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ビットコインETFとは?暗号資産に投資する新しい選択肢

ビットコインETFとは?暗号資産に投資する新しい選択肢

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執筆者:

公開:

2025.02.11

更新:

2025.02.13

暗号通貨投資信託・ETF節税

目次

暗号資産ETFの仕組み

暗号資産ETFの種類

現物型ETF

日本でビットコインETFは購入できる?

海外証券会社を利用すれば購入は可能だが税制に注意

海外の暗号資産ETFの種類

米国の暗号資産ETF

香港の暗号資産ETF

暗号資産ETFの商品例(香港)

大手運用会社の暗号資産ETF

日本でビットコインETFやイーサリアムETFが認可された場合のメリット

分離課税の適用で税負担が軽減

証券口座で売買・管理が可能

分散投資が容易でリスク管理がしやすい

少額投資が可能で参入障壁が低い

まとめ

暗号資産は多くの投資家が関心を持つ一方、日本では国が正式に認めた金融商品ではなく、暗号資産ETFも未導入の状態です。そのため、暗号資産の取引で得た利益には「総合課税」が適用され、最大で55%の税率がかかる可能性があります。これに対し、ETFは「分離課税」が適用され、税率は約20%に抑えられています。

しかし、米国をはじめとする海外では、暗号資産が金融商品として認められ、ビットコインやイーサリアムを対象とした暗号資産ETFも存在します。ETF(上場投資信託)を利用すれば、暗号資産を直接購入せずに、株式のように手軽に投資することができます。

本記事では、暗号資産ETFの仕組み・種類、日本での導入可能性について解説します。

暗号資産ETFの仕組み

ETF(上場投資信託)は、株式市場で取引される投資信託で、特定の指数や資産の価格に連動するように設計されています。暗号資産ETFは、その中でも暗号資産の価格に連動するETFの総称です。

暗号資産の直接保有には、盗難リスクや管理の手間が伴います。一方、ETFを活用すれば、証券口座を通じて取引できるため、安全性と利便性が向上します。ただし、ETFの市場価格は基準価額と異なる場合があり、価格変動リスクにも注意が必要です。

暗号資産ETFの種類

暗号資産ETFは、運用方法に応じて大きく3種類に分かれます。

現物型ETF

現物型ETFは、ETF自体が暗号資産を直接保有し、その価格と連動する仕組みを持つETFです。2024年1月、米証券取引委員会(SEC)はビットコイン現物ETFを承認し、4月にはイーサリアム現物ETFも承認されました。

ビットコイン現物ETF(Bitcoin Spot ETF)

実際のビットコイン(BTC)を保有し、その価格に連動するETF。ウォレットの管理が不要で、ハッキングリスクを回避できるメリットがあります。

イーサリアム現物ETF(Ethereum Spot ETF)

ビットコインと同様に、イーサリアム(ETH)を保有し、価格に連動するETF。SECが2024年4月に承認し、機関投資家を中心に関心を集めています。

先物型ETF

暗号資産の先物取引を活用し、価格と連動させるタイプ。米国では2021年にビットコイン先物ETFが承認され、現物ETFより早く市場に登場しました。レバレッジを利用した運用も可能です。

インデックス型ETF

ビットコインやイーサリアムなど、複数の暗号資産を含む指数(インデックス)に基づいて組成されるETF。リスク分散が可能で、特定の暗号資産に依存しないメリットがあります。

日本でビットコインETFは購入できる?

2024年12月時点では、日本国内で暗号資産ETF(ビットコインETF・イーサリアムETF)は未承認のため、国内の証券会社では取引できません。しかし、海外では既に取引が始まっており、アメリカでは2024年1月にビットコイン現物ETFが、香港では2024年4月に暗号資産ETFが上場しています。

海外証券会社を利用すれば購入は可能だが税制に注意

日本の証券会社では暗号資産ETFを取り扱っていませんが、海外の証券会社に口座を開設すれば取引可能です。ただし、年間の合計残高が5000万円を超える場合は「国外財産調書」の提出が必要となるため、税理士に相談しながら適切に申告しましょう。

また、米国ETFは分離課税(約20%)が適用される可能性が高い一方、香港など非米国のETFは総合課税(最大55%)となる可能性があるため、税制の違いをしっかり理解しておくことが大切です。

米国で証券口座を開設し暗号資産ETFに投資した場合

アメリカの市場で取引されるビットコインETFやイーサリアムETFは、日本では「外国株式型ETF」として扱われるため、約20%の分離課税が適用される可能性が高いです。ただし、ETFの分配金にはアメリカで10%の税金が源泉徴収されます。ただし、日本で確定申告をする際に「日米租税条約」の適用を申請すれば、この二重課税を避けることができます

香港など非米国の証券口座を開設し暗号資産ETFに投資した場合

香港のビットコインETF・イーサリアムETFのように、日本の税制で「金融商品」としての明確な扱いが決まっていないETFは、総合課税(最大55%)の対象となる可能性が高いです。

海外の暗号資産ETFの種類

米国の暗号資産ETF

アメリカでは2024年1月に現物ビットコインETFが認可され、その後、多くの暗号資産ETFが上場しました。米国市場には、大手運用会社が提供するETFも含め、さまざまな商品が存在します。以下に主なETFを紹介します。

ビットコインETFの商品例(米国)

ティッカー名称
1GBTCGrayscale Bitcoin Trust
2ARKBARK 21Shares Bitcoin ETF
3BITBBitwise Bitcoin ETF
4BRRRValkyrie Bitcoin Fund
5BTCOInvesco Galaxy Bitcoin ETF
6BTCWInvesco Galaxy Bitcoin ETF
7DEFIHashdex Bitcoin ETF
8EZBCFranklin Bitcoin ETF
9FBTCFidelity Wise Origin Bitcoin Fund
10HODLVaneck Bitcoin Trust ETF
11IBITiShares Bitcoin Trust

イーサリアムETFの商品例(米国)

ティッカー名称
1CETH21shares Core Ethereum ETF
2ETHWBitwise Ethereum ETF
3FETHFidelity Ethereum Fund
4EZETFranklin Ethereum ETF
5QETHInvesco Galaxy Ethereum ETF
6ETHAiShares Ethereum Trust ETF
7ETHVVanEck Ethereum ETF
8ETHEGrayscale Ethereum Trust ETF
9ETHGrayscale Ethereum Mini Trust ETF

参考:https://www.sbisec.co.jp/ETGate/WPLETmgR001Control?OutSide=on&getFlg=on&burl=search_foreign&cat1=foreign&cat2=none&dir=info&file=foreign_info_190626_01.html

香港の暗号資産ETF

香港でも暗号資産ETFが上場しています。香港市場では主に中国系の運用会社が参入し、ビットコインとイーサリアムのスポットETFが取引されています。

暗号資産ETFの商品例(香港)

名称
1Bosera HashKey Bitcoin ETF(BOS HSK BTC)
2Bosera HashKey Ether ETF(BOS HSK ETH)
3ChinaAMC Bitcoin ETF(CAM BTC)
4ChinaAMC Ether ETF(CAM ETH)
5Harvest Bitcoin Spot ETF(HGI BTC)
6Harvest Ether Spot ETF(HGI ETH)

参考:https://jp.beincrypto.com/hong-kong-spot-bitcoin-etfs-trading-hkex/

大手運用会社の暗号資産ETF

米国市場では、ブラックロックやフィデリティといった世界的な資産運用会社も暗号資産ETF市場に参入しています。それぞれの主要ETFと運用状況を以下にまとめます。

ブラックロックの暗号資産ETF

ブラックロックは、最大規模のビットコイン現物ETF「iShares Bitcoin Trust(IBIT)」を運用しており、運用資産は530億ドルを超えています。2024年1月11日に運用開始され、経費率は0.25%です。

イーサリアムETF「iShares Ethereum Trust ETF(ETHA)」も運用しており、運用資産は37億ドル。2024年6月24日に設立され、経費率は0.25%です。

フィデリティの暗号資産ETF

フィデリティも暗号資産ETFを運用しており、ビットコインETF「Fidelity Wise Origin Bitcoin Fund(FBTC)」の運用資産は188億ドル。2024年1月11日に運用開始され、経費率は0.25%です。

イーサリアムETF「Fidelity Ethereum Fund(FETH)」も運用しており、運用資産は15億ドル。2024年7月23日に設立され、経費率は0.25%です。

日本でビットコインETFやイーサリアムETFが認可された場合のメリット

近年、暗号資産(仮想通貨)は金融市場において重要な投資対象となりつつあります。アメリカや香港ではすでに暗号資産ETFが上場されており、特にブラックロックの「iShares Bitcoin Trust」は、資産規模が530億ドルを超えるなど、機関投資家を中心に注目を集めています。

日本では2024年12月時点で暗号資産ETFは認可されていませんが、今後認可されれば、投資環境は大きく変わるでしょう。

まず、税制面では 総合課税から分離課税へ移行する可能性 があり、投資家の税負担が軽減されると考えられます。また、これまで暗号資産の取引には ウォレット管理や秘密鍵の保管が必要 でしたが、ETFなら 証券口座を通じて簡単に売買・管理が可能 です。

さらに、ETFは 分散投資がしやすく、リスクを抑えながら投資できる 点も魅力です。加えて、暗号資産は価格が高騰しており、直接投資するには多額の資金が必要ですが、ETFなら 少額から投資を始められる ため、初心者や小口投資家にも適しています。

このように、税制の優遇、取引の利便性、リスク管理、少額投資のしやすさなど、暗号資産ETFには多くのメリットがあります。では、具体的にどのような利点があるのか、詳しく見ていきましょう。

分離課税の適用で税負担が軽減

現在、日本では暗号資産の売買益は 総合課税 の対象となり、所得額に応じて最大45%の税率が適用される可能性があります。一方、株式や投資信託の利益は 分離課税 が適用され、一律約20%の税率で課税されます。

また、CFD(差金決済取引)を取り扱う証券会社やFX会社では、暗号資産CFDの取引が可能ですが、このCFD取引で得た利益も 総合課税 となっています。本来、株式やFXのCFD取引は「金融商品取引法」に基づき 分離課税 の対象ですが、暗号資産CFDは 金融商品として認められていないため、雑所得として総合課税 となるのが現状です。

このように、 暗号資産そのものの取引も、暗号資産CFDも、現状では総合課税の対象であり、最大45%の税率が適用される可能性があります。 これに対し、暗号資産CFDも金融商品と同様に 分離課税を適用すべきではないか という議論がなされています。

特に、暗号資産ETFが認可されれば、 ETFとしての取引が可能になるため、分離課税の適用が期待される でしょう。これにより、税負担が軽減され、より効率的な資産運用ができるようになります。暗号資産の取引を総合課税のままとするか、ETFやCFDの取引を分離課税にするかは、今後の法改正や規制の動向によって大きく変わる可能性があります。

証券口座で売買・管理が可能

暗号資産を直接購入する場合、取引所での購入やウォレットの管理が必要です。特に、秘密鍵の管理ミスや取引所のハッキングリスクなどが課題とされています。

暗号資産ETFが導入されれば、 株式や投資信託と同様に証券口座で売買・管理できる ようになります。これにより、ウォレットの管理不要で 安全性と利便性が向上 し、より幅広い投資家が暗号資産にアクセスしやすくなるでしょう。

分散投資が容易でリスク管理がしやすい

暗号資産ETFは 1つのETFで複数の暗号資産に分散投資できる可能性 があります。たとえば、ビットコインだけでなく、イーサリアムやその他の主要な暗号資産を含むETFが登場すれば、 個別の暗号資産を購入する手間を省きながら、リスクを分散 することができます。

暗号資産は価格変動が大きいため、単一の資産に投資する場合、リスクが高くなります。しかし、ETFを活用すれば、 市場全体の成長を享受しつつ、価格変動リスクを抑えた投資が可能 となります。

少額投資が可能で参入障壁が低い

2025年1月時点で、ビットコインは1,500万円超、イーサリアムは50万円超の価格に達しています。暗号資産は小数点単位で購入できますが、依然として高額なため、ETFなら少額投資がしやすいメリットがあります。

暗号資産ETFが認可されれば、 少額から投資を始めやすくなり、初心者や小口投資家でも暗号資産市場に参加しやすくなる でしょう。

まとめ

暗号資産ETFは、ビットコインやイーサリアムの価格に連動する上場投資信託であり、米国や香港ではすでに承認・取引されています。一方、日本では2024年12月時点で未承認のため、国内証券会社では購入できません。ただし、海外証券会社を利用すれば取引可能ですが、税制面での負担が大きい点に注意が必要です。今後、日本で暗号資産ETFが導入されれば、分離課税の適用や少額投資のしやすさといったメリットが期待されます。今後の法改正や市場の動向を注視しながら、慎重に投資判断をすることが重要です。

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石井僚一

金融・投資ライター

大手証券グループ投資会社への勤務を経て、個人投資家・ライターに。株式関連、為替関連、資産運用関連を中心に執筆中。Yahoo!トップページに掲載実績あり。第一種証券外務員資格保有。

大手証券グループ投資会社への勤務を経て、個人投資家・ライターに。株式関連、為替関連、資産運用関連を中心に執筆中。Yahoo!トップページに掲載実績あり。第一種証券外務員資格保有。

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ETF(上場投資信託)

ETF(Exchange Traded Funds)は、証券取引所に上場している投資信託で、株式のようにリアルタイムで売買が可能です。 一般的に、特定の指標(例:日経平均株価やS&P500など)に連動する「インデックスETF」が主流ですが、運用チームが独自の投資戦略で運用する「アクティブETF」もあります。アクティブETFは、特定の市場平均を上回るリターンを目指しており、インデックスETFよりも手数料が高い傾向にありますが、差別化された運用成果が期待されます。 また、ETFは分配金の再投資が自動化されていない場合が多い一方で、低コストで幅広い資産に分散投資できるのが魅力です。目的に応じて、インデックスETFとアクティブETFを組み合わせて活用することで、効率的なポートフォリオ構築が可能です。

総合課税

納税者の所得を合算し、課税所得を計算する仕組みのことです。具体的には、個人の所得のうち利子所得、配当所得、事業所得、不動産所得、給与所得、譲渡所得、一時所得、雑所得の8種類(一部例外あり)が対象。 (申告分離課税) 総合課税のようにほかの所得と合算せず、他の所得と分離して所得税を計算する。 (源泉分離課税) 他の所得と分離する所得のうち、所得を支払う者が、納税者に代わって税金を徴収し納める課税方式。

インデックス

インデックス(Index)は、市場の動きを把握するための重要な指標です。複数の銘柄を一定の基準で組み合わせることで、市場全体や特定分野の値動きを分かりやすく数値化しています。 代表的なものには、日本の株式市場を代表する日経平均株価やTOPIX、米国市場の代表格であるS&P500などがあります。これらのインデックスは、投資信託などの運用成果を評価する際の基準として広く活用されており、特にパッシブ運用(インデックス運用)では、この指標と同じような値動きを実現することを目標としています。

レバレッジ

借入金などの外部資金を利用して投資規模を拡大する手法。自己資本に対して大きな投資を行うことで、リターンを増大させる可能性がありますが、同時にリスクも高まります。レバレッジを活用することで、資産運用の効率を高める一方、借入金利の変動や市場の下落時には損失が拡大するリスクがあります。適切な管理が重要です。

基準価額

基準価額とは投資信託の値段のことである。投資信託が保有する株式や債券などの資産の時価評価額である「純資産総額」を工数で割って算出される。原則基準価額は1日に一度算出され公表される。多くの投資信託では運用開始時に1口=1円、1万口=1万円で設定される。

分散投資

リスク低減のため、資金を複数の銘柄や資産クラス、地域、業種に分配して投資する方法。特定の投資対象が値下がりしても、他の資産の上昇で損失を緩和できる可能性があります。安定したリターンを長期的に目指す基本戦略です。

改正金融商品取引法(金商法)

改正金融商品取引法(以下、金商法)は、金融商品の取引において投資家を保護し、市場の健全性を維持するための法律です。株式や投資信託といった従来型の金融商品に加え、STOや仮想通貨関連の金融商品も規制の対象に含まれます。特に、STOや仮想通貨は新しい技術を活用した投資手法として注目されていますが、複雑さや不正行為のリスクも伴います。そのため、金商法では情報開示義務や業者の登録制を設け、投資家が安心して取引できる環境を提供しています。さらに、インサイダー取引や詐欺的行為に対しても厳しい罰則を設け、公正な市場を確保しています。

分配金

投資信託の収益から投資家に還元するお金のこと。 決算時に支払われるのが一般的。 ただし、運用成果や今後の運用戦略を考慮したうえで運用会社が決めるため、決算期ごとに毎回支払われるとは限らず、金額も未定。 分配金の支払い原資は投資信託の資産であり、分配金を支払うと資産は減る。 このため、分配金を支払うことで、その分だけ基準価額が下がる。

分離課税

分離課税(ぶんりかぜい)とは、特定の所得について他の所得と合算せず、その所得単独で税額を計算し、課税する方式です。分離課税には「源泉分離課税」と「申告分離課税」の2種類があります。

差金決済取引(CFD)

差金決済取引(CFD:Contract for Difference)は、株式や商品、指数などの金融資産の価格変動を利用して利益を狙う取引方法です。CFDでは、実際に資産を購入するのではなく、売買の価格差のみを決済する仕組みになっています。そのため、少ない資金で大きな取引ができる「レバレッジ取引」が可能です。 また、CFDは「買い」からだけでなく「売り」からも取引を始められます。そのため、価格が上昇する局面だけでなく、下落局面でも利益を狙うことができます。この点が、現物取引との大きな違いです。CFDは世界中の金融市場で利用されており、日本でも株価指数や原油、金などの商品に対するCFDが提供されています。

金融商品取引法

金融商品取引法(FIEA:Financial Instruments and Exchange Act)は、日本の証券市場や金融商品の取引を規制し、投資家を保護するための法律です。2007年に「証券取引法」から改正・統合され、金融市場全体の健全性を確保する役割を担っています。 この法律は、株式、債券、投資信託、デリバティブ(先物・オプション取引)、暗号資産関連商品など、幅広い金融商品を対象としています。投資家保護の観点から、虚偽表示や詐欺的な勧誘を禁止し、投資家の知識や経験に応じた適切な商品を提供することが義務付けられています。また、市場の透明性を確保するため、金融機関や証券会社に対して取引情報の適切な開示を求め、公正な市場運営を実現しています。さらに、未公開の重要情報を利用したインサイダー取引や市場操作を禁止し、市場の公平性を維持することも重要な目的の一つです。 この法律によって、投資家が安心して金融市場に参加できる環境が整備されています。しかし、投資を行う際には規制の内容を理解し、適切な取引を行うことが求められます。

外国株式型ETF

外国株式型ETFは、海外の株式市場に上場している企業の株価に連動する上場投資信託(ETF)です。国内の証券取引所で取引できるものと、海外市場に直接上場しているものがあります。 これにより、投資家は日本国内からでもアメリカやヨーロッパ、新興国市場の株式に分散投資することが可能です。 外国株式型ETFの魅力は、少額で幅広い銘柄に投資できる点と、リアルタイムで売買できる流動性の高さにあります。 また、為替リスクが伴うため、円安・円高の影響を受ける点には注意が必要です。 代表的な銘柄としては、米国の「S&P500」や「NASDAQ100」に連動するETF、新興国市場の指数に連動するETFなどがあり、投資対象は多岐にわたります。

暗号資産ETF

暗号資産ETF(Exchange Traded Fund)は、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産(仮想通貨)の価格に連動する上場投資信託です。 証券取引所で株式と同じように売買できるため、投資家は直接暗号資産を保有せずに、その価格変動に投資できます。 暗号資産ETFには、現物型と先物型の2種類があります。現物型は、実際にビットコインなどを保有し、価格に連動する仕組みです。 一方、先物型は暗号資産の先物契約を通じて価格を追跡します。 2023年には、カナダやヨーロッパで現物型ETFが登場し、2024年には米国でもビットコイン現物ETFが承認されました ETFを利用することで、ウォレットの管理不要、規制の整った市場での取引、税制面の優遇といったメリットがあります。 一方で、価格の変動が大きいため、リスク管理も重要です。暗号資産市場の成長とともに、今後さらなる注目を集める分野です。

現物型ETF

現物型ETF(Exchange Traded Fund)は、実際の株式や債券などの「現物資産」を保有するタイプのETFです。ETFとは、証券取引所に上場している投資信託のことで、株式のように売買できます。 例えば、日経平均株価に連動する現物型ETFの場合、運用会社は日経平均を構成する実際の銘柄を購入し、その価値に基づいてETFの価格が決まります。これにより、投資家はETFを1口買うだけで、多くの銘柄に分散投資できるメリットがあります。 また、先物を活用して運用するETFもありますが、現物型ETFは実際の資産を持つため、価格の透明性が高く、運用の仕組みがわかりやすいのが特徴です。初心者には、実際の株や債券を保有する現物型ETFが安心できる選択肢となるでしょう。

先物型ETF

先物型ETF(Futures ETF)は、暗号資産や株価指数、コモディティ(原油・金など)の先物契約を用いて価格に連動する上場投資信託です。先物市場を活用することで、投資家は現物を直接保有せずに価格変動に投資できます。 例えば、ビットコイン先物ETFは、米国のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)で取引されるビットコイン先物契約に基づいて運用されます。 2021年に米証券取引委員会(SEC)が初めてビットコイン先物ETFを承認し、暗号資産市場への機関投資家の参入が進みました。 先物型ETFのメリットは、現物を保有しないため管理コストが低く、規制が整った市場で取引できる点です。 しかし、先物特有の価格乖離(コンタンゴ)やロールオーバーコストが発生する可能性があり、長期投資には向かない場合もあります。投資を検討する際は、これらのリスクを理解することが重要です。

インデックス型ETF

インデックス型ETF(上場投資信託)は、日経平均株価やS&P500などの株価指数(インデックス)に連動する運用を目指すETF(Exchange Traded Fund)のことです。 ETFは株式のように証券取引所で売買でき、手数料が比較的安いのが特徴です。インデックス型は特定の指数に沿った運用をするため、個別銘柄の選定が不要で、分散投資がしやすいメリットがあります。 例えば、「S&P500 ETF」はS&P500指数に連動し、アメリカの代表的な500社に分散投資できます。少額から投資可能で、長期投資や資産形成に向いているため、多くの投資家に人気です。

ビットコイン

ビットコイン(BTC)は、2009年にサトシ・ナカモトと名乗る人物によって開発された世界初の暗号資産(仮想通貨)です。中央銀行や政府による管理を受けず、ブロックチェーン技術を活用して取引の透明性と安全性を確保しています。 ビットコインは、発行上限が2,100万枚と決まっており、これがデジタルゴールドと呼ばれる理由の一つです。価格は需要と供給によって決まり、価格変動が大きいのが特徴です。 特に半減期(約4年ごとにマイニング報酬が半減)があるため、供給量の減少に伴い価格が上昇する傾向があります。 用途としては、投資・決済手段・価値の保存などがあり、近年ではビットコインETFの登場や機関投資家の参入によって、市場の拡大が進んでいます。一方で、価格の乱高下や規制の影響を受けるため、投資にはリスク管理が重要です。

暗号資産CFD

暗号資産CFD(差金決済取引)とは、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産を実際に保有せず、価格の変動を利用して売買する投資手法です。 CFD(Contract for Difference)は「差額決済取引」の略で、価格の上昇・下落の差額だけをやり取りする仕組みです。 例えば、ビットコインが500万円のときに「買い」のポジションを取り、価格が520万円になったら売れば、その差額の20万円が利益になります。逆に下がると損失が出ます。 また、レバレッジを利用できるため、少額の資金で大きな取引が可能ですが、その分リスクも高くなります。暗号資産は値動きが激しいため、初心者は慎重に活用することが大切です。

イーサリアム(Ethereum)

イーサリアム(Ethereum, ETH)は、スマートコントラクト機能を備えたブロックチェーンとして2015年に誕生した暗号資産(仮想通貨)です。 ビットコイン(BTC)が「価値の保存」を目的とするのに対し、イーサリアムは分散型アプリケーション(DApps)やDeFi(分散型金融)の基盤として活用されています。 イーサリアムの最大の特徴は、スマートコントラクトと呼ばれる自動契約機能です。これにより、仲介者なしで取引や契約を実行できるため、金融・ゲーム・NFT(非代替性トークン)など多様な分野で利用されています。 また、2022年には「The Merge(マージ)」という大型アップデートにより、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)からPoS(プルーフ・オブ・ステーク)へ移行しました。 これにより、消費電力が大幅に削減され、環境負荷が軽減されました。今後もスケーラビリティ向上や取引手数料の削減に向けた開発が進んでおり、暗号資産市場で重要な役割を果たしています。

源泉徴収

源泉徴収とは、給与や報酬、利子、配当などの支払いを受ける人に代わって、支払者があらかじめ所得税を差し引き、税務署に納付する制度です。特に給与所得者の場合、会社が毎月の給与から所得税を控除し、年末調整で過不足を精算します。 この制度の目的は、税金の徴収を確実に行い、納税者の負担を軽減することです。例えば、会社員は確定申告を行わずに納税が完了するケースが多くなります。ただし、個人事業主や一定の副収入がある人は、源泉徴収された金額を基に確定申告が必要になることがあります。 また、配当金や利子の源泉徴収税率は原則20.315%(所得税15.315%+住民税5%)ですが、金融商品によって異なる場合があるため、事前に確認が必要です。

日米租税条約

日米租税条約は、日本とアメリカの間で締結された二重課税の防止や脱税の防止を目的とする条約です。この条約により、日米両国で発生する所得に対する税負担が軽減され、投資や経済活動が円滑に行われるようになっています。 例えば、日本に住む投資家がアメリカ企業の株式を保有し、配当を受け取る場合、通常アメリカで30%の源泉徴収税がかかります。 しかし、日米租税条約の適用を受けると、この税率は10%に軽減されます。同様に、アメリカに住む人が日本の金融資産から所得を得る場合も、適用対象となります。 条約の適用を受けるには、日本の税務署を通じて「租税条約に関する届出書」を提出する必要があります。 これにより、投資家は不要な二重課税を回避し、より効率的に資産運用を行うことができます。

国外財産調書

国外財産調書は、日本に住む個人が海外に保有する財産の状況を税務署に報告する制度です。 対象者は、その年の12月31日時点で5,000万円を超える国外財産を持っている日本の居住者(非永住者を除く)です。提出義務がある場合、翌年3月15日までに税務署へ届け出る必要があります。 国外財産の種類には、海外の銀行預金、株式、不動産、仮想通貨などが含まれます。これにより、税務当局は国外資産の保有状況を把握し、適正な課税を行うことが可能になります。 もし提出しなかったり虚偽の報告をしたりすると、罰則が適用される可能性があります。例えば、未提出や虚偽報告が判明した場合、過少申告加算税や重加算税が加重されることがあります。 国外資産を持つ人は、正しく申告し、税務リスクを回避することが重要です。

ウォレット

ウォレット(Wallet)は、暗号資産(仮想通貨)を保管・管理・送受信するためのデジタル財布です。暗号資産を安全に保管するために、秘密鍵(プライベートキー)と公開鍵(パブリックキー)を管理する役割を持ちます。 ウォレットには大きく分けてホットウォレットとコールドウォレットの2種類があります。 ホットウォレット:インターネットに接続されたウォレットで、利便性が高く、スマートフォンアプリや取引所内ウォレットがこれに該当します。ただし、ハッキングリスクがあるため、十分なセキュリティ対策が必要です。 コールドウォレット:インターネットから切り離されたウォレットで、USB型デバイス(ハードウェアウォレット)や紙に記録するペーパーウォレットがあります。 安全性が高い一方で、紛失するとアクセスできなくなるリスクもあります。 自分の用途に合ったウォレットを選び、セキュリティを確保することが重要です。

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