障害年金の仕組みと支給対象者を教えてください。
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2025/06/12 17:02
男性
40代
老齢年金が65歳から支給されることは知っていますが、障害年金は働き盛りでも受給できると聞きました。どのような仕組みで支給され、加入している年金制度によって何が変わるのでしょうか。障害年金の基本的な制度内容と受給のポイントを教えてもらえますか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
障害年金は、国民年金法と厚生年金保険法に基づく社会保険制度で、障害状態によって所得が減少した人の生活を支える目的があります。構造は二階建てで、全国民が加入する国民年金からは障害基礎年金、会社員や公務員など厚生年金加入者には上乗せとして障害厚生年金が支給されます。
受給には、①初診日が公的年金加入期間中であること、②一定以上の保険料納付済期間があること、③障害認定日に障害等級(1級または2級、厚生年金は3級まで)に該当することの三要件が必須です。
老齢年金と異なり年齢制限はなく、要件を満たせば現役世代でも申請できます。ただし、初診日や障害の程度を証明する書類が不足すると支給が遅れるため注意が必要です。申請前に年金事務所で加入歴と納付状況を確認し、必要書類を早めに準備することが円滑な受給につながります。
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障害基礎年金
障害基礎年金とは、病気やけがによって日常生活に支障が出るような障害が残った場合に、国民年金から支給される公的年金です。これは主に自営業者や専業主婦、学生など、国民年金のみに加入している人を対象とした制度です。障害の程度は「障害等級」によって判断され、1級または2級に該当すると支給されます。 20歳前に発病した障害でも、一定の条件を満たせば対象になります。生活に必要な最低限の所得保障として位置づけられており、障害を負った人の生活支援や就労支援の基盤となる重要な制度です。公的年金制度の一部であり、老齢基礎年金や遺族基礎年金と並ぶ3つの柱の一つとされています。
障害厚生年金
障害厚生年金とは、厚生年金保険に加入していた人が、病気やケガによって障害を負った場合に支給される年金のことです。これは公的年金制度の一部であり、会社員や公務員など、厚生年金に加入している人が対象となります。支給されるためには、初診日(最初に医師の診察を受けた日)に厚生年金に加入していたこと、一定の保険料納付要件を満たしていること、そして国の定める障害等級(1級~3級)に該当することが条件です。 1級・2級の場合には基礎年金とあわせて支給され、3級や一部の障害手当金は厚生年金独自の給付です。働いていた人が予期せず障害を負ったときに、生活の支えとなる収入を確保する制度であり、リスクに備える公的保障として重要な役割を果たしています。
初診日
初診日とは、公的年金制度において、障害年金や遺族年金を請求する際の基準となる「最初にその病気やけがで医師の診療を受けた日」のことをいいます。この日付は、年金の支給要件や保険料納付要件、障害認定日などを判断するうえで非常に重要です。たとえば、障害年金を請求する場合は、初診日に年金制度に加入していたかどうかが支給の可否を左右します。 また、初診日から1年6か月を経過した日(または治った日)が障害認定日とされ、そこから障害の程度が等級に該当しているかが判断されます。初診日を証明するためには、当時診療を受けた医療機関に「受診状況等証明書」を発行してもらう必要があります。正確な初診日の特定は、年金請求の成否に関わる極めて重要なポイントです。
障害認定日
障害認定日とは、障害年金を受け取る際に「この時点で障害の状態が一定の等級に該当していたかどうか」を判断するための基準となる日付のことをいいます。具体的には、病気やけがで初めて医療機関を受診した日(初診日)から原則として1年6か月が経過した日、またはその期間内に治った場合にはその日が障害認定日になります。 この日を基準にして、医師の診断書をもとに障害の程度が1級、2級(または3級)などに当てはまるかどうかが判定されます。障害認定日は年金の支給開始時期を左右する重要な要素であり、正確な把握が必要です。特に申請時には、この日をもとに診断書を提出する必要があるため、障害年金の手続きにおいて非常に大切な日付とされています。
障害等級
障害等級とは、病気やけがによって生じた障害の程度を国が定めた基準に基づいて分類した等級のことです。障害年金の支給にあたっては、この等級によって受給の可否や支給額が決まります。等級は原則として1級から3級まであり、1級が最も重く、日常生活のほとんどに介助が必要な状態を指します。 2級は日常生活に著しい制限がある場合、3級は労働に一定の支障がある程度とされます。また、障害基礎年金では1級と2級が対象となり、障害厚生年金では1級から3級までが支給対象になります。障害等級の判定は、医師の診断書や本人の生活状況に基づいて行われ、公的年金制度における支給判断の根拠となる非常に重要な指標です。
保険料納付要件
保険料納付要件とは、公的年金を受け取るために必要な条件の一つで、一定期間以上、年金保険料をきちんと納めているかどうかを確認するための基準です。たとえば、障害年金や遺族年金を受け取るには、初診日や死亡日の前日時点で、保険料を「原則として加入期間の3分の2以上」納付または免除されている必要があります。 例外的に、直近1年間に未納がなければ受け取れる特例もあります。これは、制度を公平に維持するための仕組みで、必要な保険料をきちんと負担していた人に対して給付が行われることを目的としています。保険料を納め忘れていた期間が長いと、せっかくの給付が受けられないこともあるため、日頃からの納付状況の確認が大切です。