専門用語解説
や行
役員報酬
役員報酬とは、企業の経営者や役員に支払われる報酬のことです。報酬内容は「基本報酬(固定給)」「業績連動報酬」「株式報酬」など多岐にわたり、企業の業績や本人の貢献度に応じて決められます。 特に経営者自身が自分の報酬を決める立場にある場合、適正な金額設定や報酬の構成は、税務や将来の資産形成にも大きく関わります。たとえば、株式報酬は中長期的な資産運用につながる手段としても注目されています。 また、役員報酬の決定には、企業統治(コーポレートガバナンス)の観点から透明性や合理性も重要視されており、社外取締役や報酬委員会の関与なども求められます。 将来的なFIRE(早期リタイア)や資産拡大を考えるなら、役員報酬をどう設計するかが、重要な資産戦略の一つになります。
約定
株式取引などの売買が成立すること。 買いたい人と売りたい人の条件が合致して、取引が成立した状態を指す。
UCITSファンド(UCITS Fund)
UCITSファンドとは、欧州連合(EU)の法律に基づいて運用されている投資信託のことを指します。UCITSは「Undertakings for Collective Investment in Transferable Securities」の略で、日本語では「譲渡可能証券への共同投資事業」と訳されます。このファンドは投資家保護を重視した厳格な規制のもとで運用されており、特にリスクの管理や情報開示が徹底されています。そのため、ヨーロッパだけでなく世界中の投資家から信頼されており、日本の証券会社でも取り扱われていることがあります。初心者の方にとっても比較的安心して投資しやすい商品といえるでしょう。
EURIBOR(EURO InterBank Offered Rate/欧州銀行間取引金利)
EURIBOR(ユーリボー)とは、「EURO InterBank Offered Rate」(欧州銀行間取引金利)を略した言葉で、ユーロ圏の主要銀行が短期資金を貸し借りする際の金利のことです。欧州中央銀行(ECB)の金融政策や市場の資金需要に影響を受け、期間ごとに異なる金利が設定されます。EURIBORはユーロ建てのローンや金融商品の基準金利として広く使われており、住宅ローンや企業向け融資の金利にも影響を与えます。投資家にとっては、ユーロ圏の金利動向を把握する重要な指標の一つです。
ユーロクリア
ユーロクリアとは、国際的な証券の保管や決済を専門に行う機関で、ベルギーに本拠を置く「ユーロクリア・バンク」がその中核を担っています。主にヨーロッパを中心とした国際市場で発行される債券や株式などの取引において、安全かつ効率的に証券の受け渡しや資金の決済を行うインフラとして機能しています。たとえば、海外の債券を売買した場合、実際の証券はユーロクリアの口座内で記録・保管され、所有者の変更などもこのシステムを通じて処理されます。個人投資家が直接利用することは少ないものの、金融機関や証券会社を通じた海外投資では、ユーロクリアが舞台となっていることが多く、国際的な金融取引の円滑な運営を支える重要な仕組みです。
ユーロ債
ユーロ債とは、発行体の本国とは異なる国の通貨で発行される国際的な債券のことです。たとえば、日本の企業がアメリカ以外の国で米ドル建ての債券を発行する場合、それはユーロ債と呼ばれます。 「ユーロ」という名前がついていますが、ユーロ通貨とは関係なく、「自国以外の市場で発行される外貨建て債券」という意味です。国際的な資金調達手段として使われることが多く、発行通貨の種類や発行市場に応じて「ユーロドル債」や「ユーロ円債」といった名称が使われることもあります。投資家にとっては、国際分散投資の一環として利回りや通貨の選択肢を広げられる魅力があります。
EURO STOXX 50
ユーロSTOXX50インデックス。 ユーロ圏のスーパーセクターの優良銘柄で構成される代表的な指数。 ユーロ圏の11カ国から50銘柄をカバー。 資格をもつ金融機関が上場投資信託(ETF)、先物・オプション、仕組商品など幅広い投資商品の原証券として使用。
遺言
遺言とは、自分が亡くなったあとに財産をどのように分けるかや、誰に何を遺すかなど、自分の最終的な意思を文書として残すものです。遺言を書くことで、遺産の分け方を自分の意志で決めることができ、相続人同士の争いを未然に防ぐことにもつながります。 遺言には、自筆で全文を書く「自筆証書遺言」、公証人が関与して作成される「公正証書遺言」、特別な状況で認められる「秘密証書遺言」などいくつかの形式があり、それぞれ法的なルールに従って作成する必要があります。法的に有効な遺言があれば、その内容は相続において優先されます。資産運用や相続計画において、遺言は自分の思いを形にし、家族に円滑に財産を引き継がせるためのとても大切な手段です。
遺言書
遺言書とは、自分が亡くなったあとに財産をどのように分けてほしいかをあらかじめ書き残しておく文書のことです。生前に自分の意思を明確に示す手段であり、誰にどの財産を渡すか、あるいは誰には渡さないかなどを記載することができます。遺言書があることで、相続人同士のトラブルを防いだり、法定相続とは異なる分け方を実現したりすることが可能になります。法的に有効な遺言書にするためには、決められた形式に沿って作成する必要があります。代表的な形式には自筆証書遺言や公正証書遺言があります。資産運用においても、相続の計画を立てるうえで非常に重要な役割を果たします。
遺言信託
遺言の際に遺言執行者として信託銀行を指定し、相続が生じたときには遺言執行者として指定してある信託銀行が遺言に記載されている通りに財産の分割に関する手続きなどを行うサービス。 法律用語としての遺言信託は、遺言において、遺言する人が信頼できる人に、特定の目的に従って財産の管理等する旨を定めることにより設定する信託のことをいう。
有価証券
有価証券とは、財産的な価値を持ち、それ自体が権利の証明となる紙や電子的な記録のことをいいます。代表的なものには、株式、債券、投資信託受益証券、手形、小切手などがあります。これらは売買や譲渡が可能で、保有することによって配当や利息を受け取る権利、または資金の返還を受ける権利が発生します。有価証券は、企業や政府が資金を調達する手段として発行し、投資家は将来のリターンを期待してそれを取得します。金融商品としての性格を持ち、市場での価格変動によって利益を得たり損失を被ることもあるため、資産運用の中核的な存在です。法律上も厳密に定義されており、税務や会計、金融規制の面でも重要な扱いを受ける項目です。
有期年金
支給開始時点から一定期間について、生存している限り支給される年金。一定期間内に死亡した場合は、その時点で年金の支給が終了する。
優先株式
種類株式の一種で、他の株式に比べて優先的地位を持っている株式のこと。 多くの場合、配当(剰余金)や会社清算時の残余財産を普通株より優先して受ける権利を有する一方、議決権に一定の制限が付された株式を指す。 逆に、普通株よりも劣る地位の株式を劣後株という。
優待利回り
投資金額に対する株主優待の割合のこと。 株式を買った金額に対して、株主優待の価値がどれくらいあるかを数値化したもので、個人投資家が還元率の高い優待銘柄を見つけるための指標のひとつ。 「優待利回り(%)=株主優待の価値(金額換算)÷投資金額×100」で求められる。優待は現物給付なども多く客観点な市場価格をつけるのが難しいので注意が必要。
有利子負債
有利子負債とは、銀行からの借入金や社債など、利息を付けて返さないといけない負債のこと。 有利子負債が多すぎると、経営上、利息の返済が大きな負担となるので、企業の健全性を測るうえで重要な指標の一つ。 財務諸表で確認することが可能。
養老保険
養老保険とは、「保障」と「貯蓄」の両方の機能を備えた生命保険です。契約期間中に万が一亡くなった場合には「死亡保険金」が支払われ、無事に満期を迎えた場合には「満期保険金」として同じ金額が受け取れるのが大きな特徴です。 そのため、老後資金の準備やお子さまの教育資金づくりなど、将来に備えながら万が一にも備えられる保険として活用されています。貯金感覚で利用できる点から、計画的に資金を準備したい方に適しています。 ただし、保障と貯蓄の両方を兼ね備えているため、保険料は定期保険よりも高めに設定されている点には注意が必要です。しっかりと目的と費用のバランスを考えて加入することが大切です。
預金保険制度
預金保険制度とは、金融機関が破綻した場合に、預金者の資産を一定額まで保護する制度のことである。日本では、預金保険機構がこの制度を運営しており、銀行や信用金庫などの金融機関が加入している。通常、元本1,000万円とその利息までが保護対象となるが、決済性預金(利息の付かない当座預金など)は全額保証される。この仕組みにより、金融システムの安定性が維持され、預金者の信用が確保される。一方で、投資信託や外貨預金などは預金保険の対象外であるため、資産運用においてはリスク管理が求められる。安全性を重視した資産運用を考える際に、預金保険の適用範囲を理解することが重要である
与信
金銭的な貸付や同等の行為(クレジットカードの発行、保証など)を行う際に、取引相手に融資や融資枠などの信用を与えること。証券会社による信用取引や銀行の貸出(融資)、広くは商品を先に渡して後から代金を回収する売掛やツケなどもこれにあたる。
予想分配金提示型ファンド
予想分配金提示型ファンドは、決算時ごとに支払われる分配金の「目安額」を事前に開示する投資信託です。実際の分配金を保証するものではありませんが、毎月・四半期など決まったペースで受取り額のイメージを示すことで、投資家がキャッシュフロー計画を立てやすい点が特徴です。ただし提示額は市場動向や運用成績次第で上下し、場合によっては元本を取り崩す「タコ足分配」に頼る可能性もあります。したがって、高い予想分配利回りだけで判断せず、①分配原資が運用益か元本か、②信託報酬などコスト水準、③基準価額の推移――をあわせて確認することが重要です。「予想」はあくまで目安であり、分配水準は変更されるリスクがある点を理解して活用しましょう。
予定受取年数
予定受取年数とは、年金や分割払いの保険金を受け取る際に、受取人があらかじめ設定する受取期間のことを指す。年金保険や個人年金制度では、この期間の長さによって毎回の受取額が決まり、長期間にわたる場合は1回あたりの受取額が減少し、短期間では増加する。受取年数の設定は、税制やライフプランに影響を及ぼすため、慎重に検討する必要がある。