金の等級

まずは、厚生年金法や厚生年金法で定められている障害等級の程度を確認しましょう。

障害等級障害の程度具体例
1級身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの・両眼の視力がそれぞれ0.03以下のもの
・両上肢の機能に著しい障害を有するもの
・両下肢を足関節以上で欠くもの
・精神の障害であって、他の障害と同程度以上と認められる程度のものなど
2級身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるかまたは日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの・両眼の視力がそれぞれ0.07以下のもの
・両上肢のおや指及びひとさし指又は中指を欠くもの
・体幹の機能に歩くことができない程度の障害を有するもの
・精神の障害であって、他の障害と同程度以上と認められる程度のものなど
3級(障害厚生年金のみ)労働が著しい制限を受けるか、または労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの・両眼の視力がそれぞれ0.1以下に減じたもの
・身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
・精神又は神経系統に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すものなど
障害手当金(障害厚生年金のみ)傷病が治ったもので、労働が制限を受けるか、労働に制限を加えることを必要とする程度のもの・両眼の視力がそれぞれ0.6以下に減じたもの
・身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
・精神又は神経系統に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの

身体的な障害だけでなく、精神的な障害を抱えた場合も、障害年金の支給対象となります。昨今はメンタルヘルスの不調をきたしてしまう人が増えているため、「精神疾患でも障害年金の対象になる可能性がある」という点は知っておくとよいでしょう。

障害年金の計算方法

障害基礎年金と障害厚生年金の受給額は異なります。それぞれ、どの程度の年金を受け取れるのか確認しましょう。

障害基礎年金の支給額

2025(令和7)年度における、障害基礎年金の支給額は以下のとおりです。

1級2級
1956(昭和31)年4月2日以後生まれの方1,039,625円(月額  86,635 円)+子の加算831,700円+子の加算額※
1956(昭和31)年4月1日以前生まれの方1,036,625円+子の加算額829,300円+子の加算額※

子の加算額は、2人までは1人につき239,300円、3人目以降は1人につき79,800円です。18歳になった後の最初の3月31日までの子、または20歳未満で障害等級1級または2級の状態にある子が、加算対象に該当します。

例えば、1956(昭和31)年4月2日以後生まれで障害等級1級に該当し、加算対象となる子が2人いる場合、障害基礎年金額は1,518,225円です(1,039,625円+239,300円+239,300円)。

なお、厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2024(令和5)年における障害基礎年金の受給者平均年金月額は72,891円(年額で874,692円)でした。

障害厚生年金の受給額

続いて、障害厚生年金の受給額を見てみましょう。

1級2級3級
1956(昭和31)年4月2日以後生まれの方(報酬比例の年金額)×1.25+配偶者の加給年金額(239,300)報酬比例の年金額+ 配偶者の加給年金額(239,300円)報酬比例の年金額(最低保障は623,800円)
1956(昭和31)年4月1日以前生まれの方同上同上報酬比例の年金額(最低保障は622,000円)

配偶者の加給年金額は、年金受給者に生計を維持されている65歳未満の配偶者がいるときに加算されます。

報酬比例部分とは、厚生年金保険への加入期間や加入期間中の報酬に応じて決まるもので、計算式は以下のとおりです。

  • 平成15年3月以前の加入期間:平均標準報酬月額×7.125÷1000×平成15年3月以前の加入月数
  • 平成15年4月以降の加入期間:平均標準報酬月額×5.481÷1000×平成15年月以降の加入月数

厚生年金期間が300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算します。これにより、厚生年金への加入期間が短い状況で障害状態に該当した方でも、極端に年金額が少なくなることはありません。

なお、厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2024(令和5)年における障害厚生年金の受給者平均年金月額は102,691円(年額で1,232,292円)でした。

障害年金生活者支援給付金の受給額

障害基礎年金を受給しており、前年の所得が4,721,000円(扶養親族数により異なる)以下の方は、障害等級に応じて「障害年金生活者支援給付金」が支給されます。

  • 障害等級が2級の方:月額5,450円
  • 障害等級が1級の方:月額6,813円

障害基礎年金の上乗せとなる給付ですが、自動的に支給されるわけではありません。年金事務所への申請が必要となる点は押さえておきましょう。

障害年金の注意点:所得制限やデメリットを把握しよう

障害年金には所得制限や老齢年金への影響など、いくつか気をつけるべきポイントが存在します。

健康保険の扶養から外れる可能性

障害年金の受給額が180万円以上の方は、健康保険の扶養から外れなければなりません。また、障害年金の受給額が180万円未満でも、受給額が同一世帯の被保険者の年間収入の1/2以上(別世帯の場合は被保険者からの援助額以上)の場合も、健康保険の扶養から外れます。

健康保険の扶養から外れた場合は、自分自身で国民健康保険に加入する必要があるため、市区町村の役場で手続きをしましょう。ただし、障害等級1級・2級の障害年金を受給している方は国民年金保険料が免除されます。

国民年金保険料が法定免除されることによる老齢年金受給への影響

障害等級1級・2級の障害年金を受給している方は、国民年金保険料が法定免除となります。免除期間中は「保険料の半額を納付した」とみなされるため、将来老齢基礎年金を受給するときに影響が出る可能性があります。

ただし、障害等級2級に基づく障害基礎年金は、満額の老齢基礎年金と同額です。一般的に、老齢基礎年金よりも障害基礎年金を受給し続けたほうが、経済的メリットは大きいでしょう。

遺族給付への影響

障害基礎年金を受給したことがある人が死亡したとき、遺族給付である寡婦年金や死亡一時金が支給されません。

遺族年金に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。万が一の事態に備えるためにも、あわせてご覧ください。

20歳前発症の場合の所得制限

20歳前に初診日がある傷病が原因で障害基礎年金を受給する場合、一定の所得制限があります。

扶養親族がない方の場合、前年の所得が3,704,000円を超える場合と年金額の1/2が、4,721,000円を超えると全額支給停止となります(扶養親族がいる場合は、扶養親族1人につき所得制限額が380,000円上乗せ)。

生活保護や他の給付との関係を確認しよう

障害年金を受給すると、生活保護や老齢年金、失業保険など他の制度にも影響します。具体的な影響を理解し、社会保険や税金の手続きで損をしないように気を付けましょう。

生活保護と障害年金の関係

生活保護と障害年金は併給できます。ただし、障害年金を受給すると生活保護費から年金額が差し引かれるため、実質的な総受給額は変わりません。

つまり、生活保護を受給中に障害年金を受給すると、障害年金の分だけ生活保護が減額・調整される仕組みです。「障害年金額>生活保護費」の場合は、そもそも生活保護の支給がストップします。

老齢年金と障害年金の関係

65歳に到達し、障害基礎年金と老齢基礎年金の受給権を有した場合、いずれか一方を選択します。ただし、障害基礎年金と老齢厚生年金は併給が可能です。

なお、老齢基礎年金を繰上げ受給した後に障害状態になった場合は、原則として障害基礎年金を受給できません。

老齢年金と遺族年金に関する調整については、こちらのFAQをご覧ください。

失業保険と障害年金の関係

失業保険と障害年金は併給可能です。併給調整の規定がないため、それぞれの受給権があれば両方を受給できます。

ただし、失業保険を受け取るには「働く意思と能力があること」という条件をクリアしなければなりません。

そのため、失業保険を受け取ると「いつでも働ける状態である」ことを意味します。失業保険を受け取っている事実から、障害年金の新規申請時や更新時に不利になる可能性がある点には注意が必要です。

確定申告と障害年金の関係

障害年金は非課税であるため、収入が障害年金だけの場合は、確定申告をする必要はありません。ただし、障害年金以外に収入がある場合は、当該収入について確定申告が必要となります。

なお、障害者本人や扶養家族に障害者がいる場合は、以下の障害者控除を受けられます。

控除対象者区分所得控除額(年間)
障害者27万円
特別障害者40万円
同居特別障害者75万円

会社員の場合は勤務先の年末調整で、個人事業主の場合は確定申告で障害者控除を受けられるため、忘れずに申告しましょう。

なお、年金と税金の関係は、以下の記事で詳しく解説しています。

働けなくなったときの流れと対処法

実際に障害状態に陥り働けなくなった場合、どのようなプロセスを経て障害年金の受給に至るのでしょうか。

会社員と自営業者の場合で、それぞれ解説します。

会社員の場合

会社員が病気やケガなどで働けなくなった場合、以下のような流れで手続きが進みます。

  1. 勤務先で有給休暇を消化する
  2. 健康保険の傷病手当金の受給(最長1年6カ月)
  3. 1年6カ月経過後、障害等級に該当している場合は障害年金を受給する

有給休暇の残日数は個人差があるため、一概にはいえません。

有給休暇の日数がなくなると、健康保険から傷病手当金を受給します。受給額は「直近12カ月間の標準報酬月額の平均÷30日) × 2/3」で、おおむね月給の2/3程度をイメージするとよいでしょう。

傷病手当金を受給できる期間は、最長で1年6カ月です。受給満了のタイミングで障害年金の障害等級に該当している場合、障害基礎年金と障害厚生年金を受給する流れとなります。

自営業者の場合

自営業者には、有給休暇という概念がありません。また、自営業者が加入する国民健康保険には傷病手当金の制度がないため、働けない状態になったら障害基礎年金の申請を検討することになります。

自営業者の場合は障害厚生年金を受給できないため、会社員よりも受給できる年金額は少なくなります。社会保障が薄いため、必要に応じて就業不能保険で備えるとよいでしょう。

就業不能保険とは、病気やケガなどで「所定の就業不能状態が一定期間継続した場合」に、保険金を受け取れる保険商品です。保険金の受け取り方は一時金・年金などさまざまで、受給要件も「医師の指示による在宅療養中の状態」「国民年金の障害等級1級または2級に認定された状態」など、保険商品ごとに定められています。

この記事のまとめ

障害年金は、病気や事故で働けなくなった際の最後のセーフティーネットです。受給要件や額の算定は複雑ですが「今障害状態になればいくら受け取れるか」を試算しておくと安心できます。今は健康でも障害は突然訪れるため、受診歴と保険料納付状況を整理し、手続き準備を進めましょう。疑問があれば年金事務所・相談センターや申請支援NPOに相談を。確定申告、扶養判定、老齢年金との選択制を含め将来の手取りを検証し、健康保険の扶養基準や障害時の就労収入調整も把握してシミュレーションすると、より現実的な資金計画が立てられます。制度改正のスケジュールも定期的に確認し、情報をアップデートする習慣が大切です。必要なら専門家へ。

投資のコンシェルジュを使ってみませんか?

コンシェルジュ編集部に相談CTA
mitsuki-shibata
柴田充輝

金融系ライター

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。

関連記事

遺族年金はいくら・いつまで?遺族基礎年金・厚生年金の仕組みをやさしく解説

遺族年金はいくら・いつまで?遺族基礎年金・厚生年金の仕組みをやさしく解説

2025.06.12

難易度:

基礎知識タックスプランニング公的年金リスク管理

関連質問

関連する専門用語

障害基礎年金

障害基礎年金とは、病気やけがによって日常生活に支障が出るような障害が残った場合に、国民年金から支給される公的年金です。これは主に自営業者や専業主婦、学生など、国民年金のみに加入している人を対象とした制度です。障害の程度は「障害等級」によって判断され、1級または2級に該当すると支給されます。 20歳前に発病した障害でも、一定の条件を満たせば対象になります。生活に必要な最低限の所得保障として位置づけられており、障害を負った人の生活支援や就労支援の基盤となる重要な制度です。公的年金制度の一部であり、老齢基礎年金や遺族基礎年金と並ぶ3つの柱の一つとされています。

障害厚生年金

障害厚生年金とは、厚生年金保険に加入していた人が、病気やケガによって障害を負った場合に支給される年金のことです。これは公的年金制度の一部であり、会社員や公務員など、厚生年金に加入している人が対象となります。支給されるためには、初診日(最初に医師の診察を受けた日)に厚生年金に加入していたこと、一定の保険料納付要件を満たしていること、そして国の定める障害等級(1級~3級)に該当することが条件です。 1級・2級の場合には基礎年金とあわせて支給され、3級や一部の障害手当金は厚生年金独自の給付です。働いていた人が予期せず障害を負ったときに、生活の支えとなる収入を確保する制度であり、リスクに備える公的保障として重要な役割を果たしています。

障害年金

障害年金とは、病気やケガによって日常生活や就労に支障がある状態となった場合に、一定の条件を満たすと受け取ることができる公的年金の一種です。これは、老後に受け取る老齢年金とは異なり、まだ働き盛りの年齢であっても、障害の状態に応じて生活を支えるために支給されるものです。 受け取るためには、初診日の時点で年金制度に加入していたことや、一定の保険料納付要件を満たしていること、そして障害の程度が法律で定められた等級に該当することが必要です。障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があり、どの年金制度に加入していたかによって対象や支給額が異なります。これは障害を抱えながらも暮らしていく人の経済的な支えとなる大切な制度です。

障害等級

障害等級とは、病気やけがによって生じた障害の程度を国が定めた基準に基づいて分類した等級のことです。障害年金の支給にあたっては、この等級によって受給の可否や支給額が決まります。等級は原則として1級から3級まであり、1級が最も重く、日常生活のほとんどに介助が必要な状態を指します。 2級は日常生活に著しい制限がある場合、3級は労働に一定の支障がある程度とされます。また、障害基礎年金では1級と2級が対象となり、障害厚生年金では1級から3級までが支給対象になります。障害等級の判定は、医師の診断書や本人の生活状況に基づいて行われ、公的年金制度における支給判断の根拠となる非常に重要な指標です。

障害認定日

障害認定日とは、障害年金を受け取る際に「この時点で障害の状態が一定の等級に該当していたかどうか」を判断するための基準となる日付のことをいいます。具体的には、病気やけがで初めて医療機関を受診した日(初診日)から原則として1年6か月が経過した日、またはその期間内に治った場合にはその日が障害認定日になります。 この日を基準にして、医師の診断書をもとに障害の程度が1級、2級(または3級)などに当てはまるかどうかが判定されます。障害認定日は年金の支給開始時期を左右する重要な要素であり、正確な把握が必要です。特に申請時には、この日をもとに診断書を提出する必要があるため、障害年金の手続きにおいて非常に大切な日付とされています。

国民年金

国民年金とは、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が原則として加入しなければならない、公的な年金制度です。自営業の人や学生、専業主婦(夫)などが主に対象となり、将来の老後の生活を支える「老齢基礎年金」だけでなく、障害を負ったときの「障害基礎年金」や、死亡した際の遺族のための「遺族基礎年金」なども含まれています。毎月一定の保険料を支払うことで、将来必要となる生活の土台を作る仕組みであり、日本の年金制度の基本となる重要な制度です。

厚生年金

厚生年金とは、会社員や公務員などの給与所得者が加入する公的年金制度で、国民年金(基礎年金)に上乗せして支給される「2階建て構造」の年金制度の一部です。厚生年金に加入している人は、基礎年金に加えて、収入に応じた保険料を支払い、将来はその分に応じた年金額を受け取ることができます。 保険料は労使折半で、勤務先と本人がそれぞれ負担します。原則として70歳未満の従業員が対象で、加入・脱退や保険料の納付、記録管理は日本年金機構が行っています。老後の年金だけでなく、障害年金や遺族年金なども含む包括的な保障があり、給与収入がある人にとっては、生活保障の中心となる制度です。

保険料納付要件

保険料納付要件とは、公的年金を受け取るために必要な条件の一つで、一定期間以上、年金保険料をきちんと納めているかどうかを確認するための基準です。たとえば、障害年金や遺族年金を受け取るには、初診日や死亡日の前日時点で、保険料を「原則として加入期間の3分の2以上」納付または免除されている必要があります。 例外的に、直近1年間に未納がなければ受け取れる特例もあります。これは、制度を公平に維持するための仕組みで、必要な保険料をきちんと負担していた人に対して給付が行われることを目的としています。保険料を納め忘れていた期間が長いと、せっかくの給付が受けられないこともあるため、日頃からの納付状況の確認が大切です。

共済年金

共済年金とは、かつて公務員や私立学校の教職員などが加入していた公的年金制度の一つで、民間の会社員が加入する厚生年金に相当する制度です。これは、現役時代に支払った保険料に基づいて、老後に年金として受け取ることができる仕組みでした。 共済年金は、それぞれの職域(国家公務員、地方公務員、私学教職員など)ごとに独自の共済組合が運営していましたが、制度の一本化を目的として、2015年10月に厚生年金に統合されました。これにより、新たに公務員などとして働き始める人も、民間と同じ厚生年金制度に加入することになっています。なお、統合前に共済年金に加入していた期間については、年金の計算に引き続き反映されるため、過去の加入歴として記録され、給付に反映されます。

障害状態確認届

障害状態確認届とは、障害年金を受け取っている人が、現在の障害の程度が引き続き支給要件に該当しているかどうかを年金機構などに報告するための書類です。これは「定期的な確認」のために必要で、障害の状態によっては1年や5年ごとなどの周期で提出が求められます。 提出時には、医師による診断書(障害状態の診断書)を添付し、障害等級に変更がないかを判断します。もし障害の状態が改善していたり、逆に重くなっていたりすれば、年金の等級や支給額が見直されることもあります。 この手続きは、障害年金が適正に支給されていることを確認し、制度の公正性を保つために重要な役割を果たしています。提出期限を過ぎると年金の支給が止まることもあるため、忘れずに対応することが大切です。

加給年金額

加給年金額とは、厚生年金の老齢厚生年金を受け取る人が、一定の条件を満たしている配偶者や子どもを扶養している場合に、年金に上乗せされて支給される追加の金額のことをいいます。これは、働いてきた本人が家族を養っている状況を考慮して、生活を支えるために設けられた制度です。 たとえば、65歳以上の老齢厚生年金受給者に収入の少ない65歳未満の配偶者がいる場合や、高校生までの子どもがいる場合などに支給されます。加給年金額は、基本的に定額で設定されていますが、対象者の年齢や収入状況などによって支給の有無が決まります。また、配偶者が65歳になると、代わりに「振替加算」という別の仕組みに移行することがあります。家族の状況によって年金額が変動する点を理解しておくことが大切です。

子の加算

子の加算とは、障害年金や遺族年金を受け取る人に扶養する子どもがいる場合に、年金に上乗せされて支給される追加の金額のことをいいます。この「子ども」とは、原則として18歳になった年度の末までの子ども(または20歳未満で障害等級1級・2級の障害がある子ども)を指します。 たとえば、障害基礎年金を受け取っている人が子どもを養っている場合、その人数に応じて年金額が加算されます。ただし、加算される人数には上限があり、通常は2人目までが同額、3人目以降はやや低い額になります。これは、扶養家族を支えていくうえでの経済的な支援を目的とした制度で、子育て中の家庭にとって重要な補助となるしくみです。

標準報酬月額

標準報酬月額(ひょうじゅんほうしゅうげつがく)とは、日本の社会保険制度において、健康保険や厚生年金保険の保険料や給付額を計算する基準となる月額報酬のことを指します。これは、従業員の給与や賃金を基にして決定されますが、月ごとの変動を考慮して一定の範囲に分類されます。 <計算対象の例> 基本給、能率給、奨励給、役付手当、職階手当、特別勤務手当、勤務地手当、物価手当、日直手当、宿直手当、家族手当、休職手当、通勤手当、住宅手当、別居手当、早出残業手当、継続支給する見舞金等、事業所から現金または現物で支給されるもの

報酬比例

報酬比例とは、年金制度において、現役時代の給与や賞与などの報酬額に応じて将来受け取る年金額が決まる仕組みのことをいいます。主に厚生年金の「老齢厚生年金」部分に適用される考え方で、報酬が高ければ高いほど保険料も多く納めることになり、その分、将来の年金受給額も増える仕組みです。 このように、納めた保険料と年金額が連動することで、制度の公平性や納得感が保たれています。なお、年金額は現役時代の平均標準報酬月額や賞与額などをもとに計算され、長く働いて多くの報酬を得ていた人ほど、年金額が高くなる傾向があります。これは「定額部分」と対になる概念で、定額部分が一律であるのに対し、報酬比例は個々の働き方を反映する特徴があります。

障害年金生活者支援給付金

障害年金生活者支援給付金とは、障害年金を受け取っている人のうち、所得が一定基準以下で生活に配慮が必要とされる人に対して支給される、国の給付金制度です。2019年10月の消費税引き上げによる財源を活用して創設され、年金制度の中でも特に生活が厳しい人への補完的支援を目的としています。 対象となるのは、障害基礎年金または障害厚生年金の受給者で、かつ前年の所得が一定以下であることなどの条件を満たした人です。金額は定額で、障害等級によって異なりますが、物価変動等を考慮して毎年見直されることもあります。この給付金は自動では支給されず、申請が必要なため、該当する人は手続きを行うことが重要です。障害年金を基礎とした生活を支えるための、もう一つの経済的支援策といえます。

法定免除

法定免除とは、国民年金の保険料を納める義務がある人のうち、一定の条件に該当することで自動的に保険料の納付が免除される制度のことをいいます。これは本人の申請に基づく「申請免除」とは異なり、法律で定められた事由がある場合に適用されるものです。 代表的な対象者には、障害基礎年金の1級または2級を受給している人、生活保護を受けている人、ハンセン病療養所に入所している人などが該当します。この制度の目的は、生活上または身体的な事情により保険料を負担するのが困難な人々に対し、無理なく年金制度に加入し続けられるようにすることです。なお、法定免除の期間も年金加入期間としてカウントされますが、将来受け取る年金額には影響があるため、その点も理解しておくことが大切です。

老齢年金

老齢年金とは、一定の年齢に達した人が、現役時代に納めた年金保険料に基づいて受け取ることができる公的年金のことをいいます。基本的には、日本の年金制度における「老後の生活を支えるための給付」であり、国民年金から支給される老齢基礎年金と、厚生年金から支給される老齢厚生年金の2つがあります。 国民年金に加入していたすべての人が対象となるのが老齢基礎年金で、会社員や公務員など厚生年金に加入していた人は、基礎年金に加えて老齢厚生年金も受け取ることができます。原則として65歳から支給されますが、繰上げや繰下げ制度を利用することで、受け取り開始年齢を60歳から75歳まで調整することも可能です。老齢年金は、長年の働きと保険料の積み重ねに対して支払われる、生活設計の中心となる制度です。

寡婦年金(かふねんきん)

寡婦年金は、国民年金第1号被保険者だった夫が亡くなったとき、一定の条件を満たす妻(主に子のいない専業主婦層)が60歳から65歳になる前まで受け取れる「つなぎ給付」です。夫の保険料納付済期間(免除期間を含む)が10年以上あり、妻自身が遺族基礎年金・障害基礎年金を受けられない場合に限って支給されます。妻は生計維持関係(年収850万円未満が目安)を証明する必要があり、再婚すると失権します。 2025年度(令和7年度)の年金額は次のとおりです。 | 項目 | 月額 | 年額 | | --- | --- | --- | | 老齢基礎年金(満額) | 69,308円 | 831,700円 | | 寡婦年金(老齢基礎の4分の3) | 51,981円 | 623,775円 | 支給は妻が60歳になった月の翌月から始まり、65歳になる月分で終了します(以後は自分の老齢基礎年金へ切替)。妻が死亡するか再婚・内縁関係が成立した時点でも打ち切られます。子がいる家庭はまず遺族基礎年金が優先され、子が18歳年度末を迎えた後に条件を満たせば寡婦年金へ移行する仕組みです。厚生年金に加入していた夫の場合、遺族厚生年金との併給は可能ですが、組合せ調整により一方が全額または一部停止されることがあります。 寡婦年金の請求は、死亡日の翌日から5年以内に市区町村役場または年金事務所で行います。戸籍謄本、年金手帳(基礎年金番号通知書)、生計維持・収入証明などを揃えて申請します。5年を過ぎると時効で受給権そのものが消滅しますので注意が必要です。 税務面では、相続税法12条により相続税の課税対象外ですが、受給後は雑所得として所得税・住民税の計算に含まれます。金額が比較的小さいため、老齢基礎年金や遺族厚生年金、退職金、私的年金、預貯金などと合わせたキャッシュフロー設計が不可欠です。具体的な併給試算や受給手続きの確認には、日本年金機構の年金見込額試算サービスや社会保険労務士・ファイナンシャルプランナーへの相談を活用すると安心でしょう。

初診日

初診日とは、公的年金制度において、障害年金や遺族年金を請求する際の基準となる「最初にその病気やけがで医師の診療を受けた日」のことをいいます。この日付は、年金の支給要件や保険料納付要件、障害認定日などを判断するうえで非常に重要です。たとえば、障害年金を請求する場合は、初診日に年金制度に加入していたかどうかが支給の可否を左右します。 また、初診日から1年6か月を経過した日(または治った日)が障害認定日とされ、そこから障害の程度が等級に該当しているかが判断されます。初診日を証明するためには、当時診療を受けた医療機関に「受診状況等証明書」を発行してもらう必要があります。正確な初診日の特定は、年金請求の成否に関わる極めて重要なポイントです。

死亡一時金

死亡一時金とは、国民年金に加入していた人が年金を受け取る前に亡くなった場合に、遺族に対して一度だけ支給されるお金のことです。この制度は、老齢基礎年金などの年金を受け取らずに保険料を一定期間納めていた人が対象で、残された家族の経済的負担を軽減する目的で設けられています。 受け取れるのは、主に配偶者や子などの遺族で、条件に合わないと支給されない場合もあります。また、同じく遺族を対象とした「遺族基礎年金」とは併給されず、どちらか一方を選ぶ必要があります。年金制度のなかでも、あまり知られていない制度ですが、万が一の備えとして理解しておくことが大切です。

生活保護

生活保護とは、病気や失業、高齢、障害などの理由で収入が不十分になり、最低限度の生活を送ることが難しい人に対して、国や自治体が生活費などを支給し、暮らしを支える制度です。これは憲法で保障された「健康で文化的な最低限度の生活」を実現するための仕組みであり、最後のセーフティネットとも呼ばれます。 生活保護には、食費や住居費などをまかなう「生活扶助」、医療費を支給する「医療扶助」、住まいの維持に必要な「住宅扶助」など、複数の扶助があり、個々の状況に応じて支給されます。また、原則として資産や働く能力がある場合は、まずそれを活用することが求められますが、それでも生活が成り立たないと判断された場合に支給されます。 生活保護を受けている期間中は、国民年金の保険料が「法定免除」となり、保険料を納める必要がないなど、他の制度とも密接に関係しています。

傷病手当(しょうびょう)

傷病手当(しょうびょう)とは、会社員などが病気やけがで働けなくなり、給与の支払いを受けられない場合に、健康保険から支給される所得補償の制度です。原則として、連続する3日間の待期期間のあと、4日目以降の働けなかった日から、最長で1年6か月間支給されます。 支給される金額は、休業前の標準報酬日額の約3分の2に相当する額とされており、就労不能による収入減少を一定程度カバーする役割を果たします。対象となるのは健康保険に加入している被保険者(主に会社員など)で、国民健康保険には原則としてこの制度はありません。なお、同時に傷病手当金を受け取りながら、会社から給与が支給された場合は、差額調整が行われることがあります。短期的な就労不能時の生活安定を図るための、大切な公的保障の一つです。

就業不能保険

就業不能保険とは、病気やけがで働けなくなり、収入が得られなくなった場合に、一定期間ごとに保険金が支払われる民間の保険商品です。この保険は、入院や自宅療養などで仕事を続けられない状況が長引いたときに、生活費やローン返済などの家計の負担を軽減するために設けられています。 公的な障害年金制度ではカバーしきれない部分を補う目的があり、自営業者やフリーランスなど、収入の保障が不安定な人に特に注目されています。保障内容や支払期間、免責期間などは契約ごとに異なるため、自分の職業やライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。

確定申告

確定申告とは、1月1日から12月31日までの所得を計算して翌年の2月16日から3月15日に申告し、納税する手続き。多くの会社では年末調整を経理部がしてくれるが、確定申告をすると年末調整では受けられない控除を受けることができる場合もある。確定申告をする必要がある人が確定申告をしないと加算税や延滞税が発生する。

障害者控除

障害者控除とは、所得税や住民税を計算する際に、本人や扶養している家族が障害者である場合に、所得から一定額を差し引くことができる制度です。この控除によって、課税される所得額が減り、その結果として支払う税金も軽減されます。 対象となる障害の程度や認定方法には基準があり、「一般の障害者」「特別障害者」「同居特別障害者」といった区分ごとに、控除額も異なります。たとえば、同居している特別障害者を扶養している場合は、最も高い控除額が適用されます。障害者手帳や医師の診断書などを提出することで、障害の状態が確認され、控除の適用が認められます。これは障害を持つ人やその家族の経済的負担を軽減するための税制上の配慮であり、年末調整や確定申告で手続きすることが必要です。

資産運用に役立つ情報をいち早くGET!

無料LINE登録

資産運用について気軽にご相談したい方

プロへ相談する

当メディアで提供するコンテンツは、情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。 銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。 本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。 また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。

投資のコンシェルジュ

運営会社: 株式会社MONO Investment

Email:

運営会社利用規約各種お問い合わせプライバシーポリシーコンテンツの二次利用について

「投資のコンシェルジュ」はMONO Investmentの登録商標です(登録商標第6527070号)。

Copyright © 2022 株式会社MONO Investment All rights reserved.

「投資のコンシェルジュ」はMONO Investmentの登録商標です(登録商標第6527070号)。

Copyright © 2022 株式会社MONO Investment All rights reserved.